ほんとにあった! 呪いのビデオ 105(ネタバレ有り)

eye_catch_noro_105 ほん呪

はじめに

「ほんとにあった!呪いのビデオ105」がリリースされました(2024年3月6日リリース)。例によって「呪われた心霊動画XXX_NEO19」のリリース日(2024年3月8日リリース)と微妙に重なってしまい、レビューする身としては困ります(笑)。

今回も「ほん呪」からレビューさせていただきます。

以降多くのネタバレ含みますので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。

沐浴(怖い)

概要

とある若い夫婦。生まれてくる予定の子供のために、夫が沐浴の練習をする光景。ベビーバスに沐浴練習用のベビードールを浸すのだが、ここで奇怪な現象が起きてしまう。

このベビードールはネットで購入した中古品なのだそうだが…。

感想

最初は微笑ましい光景なのですが、この人形、結構リアル目に作られていてちょっと不気味です。ドールを浴槽に浸し、頭を洗おうとすると夫さんの「なんか頭汚くね」と言う言葉。体を覆っていたバスタオルを除くと、着ていた服が妙に薄汚れている。浴槽に浸すまでは綺麗だった筈なのに。

背中を見るとさらに汚い。「汚な!」「どういうこと?」と困惑し、思わずあげた夫婦の声が、説明のつかない事態に陥った感が出ていて、この時点で少し怖いです。

夫さんはあまりの汚さに人形をうつ伏せにして、もう赤ちゃん扱いせずに、ぼろきれを洗うようにじゃぶじゃぶ洗い出します。お湯がどんどん汚れて濁っていく、この過程も不気味さが募りますね。

そして再び仰向けにしたとき、人形の目がカッ!と見開きます。エピソード内では触れられていませんが、この時「キシャァ!」という声みたいなものが、人形から発せられたように感じました。

それだけでなくバスルームの鏡に、土気色の明らかにこの世の者ではない、女のような顔が一瞬写り込みます。二段構えの現象に普通の方はかなり怖いのではないでしょうか。

この人形を購入したときに、「この子を幸せにしてください」という、謎のメモが添付されていたそうです。メモはあちこちなんか赤っぽい染みがあり、意味不明だしこの上ないほど気持ちの悪いもので、この時点でこのドールの使用をやめなと、とは思いました。

つかみは上々のエピソードです。

ケモノ(怖い)

概要

ちょっと田舎の夜の防犯カメラ映像。いろんな被害をもたらす猪が何匹かカメラに捉えられている。

なにげにカメラを監視していた投稿者夫婦は、そのうちの一匹が異形なものに変化する光景を、リアルタイムで目撃してしまう。

感想

猪がみるみると2本足で立ち上がり、人のような姿に変化して、歩いて消えて行ってしまいます。

通常だったらあまりにもファンタジーな光景で、怖くもない、「噓でしょこれ」と笑ってしまうような状況なのですが、「夜」「田舎の実家」「リアルタイムの監視カメラ」「見ている投稿者達の恐れおののく驚きの声」の四つが加味されて、中々に怖い映像に仕上がっています。

人のような形になった「それ」の造形もはっきりとせず異形としか言いようがなく、歩き方も通常の人間とは異なるたどたどしさで、化け物、妖怪、と言った感じが良く出ています。猪らしき獣が立ち上げる瞬間が怖かったですね。

ただこの周辺の神隠しの噂話は、ちょっと蛇足だったかなと思いました。

骸の知らせ・前編(怖くない)

概要

エピソード開始に先立って演出補・男鹿の復帰と新スタッフ・渡辺が紹介される。

投稿者はWebデザイナーの女性、白石さんである。仕事でのZOOM会議中、通信が不安定になったり、突然謎の野良アカウントが会議に乱入したり、部屋の明かりが消えたり、背後の壁に人影のようなものが写り込んだり、といった怪奇現象に見舞われる。乱入した野良アカウントの映像は真っ暗で、何も映っていないように見えたが、取材スタッフが明度を極限まで上げると、海辺の砂浜のような風景が写り込んでいた。

会議中の議事録を、ZOOMの文字起こし機能で記録していたが、そのテキストにも謎のログが残されていた。だが、それらは文字化けし意味をなしていない。また地図の位置情報のようなURLも記録されていたが、これらはアクセス不可であった。スタッフは最初の文字化け部分「0サ6六郷産ヨ46さn」から「0366534463」を類推し、電話番号を当たってみるが空振りであった。

