はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ76」のレビューです。高校生のドロドロの恋愛模様、ドラマ性の高いメインエピソードが楽しめます。さらに今回から監督(演出)が、福田陽平、寺内康太郎の連名から、川井尚美、福田陽平の連名に変わります。川居さんは演出補から監督に上り詰めた3人目ということになりますね(ピンではありませんが)。
インディアン水車(怖くない)
概要
北海道のある河川に設置してある、インディアン水車。インディアン水車は遡上する鮭を捉えるトラップのような施設で、ここのそれは観光用に一部がガラス張りになっており、捉えられた鮭を見る事ができる。そのシャケの一群の中に人間の頭のようなものが写り込んだ。
感想
スマホで撮影しているのですが、昼間ということもあり、ガラスに背景が反射して、ひどく見辛いです。確かにゾンビのような頭が逆さの状態で揺らめいています。まさか本当のご遺体じゃないですよね。
孤独死(怖い)
概要
インディーズレーベルでデビューが決まった仲間を祝福するためのちょっとした飲み会。開け放たれた窓に見える隣家は明かりがなく、誰もいないようだ。だが、その家の曇りガラスの窓に人の姿が現れ、手をついてこちらを伺っている。気が付いた撮影者はそちらにカメラのレンズを向ける。人影はすぐに消えてしまうが、今度はこちらの窓枠の上部から部屋に入り込もうとしている人の姿を認め、撮影者は悲鳴をあげる。
隣のアパートでは老人が孤独死をしてしまい、それ以来異常な出来事が続くので、住民が全て転居してしまったそうである。
感想
曇りガラスに手をついて伺う姿が怖いですね。だって、その部屋真っ暗なんですよ。幽霊じゃなくとも怖いですよ。一方、部屋に入ってきそうな姿は、通常再生ではほんの一瞬で、何が写っていたのかも分りません。静止画像でようやく判明します。これもなかなか怖い姿です。
雪道(怖くない)
概要
大雪のため、投稿者が同僚の女性を車で送っていく様子。彼女の自宅近くで車を停める。すると、すぐ前の電柱の陰に半袖姿の血だらけの男性の姿が映り込む。だが撮影者は気が付いていない。女性が車を降りる瞬間、やはり血まみれの男性の顔が、女性を見上げている姿が記録されていた。
この女性には3年ほど前に婚約者がいたが、登山に向かった先で、自殺とも事故ともつかない不審死している。この男性は生前彼女に裏切られたと話していた。
感想
写り込んだ幽霊について語る前に、投稿者はなに動画撮りながら運転しているのよ。さらにタバコを持ちながら、しかも雪道だっていうのに。というかこんなに長々と何の目的で撮影してるの?、あとルームランプつけっぱだよ、外見えにくいよ。っとツッコミどころがありすぎて幽霊どころじゃありません。
女性を見上げる男の顔はそれなりに怖いのかもしれませんが、ちょっとはっきり映りすぎですね。ていうか、車を停めたのが自民党総裁、安倍さんのポスターの前だったのでこれも気になった(笑)。
誰がために 前編(どろどろ)
概要
4年ほど前、投稿者たちがまだ高校生の頃、当時の男女仲良しグループでカラオケボックスを楽しむ様子の映像。この映像内に写る2人、中居優里さんと鈴木良太さんが結婚するので、式の余興映像に使うため、映像係の稲羽博美さんと宇陀杏花さんは映像を見返していた。だがこの映像に、奇妙な変化が生じていたという。それは同級生の樋口佳苗さんが、映像内の1シーンで忽然と消えてしまっているという点であった。消えてしまった樋口さんは最近病気で亡くなっているのだが、何かこの現象と関係があるのだろうか。不吉な予感を感じた2人は、しきりにお祓いを求める。
ここでその映像が紹介される。確かに樋口さんは消えてしまっている、そこにいるはずの樋口さんと会話している様子の鈴木さんが写っており、タイミング的に、樋口さんがたまたま隠れてしまったとも考えにくい。
この映像に写る別の女性、福田瑞帆さんと現在連絡が取れず、結婚式の招待状の返事もきていない事がわかる。取材班は、今回結婚する中居さん達への取材の協力を投稿者達に申し出るが、結婚を控えているので…、となぜか歯切れが悪い。そこで音信不通になっている福田さんの所在を洗うことになる。福田さんが勤めていた職場の上司に話を聞くと、彼女は休職して実家で療養中であり、メールの返信もないということであった。
