はじめに
今回から監督(本シリーズでは演出と呼ぶ)が今まで撮影を担当していた、坂本一雪氏に変わります。前回までと比べて割とあっさり目の感があります。ただ後の巻でちょっと趣向凝らした実験的な演出をしたり(不評でしたが)、演出補のキャラクターが立ってきたりと、変化が感じられます。
線路に佇む人影(怖くない)
概要
地下鉄に乗車中に撮影した映像。先頭車両に乗り、運転席越しに前方の景色を撮影していると、白い子供のような影が現れ、電車を避けることもなく迫ってくる。目撃した一人は、その影は電車を突き抜け、後方へ移動して行ったという。
感想
多分都営新宿線ですね。車両は京王の6000系です。この車両、助士席側の窓が小さくて前が見えづらいんですよね、あんまり好きじゃなかった(今となっては懐かしい電車ですが)。
さて、この人影ですが最初全然わかりませんでした。一緒に写っている投稿者の友人が「今なんか突き抜けて行った」と訴えるのと、映像に影が映っているタイミングがずれてるんですよ。「今なんか突き抜けて行った」のあとに改めてカメラが前方を向いた時に映ってます。
とても薄くてインパクトに欠ける映像です。
公衆トイレ(怖くない)
概要
ホームレスが焼死した公園の公衆トイレに侵入。閉鎖された個室に侵入するも、何も起こらない。諦めてそこから脱出するが、その時映像に何本もの腕が映っていた。
感想
あまりにも物好きとしか言いようがありません。投稿者、チャレンジャーですね。
さて、手は映っていますが、ほんの一瞬で、スロー再生でないと確認できません。手自体はなかなかに不気味ですが。
エレベーター(すこし怖い)
概要
恐怖映像でも取れないかなーっとカメラを片手にぶらぶらしていた投稿者。自宅のエレベーターでもカメラを回していた。上昇するエレベーターの窓に、カメラを構えた自分の姿が映っている。ふと、自分の背後に誰かが立っていることがわかる。乗る時には誰もいなかったはず。気がついた投稿者はそこにズームすると、中年の男性の姿であった。カメラごと後ろを振り向いて確認するも誰もいない。
そのエレベーターは、投稿者の友人の父親が、心臓麻痺で急死してしまった事がある。
感想
とてもしっかり、しかも長々と映っています。あまりにはっきり写っているので、本当に後ろに人がいるとしか思えないため、あまり怖くはありません。
曰くの物件(かなり怖い)
概要
物件巡りをする投稿者カップル。後で検討できるようにと、ビデオカメラで撮影しながら内覧することにした。家賃が相場より安いため、引く手数多であると、強く勧める不動産業者の言葉に、かなり乗り気になる女性に対し、カメラを回している男性は、なにか感じるものがあるのか、反応が薄い。そんな中、扉の裏からお札がいくつか発見され、男性の意見で後日検討ということになった。
後にビデオを見直すと、開いていた押入れの天袋に、寝そべる不気味な男性の姿をカメラが捉えていた。
感想
いくら家賃が安いとはいえ、今時アルミサッシではない鉄窓の部屋なんか住みたくないなと思いました。ごみもあんまり片付いてないし、ましてやお札が貼ってあったらお金もらっても住まないですよ。
さて、天袋の男性ですが、通常再生ではほんの一瞬なので気がつきにくいです。でも、スロー、静止画でははっきり確認できますよ。とても怖いです。なんか布か毛布、あるいはフードみたいなもを被っているようにも見えます。
謎の影(すこし怖い)
概要
友人同士で秋田へ旅行に行った際、名物わんこそばを食した時の映像。向かいの空いている席にカメラを置き、友人3人が正面から並んで撮れる位置に、カメラを置きっぱなしにして撮影。3分毎に10秒づつ撮れるモードで撮影したところ、その一つに、向かって左の人物の肩に黒い人影のようなものが映っていた。
