はじめに
「闇動画4」のレビューです。ドラマ的なストーリーの面白さがありますが、ちょっとグロ要素戻ってきた感じがします。
合鍵(とても気の毒)
概要
会社の同僚、佐川さんのマンションにお邪魔する投稿者。佐川さんは一カ月後に結婚を控え、新居として中古の高層マンション最上階を3000万円台で購入。家具も一通りそろえ、後は新生活を待つだけの、ここまではまさに順風満帆の人生であった。
部屋に入るとリビングのテーブルに「永遠に愛しています 幸恵」という手書きのメモがある。佐川さんの婚約者が書いたのかと思った投稿者であるが、彼によれば全く知らない名前だという。彼女の悪戯なのだろうか?それにしては意味不明なメモだが、酔っているせいなのか、2人はたいして意に介す様子もない。
その後、無遠慮に各部屋を撮影しまくる投稿者だが、最後にバスルームの扉を開けて状況は一変する。そこには女性の血まみれの遺体があったのだ。思わぬ事態に映像はここでストップする。
警察の調べでこの遺体の女性は前の住人夫婦の妻であり、死後数日経っていたことが分かった。この女性はここで夫と暮らしていたそうだが、しばらく前に離婚したという。ノイローゼになってしまった女性は、まだ夫が住んでいると信じているこの部屋に入り込み、自殺したと思われる。実は不動産屋の不手際で鍵が交換されておらず、以前の合鍵で侵入したらしい。
映像の不可解な点として、空のクローゼットの奥からのぞく不気味な女の顔が写り込んでいたことをスタッフが発見し、ここで紹介される。自殺した女性の姿なのであろうか。
佐川さんは不手際を起こした不動産屋から、幾らかの保証は得たようではあるが、自殺した女性には身寄りがおらず、賠償を得ることはできなかったという。経済的な理由からか、引き続き住むつもりの佐川さんと、当然ながらそれを嫌がる婚約者との間に齟齬が生じ、結婚はご破算になってしまい、結局このマンションには佐川さん一人がローンを払いながら住み続けることになる。
そして彼は部屋に女の幽霊が出ると言い出し、お祓いなども効果なく、奇声を上げるなど会社でも様子がおかしくなり、退職の憂き目にあい、その結果ローンも払えず、せっかくのマンションも売り払い、アパートに引き籠るようなってしまった。
スタッフは佐川さんのアパートを訪ねるが、呼び鈴に応答はない。ドアの鍵が開いていたので中を伺うも人の気配はない。その時スタッフに声をかける人物がいた。それはこのアパートの大家で、佐川さんが半年以上家賃を滞納しており、夜中に奇声を上げたりして苦情が絶えないという話が聞ける。大家の許可を取り部屋に入ると、雑然とした部屋の中には目玉をあしらったような奇妙なマークの紙が、あらゆるところに貼り付けてあった。
そしてこの部屋に残されていた奇妙な映像がここで紹介される。例のマンションのリビングに設置された定点カメラの映像で、帰宅した佐川さんがくつろぐ背後に半透明の女が横切る姿が記録されていた。
感想
メインのショッキング映像は幽霊でもなんでもなく、自殺したご遺体と言う、むしろ「幽霊の方がマシなんじゃね」と思いたくなるものです。一応幽霊らしきものが写り込んだ場面もありますが、それらがどうでもよくなるほのどインパクトがあります。そこそこリアルであまり気分の良いものではありませんが、怖い雰囲気を強調するのに効果的なものになってます。
幸せの絶頂だったはずの佐川さんの凋落っぷりが気の毒で気の毒で……つかあんまりでしょ。不動産屋が鍵取り換え忘れた、とかありえない。「全額返せや」と思いましたね。
「ここでやってます」だの、引き出しを開けて「コンドームとかあったら会社でドッカン」とか投稿者はちょっと下品ですね(苦笑)。
あと気になったのは、このマンションの部屋、高層階とはいえキッチンもしょぼいし、とても中古で3,000万円台とは思えませんね。高すぎるでしょ。
顔面陥没(少し怖い)
概要
お祭りが催されている神社の裏で子供が遊んでいる。その背後に駐車している車があるが、その助手席に、今までいなかった男性が姿を現す。その顔は陥没したように崩れていた。
感想
これもちょっとグロいですが、画質が悪いので正視できないほどではありません。でも陥没と言うよりは裂傷と言う感じで、たしかに交通事故だとこんな感じになるかもしれないな、と言うリアルさはあります。
同棲の相手 前編(怖くない)
概要
投稿者の女性、田中香織さんの自称霊感体質な妹、真理子さんがネットで知り合った霊能者を語る男と同棲を始めた。妹はその男を信じて部屋に入れてくれないし、興信所に頼んで調べてもらったら、男の素性は一切不明。絶対詐欺だろと思った投稿者は真理子さんの部屋に突撃する。香織さんの質問に何も語らないこの男に彼女が切れかかると、真理子さんが苦しみだしたり、ラップ音が鳴り響いたりと、おかしな現象が起き始める。
感想
まだ前編の状況説明で怖くはありません。一応、道にしゃがみこんだ真理子さんから湯気みたいなものが立ち上る、心霊っぽいシーンはあります。
栄光の手(???)
