はじめに
「ほんとうに映った!監死カメラ」のレビューもとうとう2ケタまで来ました。
アシスタントの辻沢さん、降板したのかと思いきや今回で復帰。その代わり金田さんが出ません。代わりばんこだったのですね。
霊界(怖くない)
概要
どこかの大規模商業施設ビルの巨大な外壁ガラス面に、地獄のような光景が浮かび上がった。
感想
確かに何かが蠢いてはいるけど、地獄絵図には見えないって(笑)。
廃墟4(少し怖い)
概要
毎回一夜を過ごそうと噂の廃墟を訪れる投稿者の男性。今回は廃止されて数十年以上経過した廃ロープウエイ施設に侵入する。
ネット上でも有名なこの廃墟を探索する投稿者は、寝床なりそうな部屋を見つけてカメラや寝袋をセットし始めるが、周囲の部屋に何か違和感を感じたようだ。三脚からカメラを取り外し、気配のする部屋を覗いてみると、一室の暗がりに髪の長い女と思しき人影を見つけてしまう。髪の奥に見える瞳がこちらを睨みつけている。
毎度恒例となったあられもない叫び声をあげて、やっぱり逃げ惑う投稿者は、建物の外で派手に転んでしまう。そして両耳からは出血し、一時的に耳が聞こえなくなってしまった様子。取材班に届いたメールでは、耳の怪我は大したことはなく順調に回復しているそうだ。そればかりか一向に懲りない投稿者の廃墟探索への意気込みは、ますます増しているようである。
感想
ここは奥多摩湖ロープウエイの「三頭山口駅」だと思います。あまりにも有名な廃墟で、未だロープウエイ本体も残されているはずですが、残念ながら映像には出てきません。
毎度おなじみの、テンプレとも言うべき長い髪の白いワンピース姿ですが、今回はこちらを睨みつける目が少し怖いです。ただ、彼の叫び声とともに逃げ惑うシチュエーションは、毎回判を押したようにおんなじで、さすがにちょっと飽きてきました。
尚、今回のエピソードで彼がスタッフに宛てた軽い調子のメールから、菅野君の名前がやっと出てきました。ただこの時点では、「すがのくん」なのか「かんのくん」なのかわからないですけど。
信号機(怖くない)
概要
郊外のとある交差点の監視カメラ。突然交差点の全信号機の青、赤、黄色がネオンサインのようにめちゃめちゃに点滅し始める。10秒ほどで信号は元に戻る。
もともとは車もまばらなこの道は近年の区画整理で幹線道路と繋がってしまい、急に交通量が増えてしまったという。それに伴い事故も増え、特に小学校が近くにあったせいもあり、子供の死亡事故も発生してしまう。この交差点の信号機は事故の多い時間帯になると、時々このような異常が報告されるようになったそうである。
監視カメラの映像には、交差点を見つめる半透明の少女の姿がはっきりと確認できる。
感想
信号機のめちゃくちゃな点滅は、それなりに異常な感じがよく出ています。でもその割に歩行者とか自転車に乗った人たちにはこれといった反応がないんですよね。ここで皆が騒然としていれば、かなりの緊迫感が出たと思うのですけど。
自殺霊(少し怖い?)
概要
電車が行きかう踏切の監視カメラ。その踏切の遮断棒をくぐり、踏切内に走りこむ男の姿が映り込む。半透明のこの男は、電車が通過すると姿を消してしまう。だがこれだけではなく、何度も何度も同じように踏切に飛び出す彼の姿が記録されていた。
この踏切で亡くなってしまった霊が未だ自殺を繰り返しているのであろうか。
感想
半透明の幽霊のくせにわざわざ遮断棒くぐって走りこむ様子が、なかなかリアルで緊迫感があります。それが何度も繰り返される様子は不気味というより、なんかちょっとコミカルに感じてしまいます。
ゴミ捨て場(ちょいグロ)
概要
深夜ゴミ捨て場を荒らす謎の老婆の映像が投稿されてきた。投稿者はゴミを漁って散らかすこの行為に異常ともいえる憤りを見せており、「ババアぶっ〇す」などとつぶやきながら、包丁を片手にそれを振り回す自撮り映像まで送られてくるのであった。
男性にインタビューをすると、地域のルールを守れない人や、モラルにかけた行為を許せないらしく、近所を回りながらいちいち文句をつけてくる、よくいる変な奴であった。一歩間違えれば事件になりかねない、厄介な奴っぽいので、スタッフは距離を置いて放置してたが、しばらくして追加の映像が送られてくる。
待ち構えていた男性が、ようやく表れた老婆に直接文句を言いに近づくと、振り向きざまに腕を噛みつかれ、手の甲を食いちぎられてしまう。この老婆の顔半分は赤黒くただれていた。
その後、この投稿者は音信不通になってしまう。母親に話を聞くと、数日前から様子がおかしくなり、激しく暴れだしてしまうようになってしまったそうで、現在は入院中で面会謝絶の状況だそうだ。
感想
投稿者があまりにも痛すぎます、今なら自粛警察やってそう。弱そうな相手には強気なのに、反撃されるとビビっちゃうのダサい。とは言えナイフまで出されると笑い事ではありません。
