はじめに
ほんとにあった!呪いのビデオ32です。本呪きっての人気を誇る演出捕・菊池宣秀編、「Twenty Seven」が始まります。ただ、今回菊池氏はあんまり出てきません。
運動会(怖くない)
概要
雨でも降っていたのか、なぜか体育館で行っている小学校の運動会。楽しく演技する中で、下半身だけの児童の姿が映り込む。1年前にこの小学校の児童がダンプカーに跳ねられて体を切断されて亡くなる、痛ましい事故があった。
感想
映像を加工した感じがして怖くないです。上半身を消したみたいで、その消し方が適当な印象を受けました。
犬の散歩(少し怖い)
概要
投稿者は犬の散歩中に、とある公園に立ち寄り休憩していた。時間に余裕があったので、いつもより遠出をしてしまい行き着いた公園であった。突然犬が、あらぬ方向に向かって吠え出す。その様子を携帯のビデオ機能で撮影していた投稿者は、犬が吠えている方向にカメラを向けると、そこには不気味な女性の姿があった。驚いた投稿者が肉眼で確かめるも、そこには何も存在していなかった。この犬は翌日、突然の膵臓不全で亡くなってしまったそうである。
スタッフが周囲で聞き込みをすると、駅前にいた女子高生から情報を得る。この付近ではまことしやかに以下のような噂話が流布されていたというのだ。
とある田舎暮らしの女性が出産するが、とても育てられないと考え、都会に捨てれば拾ってくれる人もいるだろうと、この付近の公園のベンチに赤ん坊を捨ててしまう。その子は幸いにも行政により保護されたが、それを知らずに後悔の念から戻ってきた母親は、赤ん坊がいないことに悲観して自殺してしまう。そして死んだ後も、この母親は赤ん坊を探して彷徨い続けている。
噂の出所や信憑性は不明で、今回の映像とこの話との関連も不明だが、問題の映像に不可思議な声が記録されていたことをスタッフは発見した。
薄暗くなった公園で犬が吠え出す。「返せ」との声。投稿者は犬がなぜ吠えているかわからず、声をかける。再び「かぁえせぇ」との声。カメラが犬の吠えている方向を向くと、こちらを睨む女性の姿が。投稿者は狼狽した声を上げる。
感想
似たようなエピソードがありました、「ほんとにあった!呪いのビデオ12」の「夜の散歩」ですね。どうでしょうか、あっちの方が怖かった感じがします。今回のエピソードの映像はとにかく暗いので、ディティールが全くわからないんですよ。「夜の散歩」も暗いんですけど、シルエット気味なのでわかりやすいんですよね。
あとこのエピソード、笑える要素があるんですよ、だって愛犬の名が「シーザー」ですよ(笑)。犬飼っている方はわかるでしょうけど、マース(昔のマスターフーズ)が販売しているウエットタイプのドッグフードのブランド名が「シーザー」。しかもパッケージの犬種まで一緒(ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア)とか、狙っているのでしょうか。
さて、映像ですがそれなりに怖いのですけど、女性の姿より、まぎれ込んだ声の方が怖いですね。最初の「返せ」はそれ程でもないのですが、次の「かぁえせぇ!」がドスが効いていてゾッとします。
それはともかく、理不尽な恨みでワンちゃんを殺すとかゆるさん。
クラブ・イベント(怖くない)
概要
クラブイベントの記録映像。イベントが終わり、出演者にインタビューしているところ、後ろの扉の奥に軍服姿の男性が写り込んだ。かつてこの辺りに旧日本軍の施設があり、終戦直後、多数の将兵が自決したという。
感想
壁に貼ってあるポスターか何かとも思いましが、その後に扉が開いたシーンではありませんでしたね。日本兵というよりは、軍服を着たスターリンに見えます。
不在(怖くない)
概要
大学のゼミの同窓会を撮影したもの。ゼミの教授が急用で参加できなかったため、投稿者は参加した仲間たちの姿を撮影し、教授に届けるつもりだったようだ。そこには当然あるはずのものが消えていたと言うのだが…。
彼らのなかで、劇団に所属している男性が教授へのメッセージをコメントするが、伸ばした手の手首から先が消えてしまっている。のちにこの劇団員の男性は大道具に挟まれ、拳を潰される大怪我を負ってしまった。
