心霊盂蘭盆(ネタバレあり)

レビュー

はじめに

「心霊盂蘭盆」のレビューです。ラミアクリエイトさんという会社が出しているシリーズで「心霊曼荼羅」の派生シリーズのようです。「心霊闇動画」や「Notfound」に飽きてきたときに、コメント欄で「ジョジョラーと化したアブ」さんにお勧めいただいたので、観てみることにしました。

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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

天井裏の住人(怖い)

概要

あるテレビ番組に、自宅の天井裏に霊が棲み付いているので取材してほしいとの依頼があり、映像が送られてくる。だがしばらくして男性と連絡が取れなくなってしまう。テレビスタッフがこの住所を訪れるも、既に誰も住んでおらず、廃屋のようになってしまったため、これ以降の取材が進まずお蔵入りになってしまったらしい。そして元テレビスタッフが持ち込んだものが今回の映像である。

その映像には恐ろしいものが写り込んでいた。ビデオスタッフは取材を行い、この男性の親戚から話を聞くことができた。この家には男性とその妻、そして彼の母親が住んでいたが、嫁姑の折り合いが悪く、妻は天井裏で自殺していた、男性も精神を病み自殺してしまったという話が聞ける。

感想

この家の天井裏なんですけど、一般の狭い天井裏ではなくて、収納スペースとして使う立派なものです。だからそこに行くのに「屋根裏収納はしご(手動)」を使って行きます。大きな収納があって羨ましいです(笑)。

映像は、そこに仕掛けた定点カメラにひとりでに落ちる荷物の様子が記録されていて、撮影者がカメラを持って様子を見に行く感じです。しばらく観察していると大きな音がして、撮影者も視聴者もびっくりしてしまうのですが、何とあの「屋根裏収納はしご」がしまわれてしまっていて閉じ込められてしまいます。あれって内側からは降ろせないんですね。

撮影者はパニックに陥ってしまいます。そりゃ怪現象の起こる真っ暗な部屋に閉じ込められてしまう恐怖もさることながら、内側から降ろすことができない階段という事で、窓もないし、飢えや渇きで亡くなる可能性が高いですからね。後から判ることですが、妻も母も亡くなって撮影者はこの家に一人なのですから。

そこに怖い女の顔が現れて彼はさらにパニくってしまいますが、その時にはいつの間にか階段が降りています。階段がしまわれてしまったのは霊が見せた幻覚だったのでしょうか。エピソード内で触れていませんが、慌てて階段を下りた後カメラがちょっと天井裏を振り返るときに、這って出てきたような女の姿も記録されていました。

シチュエーション的にも映像的にもなかなか怖かったですね。

生魑魅(少し怖い)

概要

男子大学生の投稿者の友人は、束縛のきつい彼女にうんざりしていた。最初はラブラブだったものの。浮気現場を目撃されたことをきっかけにストーカーまがいの行為に及ぶようになってきたと言う。相談を受けた投稿者がその友人宅を訪れると、遠くから彼の部屋を凝視し、棒立ちになっている彼女が窓から見える。業を煮やして彼女の元に向かうがそこにはもういない。部屋に戻ると間髪入れずに呼び鈴が鳴り、数々の不可解な現象が起こり始める。

感想

呼び鈴が鳴っても廊下には彼女はいません。さっき彼女が立っていた外にカメラを向けても誰もいません。ですがカメラが一瞬友人に向き直ったときに後ろに女性がいます。すぐに消えましたが、投稿者はその女が友人の彼女であると認識していたようです。

電話のワンギリやピンポンダッシュみたいな現象の後に友人の後ろから抱きかかえるように手が伸び、頭を抱えてポキッと首を折るような動作をして友人はその場に崩れ落ちてしまいました。その後友人は命はとりとめたものの全身麻痺になってしまい、大学も中退してしまったとのこと。

彼女は彼女で実はこの映像が撮れた日には自殺未遂を起こして病院にいたそうで、友人宅を訪れることは不可能なので、生霊の怨念という事になります。

ピンポンダッシュやワンギリの着信音などのタイミングが良くて、大した映像ではない筈なのにちょっとドキッとして緊迫感がありますね。因みに概要では端折りましたが真昼間の出来事です。

後ろから伸びた手がまるでハリウッド映画の暗殺者のごとく鮮やかな手際なのがちょっとびっくりでした(笑)。

サブタイトルの「生魑魅」ですが、「いきすだま」と読むらしいです。つまり生霊という事ですね。

線香供養(怖い)

概要

男性2人組の若者が河原みたいな広場で花火を楽しんでいたところ、変な中年のおっさんに「ここは花火禁止だ失せろ!」みたいな因縁を付けられる。けんかっ早い投稿者の友人は言い返そうとしたが平和主義の投稿者にたしなめられ、その場は引き下がることになった。

だがスマホで調べたところ、その場所は別に花火禁止でも何でもないことが判り、文句でも言ってやろうと彼らは再びその場に戻ることになった。するとさっきのおっさんは何やら儀式のようなことをしている。友人が向かうと…。