老婆に噛みつかれて手の甲を噛みちぎられるシーンは軽くグロなので注意です。
ダム(少し怖い)
概要
ダム湖を望む展望台のようなところで撮影された監視カメラ。湖面上空になんだか黒い、「もにゃっ」としたものが浮かんでいる。4人の人物が見上げている様子から、彼らにもこれが見えているようだ。しばらくすると薄くなり、忽然と消えてしまう。
この場所は自殺の名所であるという。
感想
「人間が絡み合い、水の中でもつれ合っているようには見えないだろうか」とナレーションされるのですが、そうは見えませんね。
黒い綿あめになんか触手が付いたような感じで、巨大化した黒い「シシ神さま」の触手(たてがみ)部分だけ、ってイメージでしょうか。この得体のしれない物体が宙に浮かんでいる光景は、少し不気味で気持ち悪く、造形になかなかのセンスが感じられます。もうちょっと派手だったら良かったかもしれません。
異世界(なにこれ)
概要
とあるマンションのエレベーター内に設置された監視カメラの映像。何人もの若者が、奇妙な行動を見せている。エレベータで何度も上下に移動を繰り返しているのだ。その間中、彼らはスマホやビデオカメラで撮影を続けている。このマンションの管理人は、最近このような不可解な行動をとる若者が増えてきて迷惑しているので調べてほしいとのことであった。
これは「異世界へ行く方法」と称したインターネットミーム、都市伝説で、10階以上ある建物のエレベーターに1人で乗り、4階→2階→6階→2階→10階→5階と移動すると5階で若い女性が乗ってくる。その女性には話しかけないで1階のボタンを押すと、なぜかエレベーターは10階へと移動し、異世界の扉が開くというものであった。
スタッフはこの調査結果を投稿者に知らせ、度が過ぎる場合は警察に相談するようにアドバイスし、今回の取材は終了するはずであった。だが、事態は意外な展開を見せる。時を同じくして友人が異世界に迷い込んだのかもしれないという投稿があったのだ。
第2の投稿者太田さんは、友人の斎藤さんに、「異世界に行く方法」を試すことを持ち掛けたのだそうである。だがこの儀式を終えて帰ってきた斎藤さんは、一言「失敗だった」と語るのみで、太田さんに対してよそよそしかったり、その時の自分の荷物が分からなかったり、態度が別人のように変わってしまったというのだ。その後斎藤さんとは連絡がつかなくなってしまい、太田さんは異世界の他人が斎藤さんの体を乗っ取ってしまったのではないかと訴えるのだった。
魔術堂のKATOR氏によると、異世界の住人に、肉体を乗っ取られるということはあり得るという話であった。「どないせいっちゅうんじゃ」という状況だが、この話を投稿者太田さんに伝えると、言い出しっぺであることにいくばくかの責任を感じていた彼は、自分も同じ方法で異世界に向かい、自ら異世界の斎藤さんに会ってみることを志願してくれた。
スタッフは太田さんにビデオカメラを渡し、エレベーターの儀式に送り出す。10分後、半信半疑のスタッフのもとに帰還した太田さんは、態度が別人のようになり、自らを斎藤と名乗る。そして「太田に話は聞いている」「これから体を取り戻しに心当たりを当たる」「また連絡する」とスタッフの制止を振り切り、夜の街に姿を消してしまう。その後太田さんの体を借りた斎藤さんから、自分の体を探す旅に出るとの連絡があった。
ここで、太田さんが撮影した映像が紹介される。儀式のとおりに各階に移動するエレベーター。10階から5階に移動すると、なんと本当に女性が乗ってくる。驚き思わず声を上げる太田さんだが、俯いて背を向けたままの女性の顔は窺い知れない。そして1階のボタンを押しているにもかかわらず、上へ上がっていくエレベーター。10階で振り返ると一緒にのっているはずの女性は姿を消してしまっていた。太田さんが10階の廊下へ足を踏み出すところで映像は終わってしまう。だがビデオにはその後2時間あまりの漆黒の闇が記録されていた。スタッフが太田さんにカメラを渡してから15分と経過していない筈である。これはいったいどういうことであろうか。
尚近況によると斎藤(体は太田)さんには旅の途中で彼女ができたそうである(笑)。
感想
彼女作ってんじゃねえよ
というのは置いておいて、こういう話は別に嫌いじゃないんですけどねぇ。ただ今回のは実際にやられたら、超絶近所迷惑過ぎるので皆さんやらないようにしましょう(笑)。
儀式を終えた太田(中身は斎藤)さんのキャラが変わってしまうところが、今回の笑いどころですかね。
感想まとめ
この巻はちょっとパワー不足なのか、少々飽きてきました。笑かすところはもうちょっと笑わせてください。
印象に残ったのは「自殺霊」と「ダム」でしょうか。
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