感想
トトロのまっくろくろすけみたいな、真っ黒い影が男性の肩越しに蠢いているという感じ。まっくろくろすけのように可愛い感じではなく、なんとなく悪意があるようなどろどろした雰囲気で、表情も伺えるような感じで、ちょっと怖いです。
ランドセルの少女(すこし怖い)
概要
自分が寝坊したおかげで遊園地に行くはずだったのが、しょぼい地元の湖畔のデートになってしまい、なんだかプリプリしている彼女を、なんとかなだめようと、先輩から聞いた怖い話で盛り上げようと苦心している彼氏の様子。少し遠くに見える、飛び出した船着場みたいになっている岩場に、赤いランドセルを背負った女の子の姿が写り込んだ。先輩に聞いた話というのが、小学生時代にいじめられてこの湖畔で溺れて死んだ女の子の話であった。
感想
とりあえず、同級生を湖に突き落として溺れさせたっていうのは、傷害致死だから。溺れたら死ぬ可能性が高いから、未必の故意による殺人と言っても良いから。その当事者が実の先輩だとか、恐怖より怒りが先に立つから。こんな話聞かされて盛り上がるとか考える、この男はどうなのよ、と思いました。
で、ランドセルの少女ですが、「遠くてわからないじゃん」と思いましたが、拡大画像見たら、まごう事なきランドセルを背負った少女でした。遠くて小さいのにはっきりわかるのでちょっと怖いです。
夜に現れる手(怖くない)
概要
睡眠時無呼吸症候群を疑った投稿者が、自分の寝姿をビデオで撮影した。息が止まった時、何者かの手が、自分の首を絞めているのがはっきりと映った。
感想
私は30歳くらいから、睡眠時の金縛りをしばしば経験しています。体が動かない、息もできない、なんとか「ぶはー!」と金縛りを脱出するのですが、これ金縛りでもなんでもなく、睡眠時無呼吸症候群だったのですね。なので他人事とは思えませんでした。
私と、この投稿者の共通点は、寝相が悪いって事です。これは息が止まるので、なんとか楽な姿勢を取ろうと、寝返りを頻繁にするからなのではと、ちょっと思いました。
まあ、彼の場合は霊が首絞めていたんですけどw
廃線トンネル(怖くない)
概要
廃線マニアの仲間で、とある廃線トンネルにたどり着く。暗いトンネルは途中で塞がれており、行き止まりであった。引き返す途中でその仲間の一人が女性の声が聞こえたと訴える。後日その時のビデオを見返すと、「かえろう」という女性の声が入っていた。
その後、メンバー全員が高熱にうなされるという経験をしたが、直接声を聞いた彼は今も入院中で、重体である。命の危険もあるという。あの声はどこへ帰ろうという意味だったのだろうか。
まさか…
感想
現場のトンネルですが、入り口がフェンスで阻まれています。ただ、乗り越えられなくも無いので、投稿者も、女性演出穂の仁科氏も難なく侵入できました。ただ、もう一人の演出補である横田氏は、大変ふくよかでいらっしゃるので、「僕には無理ですね」と早々に諦めてしまうのにはちょっと笑いました。実は横田氏、後の巻でもやらかしますw
取材中、行き止まりのところまでたどり着いたスタッフと、投稿者が引き返すのですが、フェンスを両手で掴んで「僕には無理ですね」と言ったときの、そのままのポーズの横田氏のシルエットにさらに笑いましたw
さて、本題ですが、その後、重体の彼がどうなってしまったのか、後のシリーズでは明かされなかったと思います。気になりますね。声自体はそんなに怖くないです。
感想まとめ
「曰くの物件」が怖かった以外は特に印象に残らなかったですね。スピーディーに淡々と進んでいくのはいいんですが、前監督のようなケレン味があまり無いので、「えっ?もう終わり」と感じました、ちょっと物足りないです。
コメント