感想

おっさんは線香を手向けて何か儀式のようなことをしていますが、血気盛んな友人は悪態をついてその祭壇みたいなものを線香ごと蹴り飛ばしてしまいます。おっさんは突然激高して友人につかみかかり流血してしまいますが、直後おっさんが棒立ちになり、何体かに分裂したかと思うとその顔が不気味な別人に変化します。それぞれ違う顔ですが髪の長い女性のような顔もありました。その顔は実際の人間よりも少し大きくて違和感がありちょっと怖いですね。また取り落としたカメラは地面から這い出してきた女を捉えておりそこで映像が終わります。

おっさんはおそらく儀式を邪魔されないように若者たちを追い払ったつもりだったのでしょう。霊能者によるとこれは「線香供養」と呼ばれるもので何かを供養していたのでは、だがこの行為は魍魎を呼び寄せてしまうリスクもあるとの見解をしましました。

そんな話あんまり聞いたこともないですね。

怪火(怖くない)

概要

風俗の関係者が多く住むマンションの監視カメラ。廊下に一人の女性が現れ、カメラに向かってふらふらと歩いてくる。女性がカメラの前まで来ると炎が立ち上り、辺り一面火の海になってしまう。このマンションは本当に火事になってしまった。

感想

「ファイアスターター」というスティーブン・キングの小説を思い出しました。面白かったのですが後に映画化された「炎の少女チャーリー」は駄作でした。

それはともかくこのエピソードの映像はなかなか幻想的で、面白いものに仕上がっているとは思いました。ですが絵空事感が激しく怖くはないですね。ただ、取材過程でほんとに火事になって、あちこち焼け跡の残るこのマンションの映像があるので、どのような過程でエピソードにできたのかが気になります。

ほんとに火事になったマンションの、ましてや心霊物の撮影許可なんてとれないと思うので。

爛れた女呪霊(怖い)

概要

友人が見つけた廃アパートに探検に行くことになった。いい具合に熟成されたこの廃アパートはなかなかの雰囲気だったのだが、各部屋は施錠され入ることはできない。行く当てもなく階段を上がってきてついには屋上に辿り着いてしまった。

「なんもなかったねー」って感じでカメラがパンすると自分たちが上がってきた階段のところに女が立っている。すぐに消えてしまったが、今度は階下から男性の叫び声が聞こえてくる。

友人は声のする方にとっとと行ってしまう。ビビった投稿者が遅れて後を追うと、途中の階の突き当りの部屋の扉が開いていて、そこに先程の女が立っている。驚いた声を上げるとその女はすぐに消えてしまい、扉も閉まっていた。声を聞きつけ友人が姿を現したので、事の次第を話すと彼はその部屋に向かう。扉は施錠されていなかった。

投稿者の止める声も聞かずに、この友人は部屋の中に入って行ってしまうが…。

感想

部屋に入って行ってしまった友人はなかなか出てきません。業を煮やして投稿者は部屋に入りますが、中には誰もいない。そこで彼はあの女の幽霊を目撃してしまいます。あわてて出ようと思っても玄関の扉は開きません。もうパニックです。

何とか外に出られましたが、中から曇りガラスに顔を押し付けた感じで意識を失っているような友人の姿があり叫び声をあげ、ここで映像は終わります。友人はいまだ行方不明。取材でこのアパートで殺人事件があったことが判明します。

すごく雰囲気が良いですね。山の中でとかではなく、住宅地の真ん中にあるボロアパート、そこだけが異世界になったみたいな感じが恐怖を呼び覚まします。映像的にはどうってことないのですが、ビビりまくった投稿者の一人称映像に共感を感じて、とても臨場感がありますね。

因みに屋上からの階段で聞こえた男性の声は、その後投稿者がビビりまくってあげた声ですね。時間を超越して未来の声が聞こえたことになります。エピソード内では言及されませんが興味深い演出ですね。「XXX」みたい。

結果的に怨霊に取り込まれてしまったものの、あの雰囲気の中全然ビビっていなかった豪胆な投稿者の友人ですが、例の部屋のドアノブを触った瞬間、「うおっ」驚いたしぐさの後、「静電気」と言うのには笑ってしまいました。

因みにサブタイトルの「爛(ただ)れた女呪霊」ですが、殺された女性が劇物で処理されたことに由来するのかと思われます。

感想まとめ

結構面白かったです。「ほん呪」のようなガチっぽさは微塵も感じられませんが、恐怖の過程が丁寧に描かれていて、意外と怖かったです。最初の「天井裏の住人」と最後の「爛れた女呪霊」が良かったですね。

視聴を続けたいと思いますが、予告編を見る限り「心霊曼荼羅」も面白そうなんですよね。どうしようかな、代わりばんこにみるかな。

それでは。

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コメント

  1. ツカハラ より:

    投稿お疲れさまです。
    個人的に心霊盂蘭盆は好きなシリーズなので投稿嬉しいです。
    心霊盂蘭盆はひとつひとつの心霊現象が派手で面白いです。
    心霊盂蘭盆も途中から構成が「XXX」風になるので飽きないと思います。

    • itton より:

      ツカハラさん、コメントありがとうございます。
      そう、心霊現象が派手なのはうれしいですね。
      構成が「XXX」のように凝った感じになっていくというのは楽しみです。

  2. ジョジョラーと化したアブ より:

    おぉ!見てくれんですね!(最近忙しいのでコメント遅れてすみません)イッヌさんの口にあっていてよかったです!
    じつは心霊盂蘭盆途切れ途切れでみていたのでまたじっくり視聴したいと思います!

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