はじめに
「フェイクドキュメンタリーQ」16本目、「-(basement)」(BASEMENT)」を視聴しました。括弧で括ったタイトルの先頭に「-」(ハイフン)が付いてます。何か意味があるのでしょうか。尚、「basement」は英語で地下とか地下室の事です。
概要
10階から一人の女性がエレベーターに乗り込む。エレベーターは下降するが、途中5階と3階で停止する。だがいずれの階でも乗り込む人の姿はなかった。ドアが閉まり、再び動き出すエレベーターなのだが…。
感想(ネタバレ)
エレベーターは下降します。どんどん下降します。2階を過ぎて1階に辿り着くかと思いきや、いつまでも下降し続けます。このエレベーターは扉に窓があり、各フロアの通過してく様子が見えるのですが、1階から下ではフロアが真っ暗で何も見えません。液晶の階数表示は2階を過ぎた頃より画面が滅茶苦茶に乱れて役に立ちません。
女性も初めはぼうっとしていたのですが、しばらくするとさすがにおかしいことに気が付き、パネルの前でいろいろ試したり、スマホで外部と連絡を試みたり、監視カメラにアピールしたりしますが、事態は変わりません。
途中監視カメラの画面が乱れノイズが走って一旦静止画で固まったり、なんか正常に機能したエレベーター乗り込む人の姿などの一部が断片的に差し込まれたりして、この篭(かご)の空間だけが異世界に迷い込んだかのような感じがしますね。
いったいいつまで下降し続けるのかと思いましたが、地下80階と思しきところでやっと止まります。扉が開きますが外は真っ暗。女性は恐る恐るではありますが外に出てしまい、扉は閉まります。そしてエレベーターは呼ばれるように上昇して1階に辿り着き、何事もなかったようにカップルが乗り込んできて6階で降り、映像は終わります。
気が付いたこと
- 最初エレベーターは1階に止まっており、窓越しに集合ポストの一部が見える。
- 10階で女性が乗り込むが、階数ボタンを押しているようには見えない。
- 1階ボタンのランプは光っている。
- 5階で止まった時に鉄パイプみたいなものが見えるが、これは自転車だった
- 3階で止まって動きだした後、1階(と思しきフロア)を通過してしまうが、そこに見える筈の集合ポストが見当たらない。この時点で異世界に迷い込んだのだろうか。
- 途中、何人かがエレベーターに乗り込んで降りてゆく映像一部が断片的に差し込まれ、異世界感が際立つ。
- エレベーターは地下80階(多分)に止まるが、階数表示は真っ白。
- 女性が降りた後エレベーターは上昇するが、地下74階か75階あたりで窓に謎の女性の顔が写る。フロアからぴったりと顔を付け、エレベーターシャフトを凝視しているように見えた。
- エレベーターは1階に到着し、何事もなかったようにカップルが乗り込んで6階で降りてゆく。
エレベーターは、マンション住まいなら毎日利用する身近なものですが、身近過ぎて普段恐怖を感じることはありません(心霊的なものより不審者や事故とかの方が怖い)。そういう日常に不意に現れる、不可解な恐怖がうまく表現されているなと思いました。まあ、所謂「異世界エレベーター」ですね。
ただ、何か邪悪な霊なり妖怪などの意志が異世界に連れて行った、みたいな描写は全くなく、ただただ理不尽な事象なのが、単に運が悪かっただけみたいな、情緒のない乾いた恐怖を呼び起こします。この女性が異世界に連れていかれるきっかけみたいなものが、何もないのでなおさらです。
僕には彼女が1階の階数ボタンを押さなかったように見えたので、強いて上げればこれかもと思いましたが、ちゃんと1階のボタンは光っているので、どこかで押していたのかもしれません。
今回はシンプルで分かりやすいというか、シンプル過ぎて意味を見出しずらいというか、どちらにせよ興味深いエピソードではありました。
それにしても地下74階か75階あたりで窓から見える女性の顔には、何の意味があるのでしょうか。これがちょっとわからないですね(別の犠牲者?)。
それでは。
コメント
「窓から見える女性の顔」というのは5:31の所ですかね?
自分は全く気づかないで見逃していましたが、確かに顔には見えます。
窓の外に見える顔については、YouTubeコメント欄の「よっ」というサムネの人の考察がとても興味深いです。制作者の意図にかかわらず、それが正解でいいと思えます。
(自分はこれから寝ますw)
「よっ」さんの考察面白いですね。
と、同時に怖いです。ちょっとゾッとしました。
ただ地下80階とキリが良すぎる点と、さらに80人も失踪したらさすがに大騒ぎになるのでは、とも思いました。
「よっ」さんのような秀逸な考察をしても「そうかな?」と言える余地を残しているのが、わざとだとしたら、さすがとしか言いようがない。
もっとも地下80階まで数えましたが、途中映像が途切れる部分もあるので、これも確信が持てません。
まさかこれもわざとなのか?