概要
実話〇ックルズみたいな実話物雑誌のライターから持ち込まれた映像。デリヘルみたいな風俗嬢に、いきなり男性が襲い掛かり、首を絞めて〇害してしまうようなシーンから始まる。ライターは最初作り物のス〇ッフビデオだと思ったが、どうやら異なる雰囲気。
遺体は別の場所に運ばれ、「これから作るものには穢らわしい女の〇体が欠かせない」とか「その最も忌まわしい部位である手が必要」とかいって、殺人犯の男は鉈で遺体の手を切断し始める。どうやら宗教的な儀式のようだ。撮影している人物はあまりのことに卒倒し嘔吐してしまったりと、慣れていない様子である。切り取った手首は乾燥させて、「ハンドオブグローリー」「栄光の手」となる、とか言い出し、これは新興宗教の儀式で、教団の人間に向けて作ったのではと映像提供者のライターは分析していた。
場面は夜の山中のちょっとした広場に変わり、地面に描いた魔法陣の要所に火を灯し、先程の男が儀式を行っている。魔法陣の中央に完成した「栄光の手」を置いて、いろいろやっているうちに実は「穢れた男の血も必要」だとか言い出して、撮影している男性も唐突に〇害されて儀式は進んでいく。
男の遺体を魔法陣の中央に置き、呪文を唱えてしばらくすると男性の姿が消え、爆発音とともに周りは強烈な光に包まれる。儀式を行っていた男の叫び声で映像は終わるが、ブロックノイズ内に悪魔のような顔が浮かび上がっていた。
映像の出どころは不明、何の宗教かも不明、だがこの2人の遺体は白骨化して発見されたらしい。
感想
全体的には「何これ」って感じですがデリヘル嬢が首絞められて〇されたり、手首を切り落とされたりとショッキングなシーンが続きます。特に手首を切り落とされるシーンはちょっとしたグロなので苦手な人はご注意を。よく見るとカット割りが工夫されていて、私はフェイクだと判断しましたが、それでもなかなかにリアルです。
儀式のおっさんが「やっぱ男の血も必要」だとか言い出して、撮影していた人が「ひえぇぇ」とか言っているのには、不謹慎ながらちょっと笑ってしまいました。
眩い光の場面の、爆発音みたいな音がアニメの効果音っぽくてちょっとチープです。
同棲の相手 後編(少し怖い)
概要
同棲相手の男性に香織さんがブチ切れると真理子さんが苦しみだしたり、ラップ音が鳴り響いたりする。やがて部屋の照明が消えてしまった。玄関のインターホンが鳴り、モニターには2人の半透明な人影が蠢いている。香織さんは直感的に「やべえ」と感じたようで、男の指示に従い寝室に移動する。男は何かの掛け声とともに儀式のようなものを始め、「合図するまで部屋を出るな」みたいなことを言われる。
十数分後、部屋の外にはシルエットで人影のようなものが浮かび上がり、死んだはずの両親の声で「出ておいで」と言う声がした。香織さんは逡巡している間に、再びラップ音がして気を失ってしまった。
気が付いた香織さんは真理子さんを起こそうとするが起きてくれない。彼女は蝋燭の明かりを頼りに、恐る恐る部屋の外の様子を見に行くと、リビングのソファにあの男が座っていた。突然部屋の明かりが元に戻ると、この男の顔が干からびたミイラのような異様な形相であることに気が付く。不意にその目が開くと、残像のようなものが迫ってきて香織さんは一瞬たじろぐ。彼女は寝室に戻り、真理子さんを起こして逃げようとするがやはり起きてくれない。振り向くと男の姿は消えており、助けを呼ぼうと携帯を操作している隙に、短い悲鳴と共に真理子さんも消えてしまった。ラップ音が鳴ると椅子の上には赤い人型が置いてあった。
これ以来真理子さんは行方不明になってしまったという。
インタビュー取材の数か月後、香織さんから連絡が入る。真理子さんの荷物を整理してアルバムを見つけたところ、幼少期から最近までの真理子さんが写る過去の写真の何枚かに、例の男が写り込んでいるという信じられない現象であった。しかも過去の写真にもかかわらず、この男性の風貌が全く変わっていなかった。
