はじめに
本当にあった呪いのビデオの記事を書いたら、なんだかPVが増えたし、過去の作品が気になってきて、最初から観直す気になったので、レビューすることにします。
ほんとにあった!呪いのビデオ(無印)は1999年にリリースされたので、今年で19年目ということになります。私が初めて観たのも、だいたいその時期かと思います。いやほんとに長寿企画ですねこれ。
当時、とある個人のホームページで、このビデオシリーズが紹介されており、興味が湧いてレンタルビデオショップ(当時はVHSビデオテープだったんです!)借りてきたのがきっかけです。
そのホームページでは1と2が紹介されていました。内容的には「フェイクがほとんどだが、本物もある」というスタンスで、特に本呪2の最後の映像は、見ると災いが起こるとかで、「観てはいけません!」と赤字と大きな×印で警告してました。
その他に、やたら「この映像はファントムプロジェクターを用いれば再現可能」とか言う言いまわしが、強く印象に残っています(ファントムプロジェクターってなんだ?)。このページ、今となってはもう影も形も見つけることができません。
白い着物の女(そんなに怖くない)
引っ越し直後の飲み会の映像。引っ越してきた若夫婦とその友人と言う面々。ビールの追加を奥さんが取りに行くところで、まず「キーン」というノイズ。談笑している様子を捉えるためカメラはせわしなく右に左にパンをする。すると、電源が入っていないTV(ブラウン管です!)に反射するように、白い服装で髪の長い女性の姿が写っている。再びパンして戻ってくると、その女性は座っているのか、今度は低い位置に現れる。もう一度パンして戻ると、もう写っていない。
どの位置に立っていれば、女性の姿がこんな感じで写るのか、実際にスタッフが現場を検証したり、音声分析を大学教授や研究所に解析を依頼したり、丁寧に調べていました。
初めて観たときには、「ふふーん」と納得していました。演出が自然で、一般人が撮影している雰囲気が出ていて、それまでにあった心霊番組などより、よっぽどリアリティが感じられたのでしょうね。それに、確かにTVに白い着物の女性が写っているのですが、表情までは読み取れないため、怖くもない地味な映像である点も、かえってリアルでした。
余談ですが、音響粒子学研究所のなんとかさんの使用しているパソコンが、パイオニアが発売していたした幻のMacintosh互換機「MPC-GX1」だったことに、驚きを覚えるとともに、懐かしさがこみ上げてきました。昔、ごく短期間でしたが、Macが互換機路線を打ち出したことがあったんですよ。
さらに余談ですが、その後に、このシリーズでの定番ナレーションを務めることになる、中村義洋氏が、スタッフとして出演されています。余談終わり。
トンネルにて(怖くない)
かの有名な「小坪トンネル」に車が入っていく。トンネルに入った後、停止ボタンを押し忘れて、ダッシュボードにおきっぱのビデオカメラが、サイドウインドウ越しに何者かを映し出す。
車が普通のスピードで走っているので、一瞬で後ろに流れていってしまいます。壁のシミじゃないすかね。スタッフが別の場所にも人の顔を発見したと言ってますが、これもよくわかりません。
墓参りの記録(ちょっと怖い)
昭和58年ごろに、8mmフィルムで記録された、おばあちゃんの墓参りの様子。写っているのは夫婦、小学生くらいの子供、ベレー帽のおじいちゃん。道中から、墓参りを淡々と記録している。素人撮影なので、カメラがあっちこっちにぶれて見にくい。終盤近く、各々がお墓に手を合わせる場面に差し掛かると、赤い何か、靄のようなものが出現し、最後に、故人であるおばあちゃんと思われる顔が、大きく映し出される。
おばあちゃんが、結構大きく、しかもはっきりと写っているのでちょっと驚きます。でも、表情は穏やかで、墓参りに来てくれた家族に感謝を伝えたいような感じがします。おばあちゃんの姿が映し出される直前に、赤い靄のようなものが写るのですが、その靄が「おばあちゃんの唇に見えた」「唇の動きがありがとうと言っていた」と一緒に観ていた嫁が訴えたので、ちょっとゾッとしました。
劇団の稽古風景(怖くない)
劇団の練習中、鏡越しの壁になんか写ってる。
なんか顔が写ってるような、写ってないような…
白い着物の女 中編(怖くない)
