はじめに
前巻79に続き、2ヶ月連続で2019年1月9日にリリースされた「ほんとにあった!呪いのビデオ80」のレビューです。前回のメインエピソード、「縁恨」の続きが楽しみです。
海辺(すこし怖い)
概要
しばらくは、海辺でだらだら遊んでいる風景が続く。映像の終盤近くで、水中に何か得体の知れないものが写り込んでいる。カメラが横にパンして、戻ってくると消えている。スロー再生で、それが仰向けに沈んでいる女性の姿だとわかる。この海岸ではかつてウインドサーフィン中の女性が事故で亡くなったという。
感想
いつもの横にパンして、カメラが戻ると消えているというパターンです。ただ今回は水の中に沈んでいる(海岸で底が浅いのでバッチリ見える)点が目新しかったです。変に生々しくてちょっと怖かったですね。
トンネル(怖い)
概要
投稿者とその友人の男性2人が、廃道らしき道を徒歩で探索中にトンネルに行き着く。その入り口にはしおれた花束。
トンネルに入った2人は、友人が恋人がいるにもかかわらず浮気をしている件で軽い口論となる。カメラを地面に置いて口論を続けていると、少し先のトンネルの出口に、人影がいることに友人が気づく。地面に置いたカメラは、画面の片隅にその人影を小さく捉えていた。投稿者が、カメラを拾い出口に構え直すも、すでに人影は消えてしまった。
突然トンネル内に大きな音が響いて友人の姿が消えてしまう。彼が持っていた飲みかけのペットボトルが地面に転がっている。辺りを見回すと、なぜか、トンネルの出口に友人が背を向けて立っている。今までここで口論していたのに。呼びかけるも返事は無い。
すると、彼の頭がありえない方向に曲がり、ゴロンと落ちてしまう。驚いて駆け寄るが、友人は気を失っているだけで、首も落ちていなかった。
かつてこのトンネルの近くで、女性が浮気による失恋で首を吊る事件があったという。
感想
一見廃道っぽいのですが、トンネル内にきちんと照明が灯っているので、いわゆる酷道ってやつですかね。地面に置いたカメラは偶然(?)トンネルの出口を捉えていて、画面の片隅に人影が映っています。でも小さいので拡大しないと詳細は分かりません。
拡大映像では人影は動いており、左から現れてこちらを向きます。動き方が、歩いている感じではなく、すーっと移動していて、よく見る幽霊みたいな動きで不気味です。友人の首が落ちる場面も、シルエットになっているので、気持ち悪くて怖かったですね。
2020年8月12日追記
このトンネルですが、八王子市とあきる野市にまたがる、小峰隧道(旧小峰トンネル)のようです。新小峰トンネル建設に伴い役割を終え、現在は車は通れないようになっていますが、人は通れます。ですから廃トンネルではありませんね。
見知らぬ女の子(怖くないけど不思議)
概要
投稿者(女性)が実家で、母親が撮影した昔のビデオを発見する。まだ幼い投稿者と湖に遊び行ったときの映像であった。映像を見続けていると、いつのまにか自分が見知らぬ女の子と親しそうに遊んでいる。映像内で撮影した母親も不審がる様子もなく、本人にも当時の記憶は無い。
別のカットで幼い投稿者が遠くを指差し「さきちゃん」とつぶやく。撮影者の母親がそこへカメラを向けると、先ほど遊んでいた女の子とおぼしき少女が確認できる。ズームアップを試みるが、カメラがブレてしまい、その子の姿も見失ってしまう。実は現在の投稿者の娘の名も「さき」であった。
娘が時間を飛び越え、過去の自分と遊んでいたとでも、言うのだろうか。
感想
幼い女の子同士が遊んでいるだけで、怖くは無いです。ただ、現在の投稿者の娘さんと、映像の女の子は確かに同一人物に見えます。不思議な映像です。
水面(怖くない)
概要
公園の池でボートを漕いでいると、ボートが何かに乗り上げてバウンドしたような振動が走る。カメラが池の水面を探るが、投稿者たちは何も見つけることができない。しかしカメラには水面から半分ほど顔を出すどす黒い何者かを捉えていた。
