ほんとにあった!呪いのビデオ52(ネタバレあり)

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ほんとにあった!呪いのビデオ52
ほんとにあった!呪いのビデオ52

はじめに

「ほんとにあった!呪いのビデオ52」です。前巻に比べると若干地味な印象を受けますが、かなり怖い映像が揃っています。そしてなぜか、少しお笑い要素もあります。

火だるまの夢(かなり怖い)

概要

とあるキャンプ場の施設であるトレーラーハウスで一夜を過ごす女性3人組。寝る前にだべっている楽しいひと時、中の1人がふざけて部屋の照明のスイッチを切り替えて明滅させる。すると画面の隅にあるトイレのドアがひとりでに開き、床に寝そべった仰向けの男がニューっと顔を出してくる。その男は鋭い眼光でカメラを睨みつける。明滅が止むとドアも閉まり、男はいない。

この夜、このトレーラーハウスにいた3人全員が同じような夢を見たという。それは何者かに火を付けられ、火だるまになって燃え上がるという不気味なものであった。

感想

映像に火を連想するものが何もなかったので、どこが火だるまやねんと思って見ていました。そんな夢を見たという話なのですね。なにもトイレから出なくとも、って感じですが霊に理屈は通じませんw。この顔、めちゃめちゃ上目遣いに目を見開いている芥川龍之介みたいでかなり怖いです。

奇怪な未来(怖い)

概要

最近遊びに出かけた湖での映像に、不可解なものが写っていたという投稿。湖で仲間達がバナナボートに乗っている映像なのだが、しばらくするとなぜかどこかの部屋の窓を映した映像が差し込まれている。投稿者はその部屋に見覚えがあった。なぜなら、今現在住んでいる自分の部屋の窓だったからだ。外の様子は夜のようで、窓には部屋の様子が反射して写り込んでいる。そして立っている人影が確認できるのだが、その人物は投稿者本人のように見えるのである。それだけではない、なんとその人物は輪にしたロープを掴んでおり、まるでこれから首を吊ろうとしているようであった。一瞬で元のバナナボートの映像に切り替わり、数秒で再び部屋の映像に切り替わる。3回目に部屋の様子の映像が現れた時には、まさに首吊りをする瞬間が映し出されていた。

映像は日付と撮影時刻がスーパーインポーズされるモードで撮影されているが、バナナボートの日付は2011年7月16日、部屋の様子の映像は2015年7月16日と年以外の日付は全く同じである。そればかりか、午後と午前の違いはあれども、時刻と、カウントアップされる秒数まで全く同じであった。

投稿者は自分の未来の姿なのかと怯えていた。2015年のこの日、彼は映像に現れた男性と同じ運命をたどるのか、その時になってみないとわからない。

感想

年と午前と午後の違い以外は同じ時刻なので、ビデオカメラの日付機能の秒数のカウントアップが全くよどみなく繋がって見えます。なので時間と空間を超越した何かがシンクロして、同じタイミングの未来を垣間見ているような不思議な感覚に陥り、中々に興味深い映像でした。

部屋の様子の映像は首を吊るために台から踏み出すところまであるので、とても生々しいものです。何故窓際にボウリングピンが置かれているのかわかりませんが、その付近から線香の煙のようなものが上がっているのが気になりますね。

続・不気味な置物(怖い)

概要

本当にあった呪いのビデオ50」で紹介された「不気味な置物」。その投稿者、藤枝さんから連絡が入った。なんと、処分されていたと思われた置物が見つかったというのだ。藤枝さんはこの置物を製作委員会に持参してくれた。そして置物と一緒に保管されていた8mmビデオテープが存在していたことがわかったのだ。置物は藤枝さんの父親が自殺する直前、父の弟にあたる伯父に預けていたそうである。預けられたときはダンボール箱に入っており、伯父は中身を見ず、そのままの形で保存していたため、このテープは藤枝さんの父が入れておいたものだろうということであった。

父の友人の形見という話であったが、藤枝さんの伯父は、この置物を預かっていたことをすっかり忘れていた。前回の投稿がきっかけで親戚付き合いの中で話題になり、思い出したという。その友人については母も伯父も全く知らないとのことであった。

持参してもらったその置物は前回の映像時と異なり、抱えていた人形の胴体が欠損していた。置物と一緒に保存されていたテープの映像は、前回のものの続きのようである。

ここで映像が紹介される。

30分程の映像で、同じく30倍速で紹介される。しだいにひどく歪む人形の顔。最後はこの世のものとは思えない、凄まじい形相になっていた。そして、最後の最後に「私をみたらおしまい」と囁く女性の声が入っていた。