今じゃ考えられないが、不動産屋から前に住んでいた住人の情報をゲット。その住人にインタビューして、金縛りにあい、「ふふふ」という笑い声を聞いた、目をさますと髪の長い白い服を着た女が座っていた、テレビが暗くなると、白い女の反射が写った、という体験談を語ってもらう。彼によると、今回のビデオにも「ふふふ」の声が入っているという。さっそくMac互換機を使っている研究者に、音声解析を依頼する。
結婚パーティーにて(少し怖い)
結婚式二次会の様子。新郎新婦の挨拶の場面で、カメラに背を向けている列席者の背後に、白い手がブランブランと揺れている。
黒っぽい上着の男性の背中で、白い手がブランブラン揺れています。その手に生気が感じられず、不気味です。
ただ、結婚式の二次会って普通お座敷ではやらないですよねえ。いや、大きなお世話なんですがw
で、新郎新婦がお座敷に立って挨拶しているんですが、なぜか巨大な通風ダクトが室内に張りだしてまして、それがまた微妙に低い位置なんですよ。挨拶している、新婦の頭の位置ギリギリで、頭がぶつかりそうなのが気になって仕方がなかったですw
事故現場にて(ちょっと怖い)
夜のドライブ中、事故現場に差し掛かる。たまたま持っていたビデオカメラで、走りながら撮影。事故現場を抜けると、ガードレールに一瞬青白い何かが写る。静止画にすると、恨めしそうな瞳がはっきりと確認できる。
恨めしそうな、本当に恨めしそうな目がはっきりと写っています。ちょっと怖いです。
監視カメラ(そんなに怖くない)
カラオケボックスの監視カメラの映像。複数箇所を一定時間ごとに切り替えて記録するタイプのもの。映像は各部屋を順次切り替えて映し出される。とある空き部屋に映像が切り替わる度、画面にノイズが走る。何回かループして、その部屋から他の部屋に、映像が切り替わる瞬間、ソファに座った女性の姿が確認できる。
ほんの一瞬ですが、はっきりと写っています。怖くはありません。どことなく寂しげな姿が印象的です。
生中継番組(不思議)
公園の一角で何かの番組。生中継中に画面が乱れて、中継は中止に。記録された映像をコマ送りにすると、全く関係のなさそうな、脈絡のない映像がインサートされている。
「民家の白壁と窓」:構図めちゃくちゃ、「男の背中」:ノイズが走っていて不鮮明、「あき家の…というワープロ文字」:ノイズだらけ、の3点。
何かが混信したような感じですが、インサートされている映像の意味が全くわからず、不思議で、不気味です。
白い着物の女 後編(ほんのちょっとだけ怖い)
解析の結果、「ふふふ」という声が入っていることがわかった。わからないのは当然で、会話をしているみんなの声の中に完全に埋もれていたから。でも注意して聞くと、確かに聞こえる。
前述の、体験者の話があるので、少し怖かったですね。
大学校舎にて(結構怖い)
飛び降り自殺が多発する、深夜の某T大学校内。そこに面白半分の肝試しグループが、暗い構内を懐中電灯だけを頼りに徘徊する。ちなみにグループ内の女性がキャーキャーうるさい。階段の踊り場を通り過ぎあたりで、壁に投影されたような、白い人影を発見し、女性が悲鳴をあげる。踊り場の壁に写った人影は、左右にゆらゆらとゆれている。やがてその影はふらーっと廊下側まで出てきてしまう。
今まで、壁に映っていた「それ」は、投影される壁などがない廊下に出てきてしまいます。この時点で、それは影ではなく、「それ」そのものであることが判明。しかも、ゆっくりこちらに向かってきます。そりゃパニックですよ。撮影者も、観ている私もw
ゆらゆらしている影が、影ではないとわかった瞬間が怖いです。
ナレーションで「教授が殺害された事件があった」と言っているので、場所は筑波大学でしょうね。
盗撮・試着室(怖くない)
不届者がデパートの試着室に仕掛けた盗撮映像。女性の下着姿には、完全にモザイクがかかっているのでご安心を(そういう問題じゃ無い気がするが)。横の壁に何か写っている。
壁に何か写っている(それだけ)。
千駄ヶ谷トンネル(怖くない)
取材班が都内有数の心霊スポット「千駄ヶ谷トンネル」に突撃。車で天井を撮影して、何か映らないか試してみた〜。写った〜。
最初壁のシミかと思っていましたが、車の動きに追随してしばらく写っていましたね。何かはわかりませんが。
エンディング(?)
