フェイクドキュメンタリーQ この映像はお祓いを済ませておりません – Exorcism (ネタバレあり）

はじめに

「フェイクドキュメンタリーQ」ですが、今回は12分程度でちょっとだけ長いです。4本目の「この映像はお祓いを済ませておりません（Exorcism）」を視聴しました。

概要

「これからご覧いただくのは霊媒師が宣伝用に撮影したVTRである」というテロップでエピソードは始まる。冒頭では霊媒師である初老の男性、荒木が田舎道を歩いているシーン。荒木を撮影するのは助手の男性であり、これから依頼者宅へ赴く途中のようだ。

典型的な田舎の農家と言った趣の日本家屋で、荒木は依頼者夫婦の話を聞く。どうもこの夫婦の妻が、夜中に奇声を発したり徘徊すると言った不可解な行動をするようで、医療機関に相談しても原因は不明。親戚に荒木の評判を聞き、依頼することになったらしい。依頼者は何かの祟りではないかと訴える。

荒木は家の中を検分。「気の流れが悪い」「家の玄関が鬼門」「奥さんと波長が…」「子供のような浮遊霊が迷子になって奥さんに取り憑いた」などと、もっともらしいことを述べ、さっそく霊を祓う儀式に取り掛かるのだが…。

感想（ネタバレ）

おっと。今回はちょっと怖いですよ。

まず最初にタイトルコールが今までと異なります。Youtubeの動画タイトルは「この映像はお祓いを済ませておりません」なのに、タイトルテロップは「祓はらえ」。しかも今回だけ赤い字です。何か意味があるのでしょうか。

序盤にVTRテープの残りを気にしたり、それに「あと21分残っています」→「肝心なところが撮れなくなるやろ」とか関西弁の荒木氏と助手のすっとぼけたやり取りで苦笑せざるを得なかったり、家の中をまわる際に、わざとらしく指差し確認とかして、胡散臭さ満載だった状況から、除霊の儀式を始めたとたん、映像にノイズが乗り始めると雰囲気が一変します。

奥さんの態度が豹変し、子供のように泣き叫ぶ様相、締め切った和室の薄暗さ、時折入る不気味な映像ノイズ、また、カメラのレンズに何か白い靄のような汚れが目立ってきたりと、TVの心霊番組のような「霊能者の除霊シーンつまんネ」みたいな感じが微塵も感じられず、緊迫感があふれていました。

そして荒木氏の後ろに何か黒い影のような、何とも言えない不気味なものが確認できます。奥さんではなく、なんで荒木氏の後ろに現れるのでしょうか。とにかく気味の悪さが満点でした。

この黒い影、前作の黒い影に似ていて、やはり各エピソードに繋がりがあるのかもしれません。

そして奥さんがどうにも制御できなくなったとたん、

「失敗やぁ！」

と叫ぶ荒木氏。そこでブツっと映像が終わってしまうのが余韻があり過ぎて怖いです。動画タイトルの「この映像はお祓いを済ませておりません」とは、そうゆう意味だったのかと、気づかされる演出も良かったですね。

とにかく後ろの黒い影が禍々しくて怖かったです。

考察的な解釈ですが、荒木氏の見立て通り、奥さんに憑いた霊は本当に大したことはなく、実は荒木氏がもっとすごい奴（黒い影）を連れてきてしまったのでは、なんて感じました。奥さんがなんか「怖いいぃ」って叫んでいる気がするんですよ。

次も期待できますね。

あとどうでも良いことですが、子供のように叫び出す奥さんを、荒木氏が抱きかかえるようにして霊に呼びかけるとき、とっても顔が近くてそのままチューでもしてしまいそうで、とちょっとハラハラしました（笑）。

それでは。