呪いの黙示録 第五章(ネタバレあり)

mokushiroku5 レビュー

はじめに

「呪いの黙示録 第五章」のレビューです。

今回はかなり面白かった上に、視聴者にとって衝撃(?)の報告がありました。

達〇神社(ちょっとだけ怖い)

概要

Youtubeにアップロードするために、心霊スポットとして有名な達〇神社に訪れる若者グループ。神社では何も起こらなかったが帰り際、停めてあった自分たちの車に知らない男が乗っている。彼らは驚いて思わず逃げ出してしまうが、遠巻きに観察するとまだ男は車にいる。

意を決して車のドアを開けると誰も乗っていなかった。

感想

つかみのエピソードで、それほど怖くありません。ですが、投稿者達があげる驚きの声にちょっとびっくりしてしまいます。

ここは千葉県の達〇神社(白〇神社)のようですね。エピソード内で語られる、凶悪な事件は本当にここで起こったようです。

心霊スポット凸(怖い)

概要

無人の家屋に若者グループが侵入している。2階に上がると映像にノイズが出始め、奥の部屋に近づくにつれノイズが激しさを増す。部屋に入るとノイズは尋常ならざる状況になり、激しいラップ音に驚いて逃げ出すところで映像は終わる。映像には人のような姿も写り込んでいた。興味深いのは、彼らは新聞の求人情報欄に載った依頼で、高額な報酬を得るためにこの家屋に浸入していたことである。

結局、途中で逃げ出してしまったために報酬は支払われなかったが、奥の部屋に入った3人は、半年以内にすべて事故や病気で亡くなってしまった。彼らがSNS用に撮影した自撮りの顔写真も、不気味に歪んでしまうという怪現象も発生している。映像提供者だけは、鍵を無くして途中で引き返し、この部屋に入らなかったため無事でいられたようだ。

こんな危険な部屋の撮影を、なんの警告もなく依頼する人物は、どのような思惑だったのだろうか。求人情報欄の電話番号に連絡すると、Yさんという、上品そうな年配の女性と連絡が取れた。そして真田の交渉で、あの部屋のソファにあるカメラを回収することを条件に、取材許可が出る。

感想

別に怖い幽霊が現れるわけでもないのに怖いですね。ノイズの入り方がけっこう怖いんですよ。コマ送りしたら何か写っているんじゃないですかね。ノイズと共に現世界から隔絶されそうな気味の悪さを感じさせます。

家の雰囲気も怖いですね。別にボロボロになっているわけでもないんですよ。つい最近まで人が住んでいたような生活感がちょっと残っているのがこれまた気味悪いですね。後編で判明しますが、この家無人になってから10年と経っていないということで、なるほどなと思いました。

いやぁそれにしても真田さん交渉上手いっすね。

Yさんの「カメラ取ってきて。よろしくね♥(はあと)。ガチャ」も、上品そうな声なのに、したたかと言うかなんというか。後に明らかになるんですが、別にしたたかなんじゃなくて、このおばさんちょっと変だったんですね。

観〇〇公園(少し怖い)

概要

旧日本軍の遺構も残る海岸沿いの観〇〇公園。昼は観光客でにぎわうこの公園も、夜は心霊スポットとして有名である。仕事仲間と男女2人組で肝試しをしている光景であるが、男性は同僚の女性の背後に赤い服を着た女性らしき人影をみとめる。彼は一目でこれがこの世のものではないことを感じ、同僚の手を取ってその場を逃げ出す。

一息ついたとき、同僚の女性は左手に濡れた髪の毛を握りしめていたことに気が付き、悲鳴をあげる。

感想

とっても暗くて初見では全く気が付きませんでした。リプレイで明るく加工してくれるので、そこでやっと認識できます。とは言ってもかなり小さく、暗いせいで映像も荒れているのでよく見えません。ただ、その荒れっぷりが得体のしれない雰囲気を盛り上げ、いい味を出しているようにも感じ、ちょっと気持ち悪いです。

ここは神奈川県の「観〇〇公園」ですね。ここも心霊スポットとして有名のようです。

〇岩集落(怖い)

概要

住んでいる人がいなくなり、廃集落となってしまった〇岩集落。廃屋の中に年配の女性の遺影が立て掛けてある。その遺影の微笑が不機嫌な表情に変化する。

感想

これも怖いですね。「見ればわかるでしょ」と言わんばかりに何の説明も無いので、スマホの小さな画面では最初何が起こっているのかわかりませんでしたが、iPadで視聴してようやくわかりました。微笑を浮かべていた女性が、だんだん怖い顔になっていきます。フェイクなんでしょうけど、わかっていても怖いです。撮影者が驚いた声も上げずに、ただ急いで画面をそらすのがとてもリアルです。