エンディングのスタッフロールの最中、井戸の中を撮影した映像が流れる。水面に映ったカメラの背後に手が伸びてくる。
雰囲気作りの演出かと思われます。
白い着物の女:おまけ(怖い)
スタッフがTVに反射した女性の姿が写る位置を検証している映像に、女の顔が写り込んでいた。シーツに包まって検証中のスタッフの真上の壁。そこにいきなりズームアップ!。
初めて女の表情がわかる映像で、結構怖いです。いきなりバンバンバン!と3段階でどアップになるので、注意してくださいネw
感想
現在の演出よりもケレン味が無いというか、サクサク進んであっさりしている感じがします。それでも当時は結構ビビりましたね。まだ情報が少ないですから、結構信じてましたよ。そして面白かった。
よく地上波にある、霊能者が出てきて、悪霊が乗り移って除霊するみたいな構成や、何かと言うと再現ドラマを流したり、グラビアアイドルや芸人が心霊スポットに突撃するみたいな番組にうんざりしていましたから、まさにこういうエンタテインメントを切望していたのだと思います。
最後の最後のおまけ
実はこの「ほんとにあった!呪いのビデオ1」ですが、最後の最後にもうひとつおまけが仕込んであります。とは言っても初期に発売されたVHSテープ版のみにですが。
VHSテープ版はエンドロール > おまけ > コピーライト画面の後、画面が真っ黒(ブラックアウト)になってからザーッという音の砂嵐画面になり、しばらく砂嵐が続くと再びブラックアウト画面になります。
すると、そこには写ってるんですよ。白い着物の女が!うちのTVに!
本来なら、ぶったまげておしっこ漏らすところですが、当時鑑賞していた我々夫婦二人は、
「あっこれ仕込みだねー」「なぁーんだやっぱりフェイクだったんじゃ無いかーw」「あははははー」「良かった。これは本物じゃなかったんだ」
と、安堵していたのでした。しかしながら、後に発売された「Special2」で、
「視聴者から、最後に白い着物の女が写るとの報告を受けている」「我々の元にあるマスターテープでは確認できない」「白い着物の女の呪いが増殖している…とでも…言うのだろうか…」「女の姿が写るという市販テープを入手したので比較を試みる」「それではご覧いただこう」
と、ネタにしているのを見て目が点になってしまいました。
えっ?あれってフェイクだよね?仕込みだよね?ねぇ!?
尚、現在入手できるDVD版では、砂嵐もブラックアウトもしないので確認できません。
コメント
今、ニコニコ動画でほん呪の連続放送をやっていて、今日は1、11、13、16巻が放映されたんですが
1巻の最後の最後、おまけがありました!2日の朝9時、もしくは15時からも見られます(夜21時からは22・51・79・81巻の連続放送です)。
今更ですが、情報ありがとうございます。
79、81と飛ばして放送するのはちょっと意地悪ですね。
墓参りの記録、たしかにちょっと怖いかもしれませんけど、優しいおばあちゃんじゃないですか!むしろ、こういう守護霊が今後も増えてきたらいいなと思っております。
そうなんですよ。
優しいお婆ちゃんなんですよ。
でもそこに明確な意思が感じられてというか、生々しくてちょっと怖いんですよね。