放送禁止 劇場版 ~ニッポンの大家族 Saiko! The Large family(ネタバレあり)

housouban-movie2 レビュー

初めに

「放送禁止 劇場版 ~ニッポンの大家族 Saiko! The Large family」は2009年7月11日に公開された映画、フジテレビで不定期放送されていたドラマ、「放送禁止シリーズ」の劇場版第2弾で、2003年6月に放送された、「放送禁止2 ある呪われた大家族篇」の続編にあたります。

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概要

今回は今までと異なり、カナダの高名な映像作家「ベロニカ・アディソン」の作成したもので、英語のクレジット、日本語の発言には英訳のテロップが表示され、いかにもナショナルグラフィックチャンネルとかディスカバリーチャンネルとかBBCとかで放送しそうなドキュメンタリーフィルムの体裁をとっている。

映像は所沢のとある日本の大家族に密着し、悲喜こもごもな人間ドラマを捉えたヒューマンドキュメンタリーのような出だしで始まる。そしてその大家族とは「放送禁止2 ある呪われた大家族篇」に登場した、あの浦さん一家である。大家族の父親、浦敬一郎氏が失踪してから7年後、浦家食卓のその席には別の男性が座っていた。そう、浦家の母親、司さんはパート先のスーパー店長、純男さんと再婚(まだこの時点では籍は入れていない)し、二人の間にはすももちゃん、雷智くんが生まれ、家族はますます賑やかになっていたのである。

だが、三女梨枝さんの純男さんへの家庭内暴力、長男、豪毅くんの引きこもり、長女、林檎さんの失踪などの問題を抱え、家族に馴染もうとする純男さんの行動も空しく、子供たちの態度は冷たい。この大家族の真の一員になるべく、純男さんの孤軍奮闘が始まる…。

感想(ネタバレ注意)

気が付いたこと、ツッコミどころ他

  • 家庭菜園で野菜の収穫。その面積じゃ一週間で食い尽くすだろ(笑)。
  • 所沢の住宅地で鶏飼うなよw(あれ?牝鶏は鳴かないんだっけ?)。
  • 梨絵ちゃんがキレても司さんは「やめなさい」とか言うだけで何にもしない。
  • 豪毅くんの部屋の入口付近の習字みたいな張り紙。
    • 「バット一発」「十三振だ」→「バット一発父さん死んだ」
  • 隆太くんの事故、救急車はまだしもストレッチャーや隊員すらも来れないなんてことあるかい。
  • 純男さんが隆太君を担ぎ上げるとき、二階の窓に誰かいなかったか?
  • 以前、檸檬ちゃんも自転車の事故で大けがしてたと、団くんの発言。
  • ベロニカが病院から浦家を訪ねると、司さんが電話口で保険証券みたいなの持ってた。
  • 風俗嬢になっていた林檎ちゃんのために500万もの借金を、なけなしの定期預金解約して払ってあげるとか、純男さん……うっ(涙)。
  • 敬一郎氏が失踪してから丁度7年目に純男さんと司さん入籍。あっ、保険金…。
  • これがホントの親子丼。鶏のクッキー(Cookie)食べられる(笑)。
    • Cookieはネット用語だが、「ウェブサーバーに食べられる」というのが語源(諸説ありますw)。
  • 豪毅くんの部屋の中にも貼り紙。
    • 「ハハハ」「サイコーです」→「母はサイコです」
    • 「強打」「行こロス」→「兄弟殺す」
    • 「知らぬが仏」「鷹」(鷹治くんは事故で亡くなってる)。
  • 家庭菜園で遊ぶちびっ子たちに、司さんはヒステリックに怒りまくる。「あんた一人くらいいなくても困らないんだからね!」。そりゃエンリケ以外にも埋まっているのがいるしな。
  • ちびっ子たちの絵。エンリケが血まみれ(酷い)。
  • 団君、保健体育の勉強。「お母さんが保険保険言ってた」。
  • リビングのフルーツに全部ナイフが突き刺さってる。女の子の名前、みんなフルーツだったよな。
  • この家から引っ越すという純男さんの提案に、彼の実の子供である2人のちびっこだけ賛成。
  • 牛肉のしぐれ煮登場。「もう少し入れた方がいいんじゃない?」。
  • 相変わらず些細なことでブチ切れる梨枝ちゃん。とうとう止めようとした林檎さんも突き飛ばしてしまう。それに対して「それだけは絶対に許さない」「殴りたければ俺を殴れ!」「俺はお前を愛しているんだ」「みんなを愛している、俺はこの家族のお父さんなんだから!!」と初めて梨枝ちゃんを殴り、ブチ切れる純男さん………。カッケー!。
  • 泣いて家を飛び出した梨枝ちゃんを夜中まで探し回る純男さん。とうとう橋の上に佇む姿を発見し、初めての対話。
    • 「ごめんね。痛かった?帰ろう」
    • 「あんたなんでそんなにいい人なの?バッカじゃないの?」
    • 「みんなのことが好きだから」
    • 「さっき殴られたとき、凄い嬉しかった…ごめんなさい今まで…」
    • (涙)。
  • 豪毅くんの部屋の入口の貼り紙、更新。
    • 「猛虎」「ロスしかない」→「もう殺すしかない」
  • 家族全員で河原でキャンプ。ついにジャストミート豪毅くん、部屋から出てこれに同行。でもなんで常にバット持ってるんだよ(カレー食ってる時も傍らにw)。
  • キャンプで家族みんなが心通わせているところでベロニカの取材終了と思いきや、取材陣が去ったあと、司さんが足を踏み外して頭を強打して大怪我。意識が戻らない植物状態になってしまった。ふ~ん……(ジャストミート)。
  • 追跡取材で牛肉のしぐれ煮に混入させた「隠し味」の正体が判明。昆布から抽出した本当の隠し味であった(純男さんが殺されるのかと思わせるミスリードであった)。
  • ベロニカ、これを舐めて「I’s solt」→「塩じゃん」或いは「しょっぱい」。
  • 最後のベロニカの掛け声。
    • 「Saiko! The Large Famiry!!」→「Psycho! The Large Famiry!!」→「サイコ!」
  • 劇中に流れ、スタッフロールにも流れる曲「きらきら星」ですが、原曲のシャンソンの題名は、「“Ah! Vous dirais-je, Maman”(あのね、お母さん)
  • 最後に豪毅くんがバット片手に「サイコー!」