取材班は投稿映像の中に樋口さんが消えている以外に別の奇妙な点がある事を発見する。それは福田さんの肩に、彼女を指差すような不自然な手のようなものが写り込んでいること。もう一つは福田さんの背後に女性の顔が写り込んでいたことである。
福田さんに何か異変が起こっているのか、もしくはこれから起ころうとしているのか、気になった取材班は彼女の実家に向かう。だが、母親の話では病に伏せっているということで、話はできなかった。取材班は連絡先を託し、その場を去るしかなかった。事態は急を要するのかもしれないと、とりあえず投稿者2人をお祓いに向かわせることになる。
感想
ただ消えてしまっているだけなので、全く怖くはありません。福田さんの背後に移った手と顔もありがちで怖くないですね。ただ、仕切りにお祓いを求める投稿者2人に違和感を感じますね。
シリーズ・監視カメラ 彷徨う(怖くない)
概要
演劇の稽古中、舞台が暗転しているときに、でかい女が写る。この劇場内に入っている雑居ビル内のスナック経営者の女性が、近所の山林で自殺しているそうである。それ以来、このビルでは奇怪な現象が後を絶たない。
感想
「おまえのかあちゃんIBM」ってどんな芝居だよ(笑)。
で、映像はあんまり怖くないです。特にリプレイ時のスローモーションシーンで、このセリフが「おぉまぁえのぉかあちゃぁぁんあぁいぃびぃえぇむ」と間延びするのでなおさら。
温泉旅行(かなり怖い)
概要
恋人のAさんと海辺の温泉旅館に泊まった朝、彼女は知人の女性が海の近くにいると訴えた。だが、撮影している投稿者はまともに取り合わないので、ちょっとした言い合いになってしまう。あそこにいたと窓に近づくAさんの背後に黒い女の姿が張り付くように写り込んでいる。
その知人の女性はAさんの会社の後輩で、既に亡くなっている。Aさんは彼女の指導係であったが、仕事のストレスでうつ病になりマンションから飛び降りてしまったと言う。
感想
まず、エピソード内では触れられていませんが海岸に人が写っていますね。堤防の上にいます。遠くて、男女の違いもわかりませんが。次のシーンでは消えています。
Aさんの後ろの女もなんだか顔が歪んでいて不気味です。
半開きの押入れにも何かいた、というレビューを見かけましたが、僕にはわかりませんでした。てかなんで押入れ半開きにしておくかな。
料理(怖くない)
概要
投稿者の女性が遠距離恋愛の彼氏に、好物の野菜炒めを作る様子をWEBカメラで映した映像。後日、録画していた彼氏がこの映像を見返すと、奇怪な現象が記録されていた。まず映像が乱れ始める。そして彼女の背後の壁には、そこに埋まっているような人間の姿が写り込んでいた。
その後、投稿者の女性とは連絡がつかなくなってしまった。壁の中に死体が埋まっている夢を見ると、彼氏に語っていたそうだが。
感想
確かに壁に何かいますが、画質が悪すぎます。なんかバンドか何かのポスターみたいにも見えます。不気味といえば不気味ですね。
誰がために 後編(もっとどろどろ)
概要
この映像に映っていた男性、飯島さんと加藤さんに話を聞く。彼らは卒業後、グループとは連絡を取っていなかった。というのも鈴木さんと樋口さんが別れてしまったため、誘いづらいという事情があったからである。
そう、この映像が撮られた当時、鈴木さんと樋口さんは交際していたのだ。だが高校を卒業する間近に別れてしまった。彼らは仲睦まじいカップルで1年の頃から互いに好意を寄せていたという。そのため、卒業間近に別れてしまったことにみんな驚いていた。一方、今度鈴木さんと結婚する中居さんは学年のマドンナ的存在で、男子に人気があったそうであるが、高嶺の花と思われており、近寄りがたい存在であったそうだ。彼女が鈴木さんとつき合うようになったのは、つい最近のことで、樋口さんと別れてしまったこととは、直接関係はなさそうであった。
