はじめに
ほんとにあった!呪いのビデオ86のレビューです。メインエピソード「Propagation」はどのような結末を迎えるのでしょうか。
シリーズ監視カメラ・カーテンの向こう側(怖い)
概要
投稿者は深夜に窓を叩くような音に悩まされていた。この音によって目が覚めてしまうこともあり、不動産会社との交渉材料にでもしようと、ビデオカメラを据え付け、寝ている間の窓の様子を一晩中撮影することにした。音の原因を確かめるため窓のカーテンは開け放って撮影をする投稿者。だがこの時撮られた映像は、投稿者をさらに恐怖で苦しめる結果となってしまった。
深夜の2時ごろ窓をコツコツと叩く音がする。さらにしばらくすると窓をバンバン叩く音。さらに窓を開けようとしているのかのようにガタガタ鳴り出す。とうとうカメラが揺れ出し、ひとりでに床に落ちてしまう。映像を仔細に確認すると、床に落ちる直前に、助けを求めるような、人間の小さな両手と思しきものが窓を叩いているように見える。さらにカメラが落ちた後、投稿者が異常に気がついて目を覚まし、部屋の明かりをつける直前、子供のような人影が部屋を覗き込んでいる。
スタッフの調査によると昨年、この近所のマンションで両親から受けた虐待により、男の子が亡くなっていることがわかった。その子はしつけという名目で、ベランダに朝まで放置されたということも度々あったそうだ。この子は死しても尚、ベランダの窓を叩き続けているとでも言うのだろうか。
感想
こんな映像が撮れてしまったら、怖くてこの部屋で寝ていられませんね。小さな手が窓を叩いている様子はかなり怖いものです。その反面、姿を現した子供の顔はそれほど怖くありません。それより、この映像がフェイクではなく本物だとしたら、怖いというよりはかわいそうで、悲しい気持ちの方が先にきてしまいます。
一緒に見ていた(少し怖い)
概要
河川に発生したクラゲの群れを、物珍しさから撮影する投稿者。昼間の日差しがこの川に影を落とし、撮影する投稿者の影もはっきりと水面に映し出されていた。すると、投稿者の影から、まるで天に召されるように、人の形をした影が空に昇っていき、姿を消してしまう。取材の後、投稿者とは連絡がつかなくなってしまう。投稿者が無事であると良いのだが。
感想
本当に天に召されるように、投稿者の影から人型の影がふぁ〜っと昇天していきます。ちょうどギャグアニメで登場人物が死ぬと、半透明のそのキャラがふぁ〜っと本体を残して上がっていく感じ。本当にそんな感じで、縁起が悪いことこの上ない映像です。自分がそんな映像を撮ってしまったら、心穏やかにはいられないでしょう。不思議な映像です。
続 Propagation 前編(怖くない)
概要
前回のざっくりあらすじ
制作委員会に送られてきた2本の動画。俳優のワークショップで発生する怪現象、そして深夜に夢遊病のような奇行を繰り返す様子。これらの映像につながる人物が大橋彩香さんであった。大橋さんは宮坂クソ野郎に弄ばれた挙句、妊娠、中絶させられ、絶望の末に自殺してしまったのである。
ざっくりあらすじ終わり
本編
調査を続ける制作委員会に、成瀬さんからまた動画が提供される。それは再開されたワークショップの様子で、特に問題となる映像ではなかったが、宮坂はもうすでに次のターゲットをロックオンしているようで、1人の女性と親密な様子が伺えた。
そんな折、夢遊病のような奇行を繰り返していた、大橋さんの友人の今井さんから、自殺の直前の映像が、彼女の実家にあるという連絡を受ける。今井さんはまだその映像は見ていないそうだが、大橋さんの母親から映像を見てもらいたいとの話があったので、彼女の実家に赴くというのだ。スタッフはその映像の提供を今井さんに打診してもらうことにする。
一方、宮坂の次のターゲットに選ばれた梨本さんにインタビューを行う。変な柄のTシャツを着た成瀬さんとともにインタビューを受ける彼女は宮坂に陶酔しきっているようだが、お節介にもKANEDA監督から事の経緯の説明を受けると、一転顔が曇ってしまう。
その後今井さんから、例の映像を見たとの知らせが入る。今井さんの母親からは、すべて任せると許諾してもらったそうだ。大橋さんとは仲がよかったのに、何もしてあげられなかったと涙ぐむ今井さん。そして成瀬さんは大橋さんに惚れていたという事、腹に何か一物を持っていそうなので、気をつけるような発言をする。
さらに今井さんの夜の奇行がまた始まったと、三宅さんからの投稿映像が届く。
感想
梨本さんの陶酔っぷりが気持ち悪いですね。話し方がかなり芝居がかっている感じがします。役者の人って普段のしゃべりもこんな感じなのでしょうか?でもまあ、それよりも成瀬さんの変なTシャツが気になって仕方がありません。なんなんすかあの柄(男の横顔が燃えている?ようなプリント)。成瀬さんは神妙な顔をしていますが、つい笑ってしまいます(笑)。
夢遊病2(少し怖い)
概要
三宅さんからの投稿映像。
1日目今井さんが夜中にむっくりと起き出し、苦しげに呻きだす。1時間以上続く。部屋のテレビに顔が浮かび上がる。2日目
今井さんが夜中にむっくりと起き出し、カメラに向かって指さし テレビに顔が映る。
