はじめに
「闇動画17」のレビューです。今回も面白かった。
ナビゲーター(少し怖い)
概要
撮影者が自殺志願者に会っている。この撮影者、「アイダ」は自殺志願者に方法、場所、終活の手続きなどをレクチャー、手配する代わりにその行程を撮影させてもらうという活動を行っているようだ。今回の依頼者、「トモマツ」も志願者の一人で、アイダのナビで山奥へと向かう。
自殺してもらう山奥まで、トモマツに同行して撮影を続けるアイダ。だが、その途中森の中で何かの気配や足音を感じたり、他の自殺遺体らしきものを見つけたりしているうちに、トモマツは怖気づいたのか自殺の決行を躊躇するような態度を見せ始める。
逡巡しているトモマツに、おにぎりを差し出したりして彼への配慮を見せ、なだめようとするアイダだが、トモマツはしきりに辺りを気にする。だが、アイダは「自殺しに来る者を殺害するような人間がいる」との物騒な噂を話したりと、奇妙な態度も見せる。アイダの荷物が目を離した隙に荒らされたりと不可化怪な事象も起きたり、その荷物の中にスタンガンが出てきたりして不穏な空気が漂い始める。
アイダの本当の狙いは何なのか、トモマツは自殺をやめるのか、辺りに蠢く何者かの気配。その後事態は衝撃の展開を見せる……。
感想(ネタバレ)
アイダのおにぎりには睡眠薬が入っていたのですね。アイダがトモマツにおにぎりをふるまうときに、何か選別していますね「あっコレジャナイ」みたいに。つまり、アイダは自殺しようとする者を眠らせて殺す快楽殺人者で、彼から語られた噂とは自分のことだったのだと解釈できます。
トモマツにふるまうはずだった睡眠薬入りのおにぎりを自分が食べてしまい、意識を失ったアイダは、新登場の「カワベ」にギチギチに拘束されてしまいます。実はカワベの姉と、トモマツの妹は自殺してしまったのですが、彼女らがアイダに殺されたと睨んだ2人が共謀して、彼を陥れるという話だったのです。縛られたアイダは彼女らの自殺の原因は、「そもそもお前らじゃん!」と暴露しています。その原因は「弟の借金と犯罪歴」「兄からの性的な虐待」だったので、アイダが本当に快楽殺人者だったとしたら、どっちもどっちですね。
このままアイダがリンチされてしまうだけなら単なる犯罪ネタで終るのですが、トモマツがカワベに、「森の中で足音立てたり、荷物荒らしたのはお前だろ?」みたいなことを言うと、カワベが「いや違う」と返答して、あの気配が実はカワベではなく、別の何かだったことが示唆されます。
この後、隙を見て逃げ出したように見えたアイダが死んでしまったり、映像が終了する直前に彼らの背後になにかモヤっとしたものが写り込んで、「自殺者を狙う怪物がいる」という感じのテロップで終わります。
カワベとトモマツがその後どうなったのか。アイダが本当に快楽殺人者だったのか、はっきりとはわからないところが、含みを持たせたような感じで良いですね(映像は森の中に落ちていたビデオカメラからという設定)。
残念なのが、カワベ、トモマツの背後に蠢くなんだかモヤっとした怪物の姿が良く判らないことです。もう少しはっきり見せても良かったんじゃないかと思いました。
オヒナイサマ(少し怖い)
概要
ホラーDVDのプロデューサーが今回の映像の提供者である。ある女性の依頼で、家で起こる怪現象について調べる過程でのインタビュー映像。
この家では人の気配や奇声が聞こえるという怪現象が頻繁に発生する。女性によると母からは「オヒナイサマ」のせいであると聞かされていたが、この「オヒナイサマ」の詳しい情報は教えてもらえなかった。詳細を聞くと母が怒りだしてしまうというのである。この母が2年前に他界してから、女性はこの家に一人で暮らしていたのだが、それ以来、現象が多発するという話であった。
この女性へのインタビューの最中にも小さな悲鳴や呻き声がする。様子を見行った彼が体験した恐怖とは……。
感想(ネタバレ)
プロデューサーが様子を見に行くのですが、最初は何もありません。リビングに戻ると女性が倒れ込んでいます。「大丈夫ですか」と声をかけているとまた呻き声が聞こえます。また様子を見に行くと洗面所の鏡に口を開けた女(老婆?)の姿が写り込んでいて驚きの声を上げます。後ろを振り向いても誰もいないのですが、リビングで倒れ込んでいたはずの女性が起き上がっていていきなり態度が豹変して取材を拒否してきます。まるで何かに取り憑かれたような様子で、これは「オヒナイサマ」なのでしょうかね。