そんな折、連絡先を託していた福田さんから連絡が入る。樋口さんと一番仲が良く、卒業後の彼女を知る唯一の人物、彼女は気にかかることがあると、話をしてくれた。それは鈴木さんに想いを寄せる、同級生のために樋口さんと鈴木さんを別れさせようとLINEグループを作り、双方に有る事無い事吹き込むという、一種のイジメのようなものがあったということ。樋口さんが鈴木さんと別れてしまったのはこれが原因だと福田さんは言う。そして、そのLINEグループを主にやっていたのは投稿者、稲羽さんと宇陀さんだったと言うではないか。
その後、鈴木さんが中居さんと付き合い始めたことは樋口さんは知らなかったようだ。彼らの招待状がきた頃に、樋口さんから福田さんにメールが届いていた。内容は「怨んでいる」といったものが大量に書き込まれており、最後の一文に「私がいなくなったら…次は誰かな」記されていた。
そして、樋口さんの死因はなんと自殺だったのである。さらに福田さんは投稿映像について既に知っていた。稲羽さん達から送られてきたその映像に、自分に指さされた不可解な指や背後に映る顔も認識しており、怯えていたと言う。福田さんはLINEグループでのイジメについては全て把握していたが次の標的が自分になるのを恐れ、何も行動に移せなかったそうである。川居は樋口さんが感じていた想いを稲葉さん達に伝えることをお願いしてみるが、彼女はそれ以降口を開くことはなかった。
樋口さんの母親に取材して話を聞いてみるが、彼女は母親にも何も言わずに自殺してしまったようで、原因がわからない母親は苦悩していた。スタッフはロック画面が解除できない佳苗さんの2台のiPhoneを託される。
取材班は投稿映像に映る最後の人物、鈴木さんと中居さんに映像に映った現象のことは避け、インタビューを行う。身に覚えのない噂話に2人の仲は影響され、ギクシャクしてしまったと語る鈴木さん。一方中居さんは当時は何も知らなかったと言う。鈴木さんと樋口さんは互いにきちんと話し合い、わだかまりは解消したそうだが、樋口さんはその後自己嫌悪の念から、一旦仲を解消すると言い出し、別れてしまったそうである。
それ以来接点の無くなってしまった鈴木さんと樋口さんだが、結婚式の招待状を出してしまったため、樋口さんにとっては高校卒業以来の知らせが結婚式の招待状になってしまった。中居さんは鈴木さんとの仲は友人のつながりから、当然知っていると思っていたため、特に悪気はなかったようである。
取材班は稲羽さんと宇陀さんに製作委員会事務所に来てもらい、再び話を聞く。そして福田さんの元に問題の映像が彼女達から送られて来たと言う話を投げかけてみる。だが、彼女らはそれを否定。さらに鈴木さん達の仲を引き裂くためにLINEグループで画策していた事実までも否定してしまった。
そこに待機していた福田さんが登場し、彼女らを糾弾する。だが、「LINEグループなんていくつもあったし知らん」、「そもそもお前だってやってたじゃねえか」とかの言い合いになってしまう。「さっき知らねえって言ってたけど、あったことはあったんじゃねえの?(しらばっくれんなよ)」と福田監督の問いに、「そういえばそんなこともあったかも」などと苦しい言い訳。だが、そもそもこのようなLINEグループなど無数にあったし、適当なノリで返していた面もあるので、いちいち覚えていない、という彼女達の話にも嘘はないようであった。よせばいいのに演出応援の大塚が福田さん加勢したりするもんだから、どったんばったんの大騒ぎになってしまう。だが大塚の「樋口さんは自殺していた」と言う発言には驚いていたようだ。
「ノリでやってたLINEによって、傷ついていた樋口さんの気持ちは想像できないの?」という川居の言葉にちょっと(´・ω・`)ショボンとしてしまう2人であった。
そんな折、製作委員会は新たな事実を知る。樋口さんの母親から預かった新・旧2台のiPhoneの解析が完了したのである。ロック画面の解除パスワードは鈴木さん、樋口さんが付き合い始めた記念日であったのだ。iPhoneに残るメールの履歴、福田さんとのメールのやり取りを追うと、彼女は事実と異なり、鈴木さんとの関係修復が可能であることを匂わせる発言を繰り返していたのである。当時勤めていた樋口さんの先輩の証言でも彼女は鈴木さんと関係の修復が可能であると考えており、会えると思っていたようである。なぜ、福田さんは樋口さんに嘘をつき続ける必要があったのだろうか?