制作委員会はこの置物を、懇意にしている神社に預けることにした。

感想

前回よりも顔が異常に歪み、わかりやすく、えげつない映像になっています。人形が抱えていた兵隊さんの胴体が欠損しているのには、何か意味があるよう気もします。藤枝さんの父が遺棄したのでしょうか。そのため呪いが断ち切られたという解釈ができます。

ただ、エピソードとしてこれがフェイクだったらちょっと蛇足のような気がするのですよ。前回の顔の変化がわかりにくいという意見に答えたような気がしないでもありません。でも、フェイクではないような気もするのです。というのもこの陶器製の置物を全くの創作で手配するのは大変だと思うからです。さて、どちらなんでしょうか。そんな思いを巡らすのも本呪の楽しみだと思います。

失われた仔ども達 前編(怖くない)

概要

以前、制作委員会に送られてきた投稿映像があった。その投稿者は梅木さん。彼に話を聞くと、彼女(安部さん)と自宅でささやかな誕生日パーティをしている際、ケーキのろうそくを吹き消す時に右腕を何者かに引っ張られた感じがした。その方向にカメラを向けると、姿見に写った彼女が黒い別人のようになっていたというものであった。映像には赤ん坊の泣き声のようなものが入っていたという。スタッフは、投稿者にまず話を聞くが、改めて彼女、安倍美沙さんにもインタビューしたい旨を梅木さんに伝える。だが後日、制作委員会にあの投稿映像は収録しないでほしいという、梅木さんからの連絡が入る。理由は何も話してくれないまま彼との連絡が取れなくなってしまい、やむなくお蔵入りとなってしまった。

だが、2ヶ月ほど前に外村颯太さん、ゆかりさん夫婦から新たな投稿映像が送られてきて、添えられた手紙によると、梅木さんの投稿に状況が似通っていたのだ。スタッフはこの2つの映像に関連性があるのかもしれないと感じ、外村さん夫婦に取材を行う。

外村さんたちの話によると、ゆかりさんは結婚式披露宴の最中、お色直しをしている時に赤ん坊の泣き声のようなものが聞こえ、腕を引っ張られた感じがしたという。また映像は、ケーキカットする外村さん夫婦の後ろから半透明の女性が近づいてくる、というものであった。この幽霊の女には、夫婦双方とも心当たりはないそうであるが、梅木さんの投稿映像をゆかりさんに聞いてもらうと、赤ん坊の泣き声は、自分が聞いたものと似ているとのことであった。また、外村夫妻は、映像に映る梅木さんと、安部さんには面識がないとのことであった。

スタッフは披露宴に出席していた人たちに取材する。すると、ゆかりさんの高校時代の友人、桑原さんから気になることを聞かされる。半年くらい前、同じ高校の同級生が失恋による自殺で亡くなっており、その女性が亡くなる前に、ゆかりさんと同じ体験をしていた。そしてその女性は、この話を聞くと必ず幽霊に会うというのが枕詞のとある怖い話を聞いていたというのだ。演出補・井ノ上は外村さん夫妻に再度連絡し、この話に心当たりがあるか聞いてみることにした。すると知っているとの答え。ゆかりさんからこの怖い話を説明してもらう。

ここで外村さん夫妻の投稿映像が紹介される。

披露宴のケーキカットの光景、投稿者夫婦の背後から、うつむき加減の髪の長いの女が顔を近づけてくる。

取材班はこの話をネットで調べて見たが、同じ話は見当たらない。狭い地域でのみ広がった噂話なのか。話の出所を探るため、この話をした人物を順にさかのぼり、調べるてみることにした。

感想

まず映像ですが、はっきり映りすぎているせいか、さほど怖くはありません。それなりに不気味な感じなのですが、慣れてしまったせいでしょうね。

外村ゆかりさんから、この、聞くと必ず幽霊に会う、という怖い話を電話で話してもらった際の、井ノ上と岩澤の会話が笑いを誘います。

岩澤:とりあえず、えっと話聞けた?
井ノ上:はい
岩澤:大体内容分かった?
井ノ上:はい分かりました
岩澤:てことはぁ、井ノ上にも、幽霊が現れるってことか…
井ノ上:・・・・・
井ノ上:はい

岩澤氏、いじわるだなぁと思いました(笑)。

シリーズ監視カメラ・廃ビル(ほんの少し怖い)