鏡の顔はそこそこ怖かったですが、最後は何も分からず、視聴者に「オヒナイサマ」の情報を募るテロップで終わり、いささか拍子抜けにです。
今回ちょっと派手メイクの美人女性アシスタントが初登場しますね。なんとなくなんですが、「呪いの黙示録」の真田さんを思い出しました。
魔窟2 分離(怖い)
概要
ある廃墟を撮影したと思われる4本の不可解な映像。今回ご覧いただくのはそのうちの1本である(改行等修正)。
夜中に肝試しに廃墟を訪れる男女4人組。女性の1人、「リョウコ」は階段の上に何かを見たり、男性の1人、「ヨウヘイ」は21号室で掃き出し口から覗く2本の足を見たりするが、臆病者と思われたくないのか、あるいは見間違いだと思ったのか、その場では茶化してごまかす。
そのうち階段で何かを見たリョウコが体調を崩し、眼鏡の男性「シュン」とヨウヘイ2人だけで廃墟探索を続ける。シュンの提案で2手に分かれて探索することになり、1人になったヨウヘイは廃墟内で後ろに響き渡る足音に怯え、這う這うの体で逃げ出す。
建物の外で待っていた女性2人の元に辿り着き、後からシュンが出てきて落ち合う事になった。ビビったヨウヘイはすぐに帰ろうと提案するが、リョウコが携帯を廃墟内に落としたらしい。ヨウヘイは昼間に改めて来ようと提案するが、肝の据わったシュンはリョウコの携帯を探しに一人で廃墟内に向かう。
リョウコの携帯の着信音を頼りにシュンが辿り着いた先は、先程ヨウヘイが足を見たあの21号室であった。その後一同が出会う事になる驚愕の事象とは………。
感想(ネタバレ)
ここは前巻「魔窟 神出鬼没」の廃老人ホームですね。冒頭のテロップは、「魔窟 神出鬼没」でも表示されていましたね。ちゃんと読んで理解すれば、これがシリーズもので、全部で4エピソードあることが解るようになっています。
ヨウヘイが最初足を目撃して「うそぴょ~ん」とごまかした時、リョウコの時と違って全員ドン引きしていたのが可笑しかった(笑)。一人になった彼の後ろからついてくる足音が「パン!パン!」と言う絶対聞き間違えじゃないレベルの感じが怖かったですね。
携帯を探すシュン君は21号室に辿り着くのですが、ヨウヘイ君がこの部屋に入ったときは、戸棚や引き出しが全て開け放たれていたのに、全部きっちり閉まっているのが不気味でしたね。その中のどこかから着信音がするのですが、なかなか見つけることができません。そのうちありとあらゆるところから着信音が一斉に鳴り響くのも結構怖い。
このシュン君がなかなかのメンタルの強さで、「やばやば」とか言いながらも軽い感じなのが印象的でした。ヨウヘイ君も「あいつすげえな」って言ってましたしね(笑)。
ようやく携帯を見つけた彼が、階段の先に明かりを見つけて「結局あいつら来てるじゃん」と、それ追いかけて、結局あの21号室に舞い戻ってきてしまい、掃き出し口に足を見つけてしまいます。ヨウヘイ君と同じように、部屋に入っても誰もいない、廊下に出ると足があるという状況も怖い。そして部屋の中から今度は曇りガラス越しに女の姿を見つけ、さすがの彼も驚きの声を上げます。曇りガラスには女の姿が写ったままなのに、掃き出しの足だけがこちらに歩いてきます。それはミニスカート姿の腰から下だけで、部屋に入ってくるそれに、さすがのシュン君も恐怖に悲鳴をあげてしまうところで彼の映像は終わってしまいます。「分離」とはそういう事だったのですね。
残った3人は明け方近くまで外で待ってますが、全く予想外の人物が車で駆けつけてきます。そこから先はエピソードを直接ご覧ください。きわめて唐突に事態は急展開します。
タイミング的にかなりビックリしましたね。
感想まとめ
今回も面白かった。
特に予告でサムネになっている「ナビゲーター」よりも「魔窟2 分離」が良かったですね。別にすごく怖い幽霊が出てくるわけでもないですけど、その場に置かれたら絶対ビビる状況がとても秀逸です。
反面、「オヒナイサマ」が結局何も判明せず、視聴者に丸投げ状態なのが何といったらよいのか…。映像的にはまあまあ怖かったんですけどね。
それでは。