霊能者によると真理子さんに憑いていたのは亡くなっていた彼女らの両親であり、真理子さんをこの男から助けようとしていた。遥か過去からあの男は真理子さんにとり憑いていて、いまや完全に取り込まれてしまい、手遅れだという話であった。
感想
何を言ってもうんともすんとも言わない同棲相手の男に、イライラしている香織さんの気持ちがよく伝わってきます。「パン!」というはじけたようなラップ音が場面転換に一役買っていて、苛立ちから心霊的な雰囲気への変化をよく表現できているなと思いました。
心霊現象の主だと思われた2つの人影は彼女たちの両親で、実は助けに来ていたとか、何と言ったらよいのか。「出ておいで」という声になんとも生気がないのは、亡くなっているからなのでしょうか。それにしても救われない話です。
過去の写真にあの男の姿があったというのは、不気味で良いストーリーだと思います。古い写真に溶け込んで、よくできているなと思いました。
感想まとめ
ちょっと怖さ的にはパワーが落ちた感がありますが、心霊的な怖さとは別のショッキングシーンが多く、インパクトはあると感じました。また、「栄光の手」のような毛色の異なるエピソードが新鮮でした。ストーリー的に面白いので続巻も期待です。
印象に残ったのは「合鍵」です。佐川さん本当に可哀そう。
ところでスタッフの演出補的な男性が初登場しますが、例によってDVDにスタッフロールがないので名前も何もわかりません。風貌がちょっと岩澤氏に似ています(笑)。
コメント
投稿お疲れ様です。
これを読んで久々に闇動画見なおしました。昔は話の内容も作りこまれている方だったので面白かったんですが、XXXの各話のつながりや隠し要素を探すことに慣れた後だと、なんか物足りなく感じてしまうのは、目が肥えすぎたんでしょうか?((+_+))
助けに来たご両親がモニターホンの画面に悪霊としか見えない映り方をしたのって、やっぱり交際相手が何かしたんですかね?親に見えないような先入観を持たせることで、助けを求めさせないようにしたとかでしょうか。
これからも頑張ってください。
>XXXの各話のつながりや隠し要素を探すことに慣れた後だと、なんか物足りなく感じてしまう…
これ分かります。ついそれを求めてしまいますね。
>やっぱり交際相手が何かしたんですかね?…
僕はご両親は霊力が低く、あれが精一杯だった、みたいに解釈しました。
助けたいがどうしたら良いかわからんみたいな。
同棲相手の悪霊?が妨害したという解釈もあり得ますね。
ニゲサナイです。
>「闇動画5」のレビューです。
ん?「闇動画4」か?「闇動画5」か?
非常にわかりにくいですね。
ごめんなさい(涙)
「4」の誤りです(修正済み)。
因みに「呪われた心霊動画XXX」のシリーズ名を「呪われた投稿映像XXX」と誤っていた記述がたくさんあったのですが、これもこっそりと修正しておきました(笑)。
他にもあるかもしれません。見つけたらご指摘ください。
初めてコメントします
個人的には闇動画は当たりもありますがハズレが多い印象のシリーズです
4では栄光の手の邪教感がすきで繰り返し見てしまいました
イチオシは14巻の死の円環ゲームですのでぜひ見て下さい!
satoさんコメントありがとうございます。
「栄光の手」意外と評判がいいんですよね。僕も今までこんな切り口は初めてだったので意表を突かれ、「????」となってしまいました。ただグロはそんなに好きじゃないんで、何回も見るのはちょっとハードルが若干高いです。
>イチオシは14巻の死の円環ゲーム…
おお!
情報ありがとうございます。楽しみにします。