アジア魍魎研究所の村井氏は、何者かに憑依されている感じが強いと発言。指差しには反応サインの意味があり、何かの意思を貫く宣言を表しているのではと語る。
感想
とうとう人の顔が映し出されました。ぼんやりとしか映っていないのでそんなに怖くはないです。また、一点を指差す仕草はそれなりに不気味ではあります。これは後の展開の伏線になっていますね。それにしても今井さんは、なんでカーテンを少し開けて寝るのでしょうか。何か写るんじゃないかと気になるじゃないですか(笑)。
カーテンでも、扉でも、襖でもちょっと空いているのって気になるんですよね。「間抜けの三寸、バカの開けっ放し」って言うじゃないですか。その諺がなくても嫌ですね。そう言えば稲川淳二だったか、今は亡き池田貴族だったかの話でこんなのがありました。
「僕の家では、よく婆さんから襖はちゃんと閉めろと口すっぱく言われていた」
「ある日、仲間と自宅で飲んでいて、部屋の襖が少し空いているのにしばらく気がつかなかった」
「ふと背後の襖を振り返ると少し空いていた」
「そこには見知らぬ女性が怒ったような顔でこちらを睨んでいた」
「次の瞬間襖はバン!と勢いよく閉められた」
「すぐに立ち上がって襖を開け放しても誰もいなかった」
「家では昔からこのような事があり、婆さんも同様な事を経験したらしい」
どおって事ない話ですが、妙に印象に残っているんですよね。こんな事を思い出しましたが、このエピソードとは何の関係もないですね、失礼しました。
煽り運転(少し怖い)
概要
悪質な煽り運転の様子を撮影した映像。この車にはドライブレコーダーは搭載されていなかったため、スマートフォンによる撮影である。強引に停車させられた投稿者たちに、威嚇的に詰め寄る男の車、そのリアウインドウに別の男の顔がぼんやりと浮かんでいる。悪態をついて男が立ち去った後、後ろを振り向いたカメラは、後部座席に佇んでいる、先ほど同じ顔の男の姿を捉えていた。
煽り運転を行った男性はこの後事故を起こしてしまったそうである。また、この男が煽り運転を始めた付近の道路では、過去に事故があり男性が亡くなっているそうだ。
感想
暴力的な煽り運転は許せませんが、そのきっかけにならないように自衛しましょう。高速の入り口や車線変更時にはちゃんと加速しましょうね。後ろにいる人は結構イラッとときますから。大丈夫、フェラーリじゃなければそんなにかっ飛びません。追い越し車線に遅い速度で居座ったりしないようにしましょう。あそこで栓をしてしまうと後ろは相当イラつきます。
それはさておき、昨今社会問題になっている件を早速入れてきたかと思っちゃいました。でもドライブレコーダーにしてしまうとカメラ固定なので、幽霊をどこに出すかの自由度が下がっちゃうなあ…とか思ったわけじゃないですよね(笑)。
さて映像ですが、初めはリアウインドウに写って、これで終わりかと思ったら後部座席に座ってましたというのは少し怖かったですね。男の表情も怖かったです。
弟 (怖い)
概要
微笑ましいホームビデオ。幼い兄弟がリビングでふざけあっている。投稿者の弟が食器棚に近づくと、映像は突然砂嵐になり、幼い子供らしき叫び声が響き渡る。砂嵐の直前の映像をよく見ると、弟は近づいているにもかかわらず、食器棚のガラスに映った彼の姿は微動だにしていないのが確認できる。
実はこの映像が撮られる直前、この弟は高熱に見舞われ一命はとりとめたものの自分の名前を含む一切の記憶をなくしてしまったそうである。以前はおとなしかった彼が打って変わって活発な性格に変わってしまったことから、当時投稿者はこれは本当の弟ではないと感じていたそうである。まさか何か得体の知れない何者かが、これを機会に弟と入れ替わってしまったのであろうか。砂嵐の絶叫は「ママ、ママ」と助けを求めているようにも聞こえる。
感想
「マァマァ、ママァァ!」と叫ぶ声は必死な感じで怖かったです。でも「これは本当の弟ではない」という解釈は弟がかわいそう。その根拠がこの心霊映像と「何となく違う感じがする」とかひどい。
水遊び(かなり怖い)
概要
1990年代に北陸地方で撮影された海辺の風景。海辺に駐車された車の下に、目を見開き、赤く傷を負ったような女性の頭の存在が確認できる。このとき近くに車を停めていた別の家族の少女が行方不明になって、後に水死体で発見されたそうである。
感想
まず冒頭の部分、カメラはなぜか望遠で道路越しに撮影しています。お父さん映像に凝りすぎ。その時にバイクか何かの排気音がするのですが、かなりの音量でちょっとびっくりします。また、映像のバックに、いなくなった子供を探すように呼びかける、アナウンスが聞こえるのですが、この女の子が行方不明になった件とは異なるようです(男の子のようでした)。もしそうだったら、さらに凄みが増したのですが。
問題の箇所はとても一瞬で、通常では見つける事はまずできないでしょう。ただ偶然気がついて、スロー再生でこれを発見してしまったら全身鳥肌ものでしょうね。写り込んだ水死体のような女の子は目を見開いていて気持ち悪く、この巻では一番怖いものとなっています。
続 Propagation 後編(怖くない?)