概要

とある廃ビルに設置されていた防犯カメラ。肝試しの若者たちがここに侵入する。だが、彼らの後をついていくように、子供の頭部の一部がここに写り込んだ。部屋に入った若者たちの背後、部屋の入り口には子供の全身が写っており、しだいに彼らに近づいていく。防犯カメラに気がついた彼らがカメラに懐中電灯を向けるところで映像は終わっている。この映像が撮影されたのは深夜であり、こんな時間に子供がうろついていることはあり得ない。はたして彼らは無事なのであろうか。

感想

若者グループについていくように子供の頭がちょろっと見えます。別のアングルの映像では部屋に入ってくる様子が見て取れます。状況的には子供がいるなどということは、まずありえないので少しだけ怖いかもしれません。

染みの記録(怖い)

概要

投稿者は住んでいる部屋の隅に顔のような染みができていることに気がつき、その染みを毎日記録していた。日を追うごとにますます顔がはっきりしてくるので怖くなり、投稿者はダンボールでそれを隠してしまう。友人にこの件を話し見てもらうことにする投稿者だが、彼らの眼の前でダンボールを取り除くと、驚いたことにその染みは綺麗さっぱり無くなっていた。だが、その様子を記録した映像では、その脇のアイロン台の横に本物の人のような不気味な顔が覗いていたのだ。その顔はこちらに振り向き睨みつけていた。

感想

点が3つあると顔に見てしまうと言いますが、そんなレベルではありません。もう美大生が描いたんじゃね、と言わんばかりの人の顔です。これは怖い。極め付けはそれが綺麗さっぱり無くなってしまっていること。まじありえない。そればかりかなんと横に怖い顔が現れ、しかも動いている…って言うかこっち振り向いてるし。なに実体化してるんだよ!。

僕なら秒で引っ越します。

ただ、残念ながら本呪エピソードとしては少し地味ですね。

雨の死者(怖い)

概要

自宅でバイト仲間のプチ送別会。すると突然の激しい雨音が聞こえる。買い出しに出かけている友人を心配知る仲間たち。するとその友人が帰ってきた。だが彼は雨に濡れた様子はない。たが、その背後の玄関にレインコートを着た人物が横を向いて立ちすくんでいるのを、撮影者である投稿者は発見する。

投稿者は不審人物が友人と一緒に入って来たと思い、「お前何やってんねん!」と怒声を上げながら玄関に向かう。だが、その人物に近づくと、いつ間にやら消えてしまっているのであった。部屋にいた他の人物は何も見ていない。さらに買い物に出かけた友人も雨など降っていなかったと言うのだ。

感想

結構好きなエピソードです。青いレインコートを着た人物が横を向いている様はなかなか不気味。その前に土砂降りの雨音も怖い効果を盛り上げます。似た感じのエピソード(扉の向こう)がありましたね。僕は今回のエピソードの方が怖く感じました。

このレインコートの幽霊、なんか妙に背が高い気がします。俯いていなければ完全に天井に頭が付いてしまうと思いますよ。そんな感じも異質感が際立って怖いですね。

失われた仔ども達 続前編(少し怖い)

概要

怖い話をした人物をたどっていくと、桑原さんと外村さんは、共通した知人からこの話を聞いており、この知人は自殺した同級生から聞いていた。さらにこの同級生は職場の同僚の男性からこの話を聞いたことが判明した。

この同僚、草間さんはコインランドリーで偶然居合わせた女性からこの話を聞いたそうである。一昨年の5月か6月頃、布団を洗うために大型のコインランドリーで洗濯待ちをしていた際に、何の気なしに話しかけてきた女性から聞いたと言うのである。この女性はこのコインランドリー付近に住んでいるのかもしれないと思ったスタッフは、草間さんから女性の容姿を聞き出し、井ノ上が似顔絵を作成する。だがその絵の出来があまりに稚拙だったせいか、まったく情報は集まらない。

途方にくれたスタッフは、最初に映像を投稿してくれた梅木さんにダメ元で連絡を取ってみる。留守番電話に事情と、この怖い話を吹き込むと、梅木さんから折り返し連絡がある。実はその怖い話に心当たりがあるからであった。

連絡を絶ったことを謝罪する梅木さんは事情を話してくれた。「ほんとにあった!呪いのビデオ」に映像を投稿した話を安部さんにすると彼女は怒ってしまい、連絡をくれなくなってしまったからであった。そして例の怖い話についてはその彼女から聞いていたそうである。その話は彼女の郷里の村の話である事がわかった。この話の出処は、安部さんなのだろうか?