ここは埼玉県の〇岩集落ですね…って知った風に書いていますが初めて知りました(岳集落は知っていたんですが)。「目のない老人に追いかけられるという夢を必ず見る」と言う噂がエピソード内で語られていましたが、調べてみると、「北野誠のおまえら行くな。」でそんなエピソードを紹介していたらしいです。問題の遺影については、どの廃墟レポートを見ても載っていないので、今回のエピソードのための仕込みかもしれません。

ここで有名なのは、打ち捨てられた「スモールバード」と呼ばれるクルマの遊具(ペダルカー)でしたが、現在は消失してしまったようです。

心霊スポット凹(かなり怖い)

概要

取材許可が得られたものの、その条件がカメラの回収となると、入ったら死んでしまうかもしれないあの部屋に誰かが入らなければならない。長い棒で引っ掛けることにしたが、それでも呪われてしまう可能性は捨てきれない。

これに島田が志願するが、この取材が最後になる島田に「そんなことさせられない」と真田がこの役を引き受ける。そう、島田はこの案件をもって「呪いの黙示録」だけではなく、「心霊ドキュメンタリー」業界から足を洗う決心をしていたからである。

真田はなんとかカメラの回収に成功するが、リアルタイムでモニターしていたiPhoneから、真田の声を真似た、他のスタッフを誘い込むような声が聞こえるという、不気味な現象が発生した。

条件を満たしたことで、取材に応じてくれたYさんは、自分の息子・洋輔さんの姿を撮影してもらいたかったという動機を語った。洋輔さんは突然あの部屋で自殺してしまい、彼女は傷心から住まいを移したのだが、無人になった家がいつしか心霊スポット化してしまった事で、洋輔さんの幽霊が見れるかもしれないと思ったという。だが、霊能者にあの部屋には他の悪霊が沢山いて危険である、と警告を受けていたので、心霊スポットマニアに依頼することを思いついたらしい。今までに何十人と依頼しており、その度に不気味な人影が撮影されるのだが、洋輔さんの姿が撮影できたことはない。

そんな危険な部屋への侵入を、なんの警告も無しに依頼したことに関しては、「心霊スポットであることは伝えている」「自己責任である」と、なんのためらいもなく、素知らぬ発言をするYさんに、ちょっとした狂気を感じるスタッフであった。

洋輔さんの交友関係を調べたスタッフは、彼が重度の心霊スポットマニアであること突き止める。そして彼のブログの最新ページは、自殺する数日前で更新が止まっており、そこには顔が二重三重にブレて歪んだ顔写真がアップされていた。心霊スポットに行くたびに、悪意を持った怨霊をあの部屋に呼び込んでしまっていたのであろうか。

そして数日後Yさんから連絡が入る。回収したカメラに驚くべき映像が残っていた、という知らせであった。ギガファイル便で送られたその映像は裸の洋輔さんらしき人物が後ろを向いているもので、少しずつこちらに顔を向け始める。Yさんによれば、この男性は洋輔さんに間違いないという。

だが、電話口のYさんの様子がおかしい。「助けに行かなければ」という彼女の声にノイズが混じり始めたのだ。どうやら、洋輔さんを助けるため、あの部屋に入ろうとしているらしい。必死に止める真田だが、聞く耳を持たないYさんの声は、ノイズにかき消されつつある。最後の彼女の悲鳴で電話は切れてしまった。

エピソードでは映像の続きが紹介される。洋輔さんは次第にこちらに顔を向けるが、体は背中をむけているのに顔だけがこちらを向く。それだけでも異常なのに、彼の顔は醜く歪みだし、およそ人とは思えない、化け物のような姿になって映像は終わってしまう。終始彼が呟き続けていた言葉は「た・す・け・て」であった。

スタッフからの警告として、彼が訪れた心霊スポット120個所のリストが表示され、エピソードは終わる。

感想

これは面白い!怖い!