実は福田さんは別のクラスメートから、樋口さんをフォローするように頼まれていた。これは本当に樋口さんを心配してのことなのかはわからないが、福田さんはコミュニティ内での同調圧力に抗えず、樋口さんが喜ぶと言うこともあって嘘をつき続けてしまったようだ。
気軽にコミュニケーションの取れるSNS。だが一歩ボタンを掛け違えただけで、誰のものであるかもわからない強大な意思が、心を引き裂く凶器にもなりうるという一端が垣間見られた事象でもあった。
エピソードは次の言葉で締めくくられる。「一体誰が…誰のために」。
取材班は投稿映像にもう一箇所。気になる箇所を発見した。それはまた映像が変化してしまったものなのかはわからない。しかし、今回の事象を鑑みればそれは何かのメッセージとも受け取れるのではないだろうか。ここで、その映像が紹介される。
カラオケで盛り上がっている高校生グループ。まず、樋口さんらしき手のみが、中居さん、あるいは宇陀さんを指差しているようだ。次にメガネの男子を今度ははっきり樋口さんが指差している。その場のノリにそぐわない、無表情な顔で指差す樋口さん。次にタンバリンを持った男子、最後は撮影している稲羽さんをはっきりと指差している。
感想
お疲れ様です(笑)
LINEのログをみれば、誰が悪いかはっきりするんじゃね?とも思いましたが、その当事者だったら見せてくれないでしょうね。
中年を遥か昔に過ぎたおやじの素直な感想としては、恋愛なんかを理由にして自殺することないだろう、なんて思ってしまいますけどね。大体、樋口さんはこのグループの中では一番可愛いじゃん(個人の感想です)。あんなナヨっとした鈴木さんより、これからいい男が引く手数多だろうよと感じてしまうのは私だけでしょうか。ちなみに2番目に可愛いのは福田さん(個人の感想です)で、中居さんが高嶺の花とか言われると、ちょっと「そうかな?」と思ってしまいます(個人の感想ですw)。
最後の映像ですが、このシーンは「次に歌うのは誰だ?」という場面なので、樋口さんがメンバーの誰かを指しているのは別に不思議じゃないのですが、彼女の顔が無表情で睨みつけているように見えるので、若干の不気味さを感じさせますね。
エピソード内では、最後に稲羽さんを指差していることのみをピックアップしていますが、よく見ると実は鈴木さん以外、全員のことを指差していた、と視聴者に見つけてもらう演出はなかなか良いと思いました。
最初に中居さん、あるいは宇陀さんを指差しているシーンですが、ここでは樋口さんの手しか写っていないので、ちょっとわかりにくいかもしれません。樋口さんは中居さんと宇陀さんのどちらを指差しているのでしょうか、話の流れ的には宇陀さんなのですが、案外実は両方を指差していたりして。
そう、あのLINEグループを首謀していたのは実は中居さんなのかも…、なんて想像ができなくもない作りになっているのが、さらに面白いですね。
感想まとめ
いや長かった。1時間30分で「誰がために 後編」が始まったのが45分くらいなので、ほぼ、この巻の半分の尺を使っていたことになります。レビューも概要だけでまさかの2800字にもなってしまい、流石に疲れました。読むだけでも疲れそうですが、多分全部読んでくれた人は皆無でしょう(笑)。まとめるのが下手くそで申し訳ありません。
ですが、結構おもしろく楽しめました。映像自体は全く怖くないはずなのですが、次々とメンバーを指差す樋口さんの姿にはちょっとだけゾッとしましたね。
一般投稿が薄味なのが残念。印象に残ったのは、「温泉旅行」のみです。
コメント
雪道のw 自分もアヘのポスターが気になってw つい吹いてしまって
て いうか、正直この76巻で唯一良かった投稿映像かとw 怖さはないですが、僕は「おもしろさ」もレビューしてまして(^^)
76巻は誰がためにがすごいマイナスでなんだかなあと
その、今風のああいう雰囲気があまり好きではないというか そんな所です
どちらかと言うと昔の8ミリ系や 古いホームビデオ系がすごい好きですね 昭和の頃の不気味な感じがあって つい見入ってしまいます
ほん呪7の8ミリの麦わら帽子被った霊は、なんともいえぬ「意味の分からなさ」が怖い感じで、場所がわからないですが、間違いなくサスペンスの臭いがしますね 地味にイチオシだと思いました
こわくないよーさん
「誰がために」は完全にドラマですからね。面白ければ僕はそんなに嫌いじゃないんですけど、これはちょっと長すぎですね。
>昔の8ミリ系や 古いホームビデオ系がすごい好き…
これには同意です。シンプルで改ざんの余地がない気もしますしね。
>なんともいえぬ「意味の分からなさ」…
分かります。あれは音がないのに撮影者の慌てた感じが伝わってきて臨場感もあります。写り込んだ映像の意味は全く分からないんですけど。