ここで梅木さんの投稿映像が紹介される。

誕生日ケーキのろうそくを吹き消すところで赤ん坊の激しい鳴き声、腕を引っ張られたほうの方の姿見に、安倍さんと全く異なる黒い服の女性うつむいた姿が写り込んでいる。

この映像を草間さんに見てもらうと、似ているという。コインランドリーの女性はやはり安部さんだったのか。

ここで、例の怖い話が紹介される。ただし、懇意にしている霊能者によるとこの話には強い怨念、または呪術的な力が宿っており、波長が合ってしまった人には霊障があるかもしれないとのこと。気の進まない方はここで再生を止めていただきたいとの警告、またあらゆる危険性を考慮して字幕テロップのみで紹介するとのナレーションが入る。

それは、東北地方のとある山村で起こった話で、飢饉から障害を持つ1人の女性を殺害し皆で分け合い食べてしまった。それ以来村では度々奇形児が生まれてくるようになり、祟りと考えた村人は、生まれた奇形児をことごとく殺してしまっていた。奇形児とはいえ、3人もの我が子を殺された母親の1人が気が狂って死んでしまい、それ以来、三人の奇形児の霊が亡き母を探し、彷徨っている。この話を聞くと、奇形児達の霊達が話を聞いたものの前に現れると言う話であった。

感想

赤ん坊の声が結構大音量なので、少しびっくりします。姿見に映った女性はやはり俯いており、外村さん夫婦の女性と同じ感じがしますね。それにしてもこの映像では梅木さんと安部さんが、見てるこっちが恥ずかしくなるほどにラブラブなのに、本呪に投稿しただけで怒りだして、音信不通になってしまうというのが、唐突すぎて不気味ですね。そういえば、梅木さんが現象を確認しようとオロオロしている時に、安部さんはなんか無反応で、すました様子なのも気になります。

さらにこのエピソードは「聞いてしまうと必ず幽霊にあってしまう」という話がポイントなんでしょうね。わざわざテロップのみで紹介という念の入れようは、まあまあ怖さが際立つ演出だと思います。

それにしても、井ノ上の似顔絵は酷い。「やっぱりこの絵じゃダメでしょ」会議の時、川居が笑いをこらえていたように見えたのは、私の気のせいでしょうか。

感想まとめ

前巻よりも地味ですがなかなか怖い映像も揃っていました。好きなのは、「奇怪な未来」、「染みの記録」、「雨の死者」ですね。いずれも怖いと言うより、不思議で興味深い(「染みの記録」はちょっと怖かったですけど)です。怖かったのは「火だるまの夢」、「続・不気味な置物」でしょうか。

メインエピソードはイマイチ。どちらかというと井ノ上演出補のキャラクターの方が印象に残ります。まあ、これは3部作なので次回以降に期待することにします。

コメント

  1. みっつ より:

    ittonさんのレビューのおかげもあって、これまで一応観てはいたけれどストーリーを追うのが苦手で流し見程度で済ませていたメインエピソードを復習し直そうと最近思うようになってきました(レビューのおかげでやっと私でも話を把握することが出来るようになります)。
    この巻から始まる『失われた仔ども達』は3巻にまたがる大長編なので、興味も先走って他のサイトで後の筋も見てしまいましたが
    自分的にかなり引っかかった「コインランドリーで話しかけてきた女性から怖い話を聞いた」という件
    コインランドリー利用者の私としては、たとえ厄介な話でもそんな出逢いがあるのなら、自分にとって最も面倒な家事である洗濯も楽しくなるぞと思ったら
    先の展開を知って、やっぱりそんなことは無いんだなと感じました(´-ω-`)

    『不気味な置物』、人形が独りでに変化するというのはホラーの原点中の原点だと思いますが、それを真正面から混じり気なしで捉えたこのエピソードの評価や人気が、過激な映像が多い今の時代にあっても高いのはうれしく感じます。

  2. itton より:

    >レビューのおかげでやっと私でも話を把握することが出来るようになります

    ありがとうございます。嬉しいです。

    >やっぱりそんなことは無いんだなと感じました(´-ω-`)

    そうなんですよねー(´・ω・`)

    >不気味な置物

    これに関しては、あのモチーフがなんなのか、未だに気になります。首の取れた人形は三角帽子なので、18世紀頃のヨーロッパの兵隊さんだと思うのですが。

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