感想
手の消え方が下手な加工というか雑でシラけてしまい怖くありません。いや本当にフェイクではなく、ガチで起こった現象なら仕方ないのですが。
あとのこの劇団所属の卒業生の男性のコメントがちょっとひどいんですよ。そのまま書きます。
「今日この時期に先生が居ないのは残念ですけど、まあ奥様によろしくお伝え下さい。チャラチャラした僕も夢を追いかけて頑張っています。だから先生も希望を失わず頑張っていきましょう!」
「先生、希望失っているみたいじゃん」と別の女性に突っ込まれていました(笑)。
Twenty Seven 前編(怖くない)
概要
「現代科学では解明できない事象を調査する『本当にあった呪いのビデオ製作委員会』、日々調査に追われる中、そのスタッフには休日はほとんどないと行っても過言では無いブラック職場。これまで様々なスタッフが参加してきたが、中には事故で再起不能になったり(やっぱり…)、失踪してしまったり(えっ?)、自殺してしまったスタッフもいた(ええええぇ?)。恐怖のあまりバックれてしまったものも少なくない(いたね)。」
「今回の取材について語るためにはまず、ここ数年、演出補として活躍している菊池が、制作委員会に参加することになった経緯を説明する必要がある。」
とのナレーションで始まる。
演出捕・菊池はそもそも常連投稿者であった。それは20歳の誕生日を迎えてから、毎年同じ内容のビデオテープが誕生日に送られてくるというもので、差出人は不明だが消印は福井であったそうだ。この映像は、どこかの山奥の山荘の廃墟を数カット撮影した奇妙なもので、菊池は気味の悪さを感じ、制作委員会に投稿していた。だが、映像内に特にこれといった心霊現象が写っていないので、採用までには至らなかったという。ただ、そのような投稿を続けているうちにスタッフと親しくなり、最近製作陣に加わることになったのだ。
ところが今回、なんと全く別の投稿者から、菊池が投稿し続けているものとほぼ同じ映像が送られてくる。そしてそこには菊池のもの異なり、心霊現象のようなものが記録されていた。菊池は気持ち悪がって取材を尻込みしてしまうが、菊池の件は伝えないで、とりあえず菊池抜きでこの投稿者に話を聞いてみることになった。
投稿者は大学院に通う学生の柏木さん。趣味で自主映画を制作しており、近所の住宅街で撮影を行い編集しようと思ったら、全然関係のない廃墟の映像が記録されていたと言うものであった。そこには菊池のテープと異なり、不気味な黒い女性が写り込んでいたというのだ。柏木さんによると、使用したテープは新品のもので、古い映像が残っていたと言う類のものではないと言うことである。
スタッフは柏木さんが撮影した住宅街を取材、住民に聞き込みをするも、これといった収穫は無かった。ここで、今回よりスタッフに加わった女性演出捕・渡邉が、電柱などにビニールテープで作った奇妙な印を発見する。岩澤は今回の事件とは関係ないのでは、と意見するも、すでに他の場所でも何箇所か見かけて、気になっていた渡邉は別行動で独自に調査することになった。
事務所に後から戻った渡邊は、この印が他にも数箇所以上あったことを報告する。その場所を点として地図上で結ぶと、なんと問題の印と同じ形になってしまい、岩澤も驚きを隠しきれない。そしてその中心に柏木さんのアパートが位置していることが判明する。渡邊の周辺への聞き込みでは、この印がついたのは、どうもつい最近のようであることもわかった。なにかの呪術的行為ではないかと予測したスタッフは、とにかくこの印を実際に一緒に見てもらうべく、柏木さんに再度コンタクトする。
感想
まず最初のナレーション、「再起不能」のところで丸山氏、「失踪」のところで中昌子氏、「自殺」のところで門間しのぶ氏と藤屋敷隆志氏の静止画が挿入されるので「まさか?」という気分になります。おそらくそんなことはないと思いますが(本当だったら演出捕のなり手がいなくなってしまうと思います)。
それにしても菊池が常連投稿者で、しかも変な映像を送りつけられていたという展開は、初めて見たときには驚きましたね。また、久々の女性演出捕・渡邊氏の有能さが光るエピソードでした。
シリーズ監視カメラ・ネットカフェ難民(怖くない)