白石さんは以前から何かの気配を感じたり、履歴が残らない着信が携帯にあったり、と言った現象に悩まされていた。そしてとうとう、自分の部屋で明確な心霊現象まで発生してしまう。

取材班は白石さん宅に定点カメラを設置し、ZOOMで会議状態にして監視することにした。すると再びあの野良アカウントが乱入してくる。その画面にはあり得ないものが写っていたのだが…。

感想

医者にこの仕事を停められていた、大変ふくよかな男鹿氏がまさかの復活です。医者に無理するなと言われているのに仕事中にお菓子食ってる(ダメじゃんw)。また若くてちょっとだけイケメン風の新演出補の渡辺氏が参加します。

ZOOMは普及当初はセキュリティに甘いと大企業から忌避されたものですが、今は会議の主催者が許可しなければ参加できないように設定できるので、通常このような野良アカウントが乱入できない筈なんですね。

で、エピソード最後の画面に写っていたのは、1回目と同様の海岸でしたが、そこには白石さん本人が写っており、ここで前半は終了です。

エピソード内の怪現象は地味で怖くはありません。前振りみたいな感じです。

回転(少し怖い)

概要

夕暮れ時。海の入り江みたいなところの遊歩道を歩いていたら、謎の女性が横切る。そして…。

感想

カメラが林の方を向いていると女性が横切ります。よく見ると半透明ですね。そしてカメラが前を向くと地面に女の首がごろっと転がってくるのです。

本当にごろごろ転がってくるのでちょっと意表を突かれました。その顔の空虚なまなざしは、少し怖かったですね。

車中泊(少し怖い)

概要

天体観測の為、山奥に出かけた父娘。観測を終えて車の中で寝ていると、娘が山から小さい子供の声がすると起きて訴えてきた。父親は声のする方向に車を走らせ、外に様子を見行くのだが夜中の山中にもかかわらず、赤いランドセルを背負った小さい女の子の姿を見つけてしまう。

それはすぐに消えてしまったのだが…。

感想

あんな山奥にしかも深夜、赤いランドセルの女の子がいたらいろんな意味でぎょっとしますね。小さい子供の声が間欠的に山に響き渡るのがなかなか怖いのですが、僕には女の子の声には思えなかったですね。かと言って何か動物の鳴き声にも聞こえないので、とても不気味な雰囲気を醸し出しています。

父親は女の子が消えてしまったことから、この場を離れようとすぐに車を出すのですが、走り出すと何かに乗り上げてしまいます。車から降りて確かめるとそれは赤いランドセル。フロントガラスにも女の子が一瞬写りました。

シチュ的には良いのですが、ランドセルが真新しくて絵空事感が強く、「まさか」「うそでしょ」と言う感じで、それほど怖いとは感じませんでした。まあこれ、実際に遭遇したら悲鳴を上げるレベルですけどね。

残骸(怖くない)

概要

古い民家を移築した民俗資料館みたいなところ。漆塗りでつやつやな引き戸か何かに白装束見たいな女が横切る姿が写っていた。

感想

概要のとおりで怖くはありません。

骸の知らせ・後編(怖い)

概要

ZOOMの画面に写っていたのは白石さん本人の写真であり、同じ写真データも所有していた。撮影したのは、彼女の当時の年上の恋人、望月さん(女性)であった。望月さんは親の介護で田舎に帰ってしまい、それから遠距離恋愛の状態であったのだが、些細な言い合いが絶えず喧嘩別れしてしまったそうだ。白石さんは別れた直後に着拒してしまったため、今となっては連絡がとれなくなってしまっていた。

スタッフは白石さんと共に望月さんの実家を訪ねるが。そこには既に誰も住んでいないようで、近所の聞き込みや役所で消息を訪ねる。日が落ちて肝試しの若者たちに遭遇したりするが、特に有力な情報も得られない。

白石さんとともに、望月さんに撮ってもらったあの写真の海岸に訪れると、遠くに望月さんのような人影を見かける。新演出補・渡辺がその人影を追いかけるが、角を曲がったところで見失ってしまう。

日を改めてのその海岸で聞き込みで、望月さんのサーフィン仲間の証言が得られ、彼女は病気で亡くなっていることが判った。身寄りのいない彼女には引き取ってくれる者がおらず、役所に遺骨が保管されていた。そして遺骨の管理番号「653」がZOOM文字起こし文書の文字化け部分「0サ6六郷産ヨ46さn」の、「六郷産(653)」と合致することが判る。

また、当時は同性愛者であることを周囲に知らせづらい環境であったために、お互い恋人の名前を「オサム」という事にしていたことを白石さんのから聞いていた。これは前半部分の「0サ6(オサム)」と合致することを意味する。