いやいや今までで一番良かったですよ。素知らぬ顔で「入ると死んでしまう部屋」での撮影を依頼してしまうYさんも怖いし、極めつけは最後の映像のクオリティ(まるで寄生獣)。むろん作り物、フェイクだと思うのですけれども、わかっていても怖い(今回何度も言ってるなこのセリフ)。

その前の真田さんの決死のカメラ回収のシーンも怖かったですね、映像が途絶えたかと思ったら真田さんの声で「こわい。こっち来て」の助けを求める声。慌てて助けに向かうスタッフたちの前に彼女がぬっと出てくる。目の前に真田さんがいるのに、iPhoneからは助けを求める声が続いている。それがだんだんゆっくり低くなっていく過程はちょっと鳥肌ものでした。

Yさんですが、この部屋で撮影された写真を「そうです(映像からの)キャプチャです」と言ったり、映像の容量が重たいのでギガファイル便で送ってきたりと、何気にITに強いおばさんでしたね(笑)。

洋輔さんの訪れた心霊スポットが120か所(しかも全国津々浦々)もあって、「行き過ぎだろ」と思いましたが、今回の幕間エピソードのスポット3か所も、ちゃんと(?)回っていたことが印象に残ります。というか、テロップで場所の名称を紹介してしまっているので、サブタイトル伏字にした意味がなくなっています(笑)。

それにしても島田君今回で最後かぁ~。「実は…」ってところで、てっきり「XXX」に移動かと思っていたので、驚きました。こだわりや個性が強くて、このシリーズのキーパーソンだと思ってたんですけどね。これからは観る側に回るという気持ちもわかりますが、かなり残念です。

あと真田さんが男気を見せて、カメラ回収役を買って出るのはかっこよかったのですが、「死んだら呪うからな」という発言には笑ってしまいました。

2022年4月22日追記
書き忘れていましたが、ギガファイル便で送られてきた例の映像を、スタッフが見ている最中にもYさんとの電話がつながっており、同時生中継みたいになっているのも臨場感あふれて良かったです。

感想まとめ

今回のテーマは言うまでもなく心霊スポットですね。昨今のYoutuber突撃レポートに警鐘を鳴らしているのでしょうか。そう言えば直近でも無許可侵入で警察沙汰になった事件が記憶に新しいですね。真面目な話だと心霊的な事象よりも、場合によっては犯罪になってしまったり、落ちたり下敷になって怪我をしたり、妙なトラブルに巻き込まれたりのリスクの方が高いと思うので、ほどほどにしときましょうね。

さて、ショートエピソードも心霊スポットものでまとめたせいか、全体的に雰囲気が徐々に盛り上がりました。そして映像のクオリティも高かったです。「やるな…テラコー…ぐぬぬ」て感じでした。

続巻が期待できますね。今後は真田、江益2人体制で行くのでしょうか。それとも個性的な新人が登場するのでしょうか、楽しみです。

あれ?…今回福田さんは?

コメント

  1. tasojiso より:

    黙示録、前々から見ていますがこちらも面白いですね。
    検証要素などは無いけれど単純にシナリオとしてよく出来ていて
    児玉岩澤時代のほん呪のドキュパートを彷彿とさせます。
    私は島田くん同様、半端なアイドル崩れを立てた茶番は大嫌いなんですが
    この内容であれば取材パートは普通に見られますね。
    最近、霊界の迷路という作品も見ましたが、まあオーディションだの任命式だの
    島田くんが殴り込んできそうな内容に15分でギブアップしてしまいました…

    今回の廃屋散策と怪しい老人の取り合わせ、ほん呪スペシャル1を思い出しました。
    私はあれが未だに心霊モキュメントの最高傑作だと思っています。
    最初こそ「あんなとこに行く連中は自己責任だ」と漏らしていた真田さんでしたが
    ばあさんが同じことを言った際には不快感を持っている感じだったのが印象的でした。

    アムモ作品ではノッファンやパンデに対して、XXXが異色という雰囲気でしたが
    黙示録も頑張って欲しいですね。作中でやたらとスタッフパートの必要性を説くのも
    何かしらの意思表示でしょうし… ただニコニコでは大人気なんですよね…スタッフ茶番。
    島田くんのような趣向の視聴者も多くいることは意識してほしいです

  2. itton より:

    >島田くんが殴り込んできそうな内容……

    失礼、笑ってしまいました。少々の茶番ならいいんですが、悪ノリされるとちょっとって感じですよね。

    ほん呪スペシャル1はあの家主が当事者であったという事実に驚きました。激しいラップ音に怯える女性スタッフがリアルで虚構とのバランスが良かったと思います。

    アムモ作品はリアル志向の「XXX」と他のラインナップがそろっていて作品の幅が広いなと感じます。

タイトルとURLをコピーしました