概要
ネットカフェの経営者からの投稿。無人のブースに下半身だけの人影が写った。このブース内では過去に利用者が薬物自殺した事件あったそうである。その姿は5分間程映り続け、忽然と後消えてしまった。
感想
半透明の下半身がプースの下から見えますが、怖くないです。ただ、映像が消えた瞬間のことにまで言及している点は評価できます。最近は映像に現れた怪異が、いつ消えたのかについてはスルーすることが多いので。
タクシー(怖い)
概要
投稿者の個人タクシーの運転手は、最近タクシー内での犯罪が増え続けていることに不安を感じ、車内に防犯カメラを設置した。長距離のお客を乗せた帰り道、人里離れたその道で、カメラはリアウインドウに這い上がってくる女性の姿を捉える。女性は窓まで這い上がってから、ずり落ちるようにして消えてしまう。かつてこの付近で女性の刺殺死体が発見される事件があったという。
感想
思ったよりはっきり写っていてこれ結構怖いですね。長距離のお客を乗せて、結構人里離れた山道を走っているという、よく稲川淳二さんの話にありそうなシチュエーションですね。深夜の車の中って怖いんですよね、こんなの見たらバックミラーに何か写っていないか、気になるじゃないですか。運転手さんが気の毒です。
ちなみに映像は結構暗いので、部屋の明かりを落として(昼間だったらカーテンを閉めて)観ることをお勧めします。カーテンを下さずに観たときには何が何だか判らなかったんですよね、部屋を暗くしたらバッチリ見えたので。
赤い人(怖くない)
概要
ドライブ中渋滞に出くわす投稿者。周囲には消防車が連なり、不穏な空気に包まれていたため、投稿者はカメラを回す。渋滞が動き始めた頃に、歩道を歩く真っ赤な人物が写り込んだ。映像の中にも写っていたアパートで、ガス中毒自殺があったそうである。
感想
もろに逆光なので光の加減でそう見えたようにも感じます。あまり怖くないですね、でもきちんと歩いている何かではあります。エピソード内では触れられていませんが、車が動き出して少し行ったところ、木が生い茂っているところにも赤い何かが確認できます。
続 Twenty Seven 前編(衝撃)
概要
約束の時間になっても柏木さんは一向に姿を現さなかったため、岩澤は彼に電話をしてみる。だが柏木さんは電話に出てくれない。と思うと、すぐに柏木さんから折り返し電話がかかってきたが、どうも様子がおかしい。いきなり「もう来なくていい」と告げられすぐに切られてしまい、その後電話に出てくれなくなってしまったのである。自宅アパートを訪ねるも応答が無く、やむなく引き上げようとしたその時、カーテンが一部開いた2階の窓から、柏木さんらしき人影が見下ろしているのに渡邊が気が付く。
とは言っても依頼者から拒否られては取材の続けようが無いので、今後の方針を話し合うと、岩澤のもう少しやってみようとの意見に、児玉監督はとりあえず時間を開けてから再度訪ねてみようという方針を決定する。スタッフは近場で待機することになったが、しばらくして買い出し帰ってきた渡邉から、柏木さんを見かけたとの情報が入り、手分けして付近を捜索することになった。
その後、岩澤は柏木さんを発見することができたが、声をかけても無視され、何の気なしに手をつかんだところ、急に暴れ出して逃げてしまったとの連絡が入る。そのときに彼が取り落としたコンビニ袋には、購入したばかりの包丁が2本も入っていた。この包丁で何をするつもりだったのか。再度彼のアパートに向かうスタッフ。岩澤の意見で、柏木さんを刺激しないようにビデオカメラを持った児玉監督を残し、彼の部屋に向かう。
すると、岩澤がアパートの階段から転げ落ちるように戻ってくる。岩澤は「死んでる…死んでる!」と低くわめきながら、路上で嘔吐し、咳き込んでしまう。ただならぬ雰囲気を感じ取った児玉監督は、カメラを回しながら柏木さんの部屋に向かう。外廊下に泣き崩れてしゃがみこんでいる渡邉の姿を尻目に、意を決して向かったその先には首を吊り、ロープにぶら下がっている柏木さんの姿があった。狼狽しながらも、無言でアパートを後にする児玉カメラ。直ちに警察に連絡し、事情聴取を受けることになる。