白石さんに身に起こった数々の心霊現象は、望月さんのメッセージだったとでもいうのだろうか。

では、最後の「ヨ46さn」は何を意味するのであろうか。これは肝試しの若者たちや、望月さんのサーフィン仲間の語っていた、この地域のある噂話が関わってくるのだが…。

感想

白石さんと喧嘩別れしていた望月さんは、死んだ後も彼女を想っており、自分が死んでしまったというメッセージを伝えようとしていた、というちょっと切ない感じの話。その気持ちはスタッフの尽力で白石さんにも伝わり、なんだかちょっといい話風に終わるかと思いきや、最後に邪悪な何かが彼女の死の要因になっていたかも…、という、なんともやりきれない、そんな話になってしまいました。

で、肝試しの若者たちの語っていた噂と言うか都市伝説みたいな話なんですが、「海の中でオレンジ色のジャンパーを着た『ようじろうさん』と目が合うと、あっちの世界に引きずり込まれる」といったもの。

エピソードの最後に、サーフィン仲間の男性から提供されたという、サーフィンをしている望月さんの生前の映像が紹介されます。それでこの映像ですが、海の底に「ようじろうさん」が居るんすよ。海底で仰向けになって両手を広げて、海面にいる望月さんを引き込もうとしている感じなんです。

この「ようじろうさん」、スタイリッシュなサーフィンの様子とは対照的で、なんか普通のおっさんが、服着たまま海底に寝っ転がっているだけなんです。残念ながら夕暮れ時の海中では、着ている服の色まではわかりません。海の中で暗い感じなので赤っぽいと言えなくもないです。

とにかく唐突で、とってつけたように最後に出てくるけど、それだけに今までのしんみりした雰囲気とのギャップが物凄くて、ちょっと怖いんですよね。

感想まとめ

と言うわけで、今回はかなり楽しめました。特にメインエピソードは良かったですね。結構長い尺とってたんですけど、長さを感じませんでした。特にしんみりからの不気味なおっさんへのギャップが面白かったです。

その他には「沐浴」「ケモノ」「車中泊」と印象に残るエピソードが多かったのも良かったです。

それでは。

コメント

  1. テツ より:

    『淋浴』
    人形が出てきた瞬間(あ…これは目が見開いたりするやつかな)って思いましたけどもはや墨汁レベルの真っ黒な汚れが染み出てくるのは気持ち悪すぎますね…。この後掃除するのもイヤだし処分するまでの間どこかに仕舞っとくのもイヤです…。

    『ケモノ』
    実質監視カメラシリーズですが、画面直撮り&投稿者のリアクション込みというものは初かもしれません。
    できればここからトランスフォームの現場に走ってほしかったですけどそれこそやりすぎファンタジー映像にしかならなさそうなのでこれで良かったのかも(?)
    映っていた他のイノシシたちはさすがに本物でしょうからそちらも別の意味で怖いです…。

    『車中泊』
    事象に関連する物体を発見→事象発生という順番が普通だと思いますが今回は逆でランドセルの方を後から見つけてさらにもう一度少女が出現するという変わった流れでしたね。ランドセルの綺麗さといい確かに絵空事というか再現ドラマ感ありましたけど背景のエピソード含め生々しくて怖いなと思いました。

    今回は全編通してインパクトというより不気味さとか気持ち悪さ多めの投稿多くて面白かったです。
    長編はヨウジロウさんの存在は不穏だったけど一応前向きに締めくくられてたので安心して観ていられました。
    なんかここ最近ほん呪が面白さを取り戻しつつあるのではと感じてて、新作を観る熱量が再び上がってきてます!

    • itton より:

      「沐浴」は予想できましたけど、だんだん汚くなるのは予想外でしたね。
      「ケモノ」はおっしゃる通り、投稿者のリアルタイム視聴がポイント高いですよね。

      >今回は全編通してインパクトというより不気味さとか気持ち悪さ多めの投稿多くて面白かったです。

      完全に同意です。
      その中で最後のおっさんはインパクトありました。

      >なんかここ最近ほん呪が面白さを取り戻しつつある…

      藤本監督の功績は大きいですね。
      なんかキャラ立ってるし。
      今回も男鹿君に窘められているの笑いました。

  2. Saki より:

    隠しリンクの方から移りました

    ittonさんのできる時にしていただければ
    返信は急いでいただかなくて大丈夫です

    祓除は事前事後番組のみでも楽しめますが
    一応下にイベントの様子を書いておきます
    ただ私も一回しか見ていないので記憶が薄れていますが頑張ります

    ステージ上に司会の女性登場、祓除の開催の宣言

    祓除師いとうよしぴよ氏登場

    一回目の祓除の儀、スクリーン一面を埋める無数の花の画像、いとう氏念仏のようなもの唱える

    一本目
    男子高校生4人で心霊スポット探索、場所は人の普通にいるショッピングモール内の廃墟となった飲食店街

    ポツリとあるエレベーター前の半透明の人影(私には見えませんでした)に気づき急いで人のいるところまで逃げる一行

    この映像はある心霊番組で放送予定だったが直前で投稿者からNGが出る

    いとう氏「人通りの多い道でふと周りを見ると誰もいないような場所に霊はいる」

    二本目
    実際に届いた封筒を見せる司会
    スナッフフィルム同好会なる場所でもらったMD内の映像

    親子3人が祖母に向けたビデオレターと思われる、突然辺りからサイレンが鳴り響く
    娘が何かに気づきそちらを見ると空にのぼっていく大量の風船発見、直後カメラが回転しながらビルを空から映す

    MD内には大量の死体画像があり、最後の落下死体が映像内の親子に似ていたと書いてある

    司会にこれは何かと聞かれるもいとう氏は歯切れが悪い

    三本目
    リモート祓除
    現場には男性アナウンサー(孤独のグルメのナレーターさん)と依頼者の女性
    20年前に母を交通事故で亡くし、その際のニュース映像をテープに録画したところある箇所に母の姿が見えるという
    問題の箇所を見るも特に何も映っていない
     
    (詳しい経緯は忘れました)いとう氏念仏
    もう一度再生すると黒い影と謎の女性の声
    アナウンサーも見えるようになったが女性は母ではないという
    いとう氏「母に見えないのは私達が調和を成したから」微妙な空気の中次へ

    一旦区切ります

  3. Saki より:

    四本目
    中古で買った自動車のドラレコに残っていた映像

    夜泣き対策のためか山道をドライブする父親?と赤ん坊?(声のみ)

    途中立ち往生する車に遭遇、サラリーマンらしき男性に電波の届くところまで乗せていってほしいと頼まれ、父親は承諾、来た道をUターンする
    車内で赤ちゃんの名前はなど談笑する二人

    途中サラリーマンは何かに気づき降ろせと怒鳴る、車は止まりサラリーマンは逃げるが父親も鎌を持ち追いかける
    何故か車もそのあとを追いかけるがシートベルトを閉め忘れた際のアラームが鳴り響く、赤ん坊は笑っている(この時立ち往生していた車が無くなっていたようです)

    司会はいとう氏に現象の説明を求めるが彼はそれに少し苛立つ
    いとう氏「話を怖い方へ持って行こうとしている、あくまでも皆様に調和を達成することに集中していただきたい」

    五本目
    監視カメラ映像をスマホで直撮り
    毎日?同じ格好の女性が通るから監視カメラ設置(この辺あやふやです)何日かに分けて撮っているが段々女性は笑い顔が不気味に歪み、スマホ自体のノイズがひどくなる、いとう氏「こっちとあっちの世界の狭間がナントカ〜」

    六本目
    誰かがテレビ局に持ち込んだ映像
    2012年工事中に謎の扉が見つかり、その中に男性のミイラ(まだ息をしていたが3日後病院で亡くなる)正体はノストラダムスの予言を信じ自作の簡易シェルターに閉じこもった男性

    映像は男性がシェルター内で撮影したもの
    最初は特に何もなかったが、一週間過ぎた頃外から地鳴りのような音が聞こえラジオが効かなくなる
    防護服を着て出ようとするも扉の立て付けが悪くなったのか出られない
    徐々に狂っていく男性、壁に現れた人型のシミを話し相手にしたり何者かの笑い声が聞こえ出す、さらにカレンダーとテープに表示される日付が合わなくなる

    専門家によるとあの設備で1年以上生き延びることは不可能、どうやって13年生き延びたのか謎

    最後にもう一度祓除の儀
    モニターに映るいとう氏の顔が歪んだり黒い影が映る

    いきなりいとう氏「設定が完了しました、皆さんの調和が達成されました、おめでとうございます」
    足早に舞台裏へ去る

    予定になかったようで司会も困惑するがすぐに終了

    こんな感じでした。
    長々と失礼しました。
    少し夜更かしし過ぎたのでもう寝ます。
    おやすみなさい

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