はじめに
車で近所の廃道を散策しにいきました。
とは言っても、人里離れたところではありません。政令指定都市である、さいたま市内にあります。場所は、埼玉県さいたま市桜区、荒川を渡る秋ヶ瀬橋のさいたま市側に並行している一角です。
旧秋ヶ瀬橋
秋ヶ瀬橋は、埼玉県庁前交差点から、志木を経由して東京都東村山市へ至る志木街道(県道・都道40号線)が、荒川を渡る橋です。近隣には荒川調整池でである彩湖。広大な河川敷を利用した秋ヶ瀬公園があります。この彩湖と秋ヶ瀬公園に挟まる形で、さくら草公園があり、国の特別天然記念物である「さくら草自生地」が広がります。
実はこの秋ヶ瀬橋、1982年に完成した新橋です。新橋の下流側にあった旧秋ヶ瀬橋は新橋完成とともに撤去されたのですが、県道から旧橋に至る取り付け部分の築堤がまだ残っているのです。築堤上にはまだアスファルトの舗装や一部道路表示も存在します。
アクセス
埼玉方面からは、新大宮バイパスから志木街道に入って、秋ヶ瀬橋を渡る直前で右折。志木方面からは、秋ヶ瀬橋を渡りきって左折です。秋ヶ瀬公園、さくら草公園入り口の標識があります。
駐車場はさくら草公園の駐車場が最も近いです。実は地図で見るとさくら草公園はこの標識が指し示す反対側にあるのですが、そちらのルートは閉鎖されていますので、ご注意を。
秋ヶ瀬公園に至る周遊道路をしばらく進むと、左側にさくら草公園の入り口があります(ここ見逃すと秋ヶ瀬公園に行ってしまいますので注意)ので、左折してください。左手に駐車場があります。この駐車場の正式名称は「ヘリポート駐車場」と呼ぶらしいです。周回道路を挟んで反対側に「浦和秋ヶ瀬ヘリポート」というれっきとしたヘリポートがあり、その駐車場として整備されたらしいのですが、現状はさくら草公園の駐車場として機能しています。
では行ってみます
駐車場に入るとこんもりとした築堤があり、これが旧秋ヶ瀬橋取り付け部です。
この築堤を登っていくのですが、踏み固められた3本の道があり、駐車場から見て一番奥側の道が登りやすいです。尚、この辺りはマムシが生息しているそうなので、冬以外に立ち入ることはお勧めしません。どのみち夏は登る気も失せるほど、草ぼうぼうになります。
登り切るとこんな感じです。
少し進んで振り返ると、こんな感じ。この先に旧秋ヶ瀬橋が架かっていたのですね。右側に見えるのが、新秋ヶ瀬橋です。
周りが開けているので、冬の天気が良い日は富士山が拝めます。スマホの写真ではうっすらとしか見えませんが、肉眼では結構はっきり見えますよ。午後には霞んでしまうので、午前中がオススメです。
40高中という道路表示が残っています。昔の道交法では高速車、中速車、低速車という区分があり、これは高速車、中速車は最高速度40キロで走れという意味らしいです。
車は絶対来ないし、そもそもここで人に会ったことがありません。ぐりモカを思う存分遊ばせることができます。さすがにリードは外せませんが。
こんな感じで300mほど道が残っています。
それにしても道幅が狭い。歩道もないので、かつてここを自転車や徒歩で行き来した人たちはは命がけですね。
終点は志木街道にぶつかったところです。先ほどの交差点が見えます。
どうしてこの道がほったらかしで残っているかですが、どうも秋ヶ瀬橋には、下流側(ちょうどこの廃道側)に橋を増設して、4車線化するの計画があるらしいのですね。その工事が完了するまでは、この辺りの整備が出来ないわけです。無駄になってしまいますから。
ここから新大宮バイパスまで4車線化したいようなのですが、周辺道路の拡幅がままならないので、この計画は目処が立っていないようです。まあしばらくはこのまま残るでしょう。
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