ここで問題の映像が紹介される。古びた山奥らしき廃屋の様子が淡々と映し出される。10秒おきに10カット程の映像が確認できる。定点カメラのようで、動きは全く無く、構図やアングルもデタラメで、意味のある絵面になっていない。映像には終始、甲高いノイズが乗っており、かなり耳障りである。最後から2カット目、荒れ果てた廊下の奥に女性の姿らしきものがゆらめいている。そして最後のカット、建物の窓らしきところで真っ黒な女性の顔が右下から姿を現し、映像は突然終わる。この映像を菊池のもとにあるそれと比較すると、心霊現象を除けば全く同じであることがわかる。この違いには一体何の意味があるのだろうか。
次巻に続く
感想
とても衝撃的な映像です。おそらくフェイクなんでしょうけど、ぶらんとぶら下がった柏木さんの姿はかなりのインンパクトはあります。それに対して、事情聴取をしている警官のひとりが手持ちぶさたからなのか、変な踊りを踊っているようにしか見えないのがおかしい。一人暮らしの男性が自殺するとか、警察にとっては日常茶飯事で、取るに足らないことなんだなという感じがリアルとも言えます。
映像はそれなりに不気味で奇妙な感じを受けますが、それほど怖くは無いです。それよりも、菊池氏の映像との対比が興味深いというか、まだまだ謎が隠されている感じがしますね。実際驚きの真実(?)が後に明かされるわけですが。
感想まとめ
演出捕の菊池氏に完全に焦点を当てた構成で興味深く見れました。タイトルに「前編」とあるように、長編であることはわかりますが、まさか3部作の大長編とは思っていなかったので、どんな謎があるのだろうと、期待できましたね。DVDでは予告編があるようですが、残念ながらスカパーの「ファミリー劇場」にはなかったので見ていません。
一般投稿では「犬の散歩」と「タクシー」が良かったです。双方とも、もうちょっと見やすければと思いますが、はっきり写りすぎても怖くなくなっちゃうんですよね。これは難しいところです。
コメント
つい数日前、新興のほん呪レビューサイトで「Twenty Seven」について興味深い記述を見つけました。
ロックンローラーには有名なジミー・ヘンドリックス等27歳で亡くなっている人が不思議と多いとのことで、ロック界ではとてもよく知られた話だそうです。なので、当時のほん呪制作陣にロック好きの人がいたのでは?ということです。
だから、過去のスタッフに自殺者もいるというのも作り事であってほしいです(藤屋敷は自殺するような玉には見えないし)。
ありがとうございます!
検索して観ます。
>主は実際ロッカーの人のようです
やはりロッカーの間では有名な事柄なんですね。
>なぜか送信出来ないので
これは申し訳ありません。なんででしょう。
URLか何か貼り付けましたか?
でも今までもURLは貼っていただいたことがありますよね。
>URLか何か貼り付けましたか?
はい。なのでURLをやめてコメント送信しました。これまでは普通に貼り付け送信できたんですが。
テストも兼ねて、他のレビューサイトを今度はURLを貼って紹介してみます。
http://honnoro.web.fc2.com/
これは以前から私が信頼しているほん呪レビューサイトなんですが、56巻を最後に更新が全く途絶えています。それまでの書きぶりからして、近年ではありがちな「ほん呪離れ」というわけでも全然なさそうなので、もしかしたら亡くなってしまったのかと危ぶんでいます。ほん呪愛にあふれたレビュアーさんです。
興味深い考察です。おそらくビンゴでしょう。
27クラブと言うらしいですね。
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/32702/1/1/1
洋楽はあまり聞かないので、恥ずかしながら全く知りませんでした(いやぁ教養の差が出るなあ)。
差し支えなければ、その「新興のほん呪レビューサイト」を教えていただけませんか?
ちょっと興味があります。
(※何度かコメント送信を試みているんですが、なぜか送信出来ないので、当初書いたものとは違うかたちでお送りします)
「ほんとにあった!呪いのブログ」というサイトです。主は実際ロッカーの人のようです。