感想

見逃しているところ、多々ありそうです。それにしても、みんな大きくなったね~。

で、感想ですが、とにかく純男さんがいい人。いい人過ぎて惚れてしまうわ(笑)。特に「みんなを愛している、俺はこの家族のお父さんなんだから!!」と、梨枝ちゃんの「さっき殴られたとき、凄い嬉しかった…ごめんなさい今まで…」のシーンでは、不覚にもちょっと感動してしまい、うるっとしてしまったことを、ここに告白いたします(笑)。

多分、司(もう呼び捨て)からは、いい金づるという認識だったのでしょう(やることはやってるがw)。子供たちも最初ははっきりとは指示されていなくとも、なんとなくそんな認識だったのだとおもいます。梨枝ちゃんの純男さんへの態度はちょっと奇異ですが、ひょっとしたら、彼の人の好さ、実直さにいち早く気が付き、暴力で彼をこの異常な家族から追い出す(逃げてもらう)つもりだったのかな、なんて想像します。ホントはいい子なんですよ、きっと(願望)。

で、司の指示で河原で純男さんを殺すはずだったのが、みんなの心を掴み、真の父親になった純男さんではなく、自分たちの命をも狙う司にターゲットが変更になったのではないかと。主に実行役の豪毅くんの考えで…。林檎さんが豪毅くんに耳打ちをしているシーンがありましたね。いや、ヒッキーだった彼というよりも、情にほだされた林檎さん、あるいは主な子供たちの意志だったのかもしれません。

でも、庭には敬一郎氏の遺体がまだ埋まっているな。で、純男さんは当面はここにいるつもりだけど引っ越したがっている…。ということは…。

純男さん、逃げてぇ

さて、この映画、TV放送版の「放送禁止2 ある呪われた大家族篇」とを見ていなくとも十分楽しめる構成になっていましたね。もちろん視聴していた方がより楽しめますが。

ちょっと序盤退屈でしたが、後半になるにつれどんどん面白くなってきましたので、前回よりも評価は高いです。海外ドキュメンタリーみたいな構成も良かった。

というわけで、かなりお勧めです。

では。

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コメント

  1. fd より:

    このお父さん役の川嶋秀明さんは調べたところ、残念ながら2021年に亡くなっておられますね。ご冥福をお祈りします。

    • itton より:

      丁度2年くらい前にお亡くなりになっていたんですね。
      残念です。ご冥福をお祈りいたします。

      JAC出身とか意外過ぎる…。

  2. fd より:

    今更ですが、団くんと隆太くんのベロニカによる心霊写真のインタビューのとき、団くんのときは鏡、隆太くんのときは奥の方に司さんが監視してるように覗いてます。また、隆太くんの事故のとき、二階の窓に司さんらしき人影が…

  3. itton より:

    いましたね。2階に。

    心霊写真のインタビューのときは気が付きませんでした。

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