概要
別の人物から再開した例のワークショップの映像が送られてきた。それは成瀬さんが宮坂に襲いかかるものであった。成瀬さんは大橋さんに想いを寄せており、宮坂の狼藉を記録していたのも、これを暴露して追い込む為であった。にもかかわらず、再開したワークショップで「覚悟が足らないと自殺する奴も出てくる」とか、いけしゃあしゃあと他人事のように抜かしやがるのでついにブチ切れたからであった(怒)。
インタビューに応じた成瀬さんは、スタッフからの質問に自らの気持ちを吐露する。そして映像を見て気になることとして、宮坂の次のターゲットとしてロックオンされていた梨本さんが、騒ぎにもかかわらず直立不動で笑っているように見えると指摘する。
宮坂をスタッフルームに招きインタビューを行うが、よくあることであり、心当たりも無いと不遜な態度を崩さない。演出補・知花のストレートな質問にキレたのか、憮然とした様子で退室してしまった。
感想
成瀬さんGJ!、と言いたいところですが、宮坂を打っ叩くのに使ったものって、ただのダンボール箱じゃん。これじゃ何のダメージも負わせられないよ。まああれですよね、女を孕ませて堕ろさせた挙句あの態度は無いよね。役者への覚悟を説いているくせに、堕胎させて周囲から非難される覚悟は無かったわけだ。くそだせぇ。
指差し(怖い)
概要
今井さんから、大橋さんの亡くなる直前の映像が送られてきた。大橋さんは睡眠薬のオーバードーズの上に飲酒しており、しばらくするとベッドに横たわってしまう。すると突然ベッドから起き上がり、カメラに向かって指をさすところで映像は終わる。その姿はまるで今井さんの、深夜に自覚なくとったポーズとまったく同様であった。
アジア魍魎研究所の村井氏は指をさす行為は、愛憎の入り混じった行動の意思表示ではないかと解説する。
その後、スタッフに宮坂が梨本さんに刺されて片目を失明するという知らせが入ってきた。その際の映像では、梨本さんがうずくまっている宮坂にしっかりと指を指している様子が確認できる。そして、窓のロールカーテンに顔が浮かび上がっている。それは今井さんの部屋のテレビに映った顔と同様のものであった。この顔は大橋さんの顔であろうか、制作委員会は断定できないとナレーションが語り、作品は終わる。
感想
愛憎入り混じった復讐劇、ここまでくるともうドラマですね。梨本さんはそれに巻き込まれてしまい、犯罪者となってしまったのでちょっと気の毒です。最後に指差す姿、ロールカーテン(ナレーションでは壁と言っていますが、窓にかかったロールカーテンです)に浮かび上がった顔には少しゾッとしましたが、話ができすぎてリアル感が感じられませんでした。
へご…じゃなかった大橋さんは、周りの人物を巻き込まずに、宮坂の前に幽霊となって現れれば良いのに、と思いました。
感想まとめ
ちょっとメインエピソードは芝居がかり過ぎて冷めてしまいました。演出補の女性が突っ込んだ取材で対象者を怒らせてしまうのも今まで何度もあったパターンで、さすがに既視感が生まれてしまいます。
一般投稿もすごく怖いというものがなかったと思います。強いて挙げれば「弟」、「水遊び」が印象に残っていますかね。
次回作に期待しましょう。
コメント
最近のほん呪は観ていないのでこの最新巻も観てませんが
レビューをいろいろ見ていて、この巻、ひいては最近のほん呪に対する批判がすごいのには驚きました。
本当にほん呪が好きな人たちが「ほん呪はもうダメなのか!?」と危機感を持って声を上げている。
すごく詳細なレビューを全巻にわたって書き続けていた人たちが
最近になってぱったり更新をしなくなっているという非常に気になるケースもいくつか見受けられます。
心霊の信憑性を見極めたいとの思いで見続けていた自分が、60番台を前にレンタルから脱落したのは自然な成り行きと思いますが
今声を上げている筋金入りのほん呪ファンたちの気持ちも解るような気がします(´・ω・`)
20周年を迎えたほん呪、87はどうなるんでしょうか。。
本呪もそろそろ曲がり角にきているのかなと思います