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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
コメント
これはあくまで推測ですが、おそらくリョウコさんは階段であの上と下が分離した女の人を見てますね。その後、足を目撃したヨウヘイさんがふざけているのを目の当たりにした彼女はひょっとして彼もあの女を見たのではと思い始め怖くなって仮病つかって外にでたのかも。
ちなみにここからネタバレになりますが、私がここで魔窟2のレビューを書いていこうと思います。文書力は皆無かもしれませんがご了承ください。
シュンが着信音を頼りに進んでいくと、とある部屋へとたどり着く。部屋の前には消火器が転がっておりどうやらさっきの部屋みたいだ。携帯はこの部屋から着信しているようだ。携帯の音源を探ろうと手当り次第収納ケースを開けているうちに、携帯の着信音が部屋中に反響しあたかも携帯が複数台存在するかのようになっている。
恐怖を憶えたシュンは慌てて電話を切る。しかし、着信は切ったはずなのになぜかそれでも着信音は鳴り響いている。そして一つの収納スペースの引き出しからようやくリョウコの携帯を見つけ出す。携帯は着信しており、だれかがこの携帯へ電話をかけているようだ。恐る恐る電話に出るシュン。すると電話口から女と思しきか細い声で何かを呟いている音声が聞こえてくる。電話の相手に何者か尋ねると電話は切れてしまった。
再び、恐怖を憶えたシュンはヨウヘイたちが待つ出入口へと脱出を急ぐ。しかし、その道中階段の部分で複数の懐中電灯の灯りが見え、しびれを切らしたヨウヘイたちが迎えにきたと思ったシュンはその灯りを追って二階へと駆け上がり、あの部屋へと戻ってしまう。すると、部屋の床の小窓に女性と思しき足が見える。しかし、部屋の中を覗いても誰もおらず、足はいつの間にか廊下側へと移動していた。そして、壁のすりガラス窓を見たシュンは驚きのあまり腰を抜かした。そこにはいつの間にか女が立っていたからだ。『おい!お前誰やねん!』シュンが叫ぶと足がゆっくりと部屋に入ってくる。しかし、その足は上半身がなく、下半身のみとなっており、あたかも分離した下半身だけが部屋に入ってきたようだ。シュンの悲鳴とともに映像は終わる。
一方その頃、出入口で待機していたヨウヘイたち。シュンを待っている内に夜明けとなっており、空が明るくなりつつある。アケミはヨウヘイの先程の不審な挙動について何かあったのか尋ねる。するとリョウコは『上と下が別々の人を見てないか』と尋ねる。質問の意図が判らず困惑する二人。そこへ車のエンジン音とドアの開閉音が聞こえてくる。管理人か警備の人だろうか?しかし、そこに現れたのはシュンの母親だった。母親によると警察と思しき女の人の声でシュンが交通事故に遭い、住所を教えるのできてほしいとナビを通じてこの廃墟にきた。しかしヨウヘイたちは当然事故のことは知らず、その場は不審な空気が流れる。再度母親が電話をかけようとした次の瞬間、シュンが上から降ってきて母親に直撃、二人が血まみれで倒れているシーンとなったところで映像は終わる。
長文失礼しました(_ _)一度こういうレビュー文を書いてみたかったです。勝手にコメント欄に書いてごめんなさい(_ _;)
いやいやなかなかの文章力だと思いますよ。
シュンが体験した恐怖を余すことなく伝えていると思います。
僕の場合、あまりにも長くなってしまうのを避けるために大幅に端折ってますからね。
このエピソードは21号室のプレートをちゃんと映していないのでヨウヘイが足を見た部屋、シュンが携帯を見つけた部屋、そして舞い戻ってきた部屋が同一の部屋がが分かりにくいですよね。
落ちていた消火器がポイントで、多分ヨウヘイはあれに躓いてますね。
あとfdさんの言う通り、リョウコは階段で見ているとおもいます。
それともう一点気づいた箇所がございまして、シュンは気づいていないのですが懐中電灯の灯りを追って階段を上がったところでヨウヘイが聞いたパチン、パチンという足音がまた響いてません?
ああ!してました、してました。
シュン君のリアクションが無かったので気のせいかと思ってたんですが、やっぱりあれそうですよね。