感想
場所は井之頭公園でしょうか?はっきりと映っていますが、あまりにも合成っぽくて怖くはありません。
続・縁恨 前編(怖くない)
概要
前回のメインエピソード続き
本呪事務局に送られてきた、似たような現象(体に一部がが消えている)の映像2本の紹介。
一つは、TikTokに投稿された、投稿者本人の女子高生の足が消えているというもの。彼女はその後バスケで足を捻ったのだが、不思議と痛みは無く、一緒に写っていた友人が、事故も無いのに足を痛めてしまった。
もう一つは、肺がんで闘病中の妻、その友人と夫で、最後になるかもしれないと、思い出の場所を訪れたときの映像。妻の胸のあたりが透けてしまっている。その後、妻の病状は奇跡的に回復したものの、妻の友人は、同じ肺がんであっという間にこの世を去ってしまった。
いずれも、関係者の立場が逆転してしまっているが、その他の共通点として、とある癌闘病記のブログで公開されていた動画を見ていたことが判明する。女子高生は父親のFacebookに投稿されていたものを、夫婦はブログから直接。
そこで、「演出応援」とかいう中途半端な肩書きの大塚氏が「この映像、僕、見たことがあるかもしれません」などと発言して、思わせぶりに前半が終了する。
感想
いずれの映像も、体の一部が消えているだけで、怖くはありません。それにしても大塚氏は「演出補」に昇格しても良いんじゃないですかね。
熱唱(怖くない)
概要
地元の仲間(かなり大人数)で、同窓会的カラオケをやったときの映像。足場から転落して、亡くなってしまったはずの友人が映っていた。
感想
JASRACの関係か歌詞の部分を流せないので、歌っている最中「ピー音」だらけで、とてもうざいです。映っているとされる姿も、一瞬すぎて、尚かつ薄すぎてよくわかりません。
シリーズ監視カメラ 散乱(ほんの少し怖い)
概要
コンビニで、商品のお菓子がぶちまけられるといういたずらに業を煮やした経営者が、防犯カメラをチェックしたところ、ありえないものが撮影されていた。それは、半透明の男の子が菓子を万引きして消えてしまうというもの。彼が消えるときに、懐に隠したお菓子が散乱する。この子は万引きの常習犯で、他店でそれを咎められ、逃げる過程で車にひかれて亡くなったという。
亡くなってからも、近隣の店で万引きを繰り返しているとでも言うのだろうか。
感想
半透明の男の子が、万引きしている映像です。顔までバッチリ確認できます。消えた直後にお菓子が散乱してしまう場面は、「僕が実体化できるのはここまでが限界」と言っているようで、ちょっと切ない。ただ、お菓子の散らばり方が、ちょっと不自然で、作り物っぽいです。
積乱雲(少し怖い)
概要
投稿者の男性が、橋の真ん中で遠くに稲妻が走る積乱雲を撮影している。彼女も一緒で、互いに「すごいすごい」と会話しているが、カメラが彼女の方に振り返ると、その肩にどす黒い人影が手をかけていた。
感想
場所は隅田川。春日通りの厩橋でしょう。この橋の側で最近自殺した人がいるという情報が提示されます。やはり作り物っぽく怖くはありません。尚、この下には都営大江戸線が走っているのですが、なぜかこの厩橋を大きく迂回しています。なにかあるんでしょうか?
続・縁恨 後編(まあ怖い)
概要
大塚氏は、身近に将来介護しなければならない方がいるみたいで(ピー音で詳細不明)、その理由から闘病夫婦のブログをかつて閲覧していたことがある。問題の映像も見たそうだ。ブックマークにあった、そのブログの閲覧を改めて試みるが、既に閉鎖されたのか、リンク切れであった。スタッフは大塚氏に入れ替わりの事実を確認するが、取材中崖から落ちた醜態しか心当たりが無いそうだ。ただ、友人が事故にあったが軽傷で済んだことを思い出す。これも入れ替わりなのか?
結局手がかりは無し。
ただ、足が消えた女子高生への取材で、その父親のFacdbookの投稿者が、前巻で登場した、映像監督の渡辺氏であったことが判明する。
さらに、その映像は、なんと羽鳥氏から別の資料にまぎれて送られてきたそうだ。渡辺氏はこの映像を見て何か異質なものを感じたようで、「何か見えたらイイねしてね」と思わせぶりなキャプションを入れてしまった(これが女子高生と父親の興味をひいてしまう)。
なぜ羽鳥氏がこの映像を所持していたかというと、例のブログの夫婦の闘病ドキュメンタリー映像を手がけていたから。ただし、最初から関わっていたわけでは無く、元の監督が撮れ高を意識するあまり、その夫婦(特に夫)とトラブルになってしまい、さらに自分の息子が足を切断せざるをえない事故にあってしまったことなどから、監督を降りてしまったため、後任であった。結局、闘病していた妻は亡くなってしまい、作品が完成することはなかった。
取材の中で、渡辺氏は最近フリーメールから頻繁にこの映像が送られきていると語り、その送り主は羽鳥氏の奥さんでは無いかと疑いの目を向けていた。実は羽鳥氏が生前に目をかけていた女優の卵の稲村さん(今は渡辺氏に囲われてアシスタントみたいなことをやっている)の元にも送られてきており、彼女の精神的負担が大きくなりつつあるとも語る。
こちらから奥さんに連絡がつかないので、直接話す場を設けて欲しいと、渡部氏に依頼され、本呪事務所で三者の話し合いの席が設けられ、羽鳥夫人はおどおどしつつも、その件についてはきっぱりと否定する。納得のいかない渡辺氏と稲村さんではあったが、とりあえずこの場を去る。
二人が去った後、羽鳥夫人は、ワークショップで生徒だった〇〇君(名前失念しました)ではないかと推測する。
ここで、例のブログの映像が、以下の脅し文句を添えて登場する。
警告
これからご覧頂く映像は
あなたや身近の方に深刻な影響を及ぼす可能性が考えられます
気の進まない方は再生をやめてください
こちらでは一切の責任を負いかねます
映像は、病床の妻がブログ読者に語りかける内容。「毎日が怖いけれど、頑張っている姿を見ていただくことで、同じ境遇の人たちの励みなれたら…」みたいなことを語っている。本人はだいぶ病状が悪化したのか、声が弱々しい。映像は大変劣化していて不鮮明。声も潰れて聞き取れないとこもあり。さらにに時折大きな音のノイズが「ビ!、ビ!、ビ!」とはしる。
スタッフの寒川が、その時折走る大きなノイズ音の部分を切り出して加工し、つないで連続して再生を試みる。それは人の声、それも絶叫であることが判明した。
「変わって…変わって…奪ってやる!」
男性の声。夫の声であろうか。
呪いのビデオはほんとうにあったのだ!
最後に羽鳥夫人が懐妊を告白する。不妊治療時に保存してあった細胞から、妊娠することに成功したのだ。
「これから夫との夢を叶えていきます」と羽鳥夫人。
「入れ替わりの結果で無いことを祈るばかりである」というナレーションで締めくくる。
感想
久々の警告画面ですね。ちゃんと見ましたよw
渡辺氏、生きてましたね。前巻で渡辺氏にピー音がかぶらなかったのは不自然かと思いましたが、下の名前は隠していました。「渡辺」は全国にたくさんいる名字だから、特定は困難ですね。
さて、問題の映像は画質劣化と低解像度が相まって、なかなかに不気味です。特に弱々しくも悲しげな姿と相まって、ブツブツと挿入されるノイズの音の大きさのコントラストが、尋常では無い何かを感じさせるものでした。
でも羽鳥夫人の懐妊は、誰との入れ替わりだというのでしょうか?
まさか渡辺氏と稲村さんとの……考えすぎか。
感想まとめ
今回面白かった!
映像を見ただけで、全然関係無いところに呪いが伝播する、そして自分にも…という、まさに原点回帰。ただ、ストーリー的に面白い(興味深い)ですが、怖さという観点からはイマイチだったかな。なにしろこっちは慣れてしまってるんで。
その他の投稿映像では、「海辺」と「トンネル」が好みですね。はっきり写っているよりも、ふんわり写っていた方がリアルです。それでいて、存在感がある。そんな映像が怖いと思います。
2019年1月23日追記
「見知らぬ女の子」の投稿者の娘さんは「さき」ちゃんだったようです(修正済み)。失礼しました。
2019年2月3日追記
エピソード「積乱雲」が抜けていました(修正済み)。印象に残らなかったのでしょうか。場所まで調べたのに…
2020年5月9日追記
不妊治療で保存してあったモノの表現が、直接的すぎたので「細胞」に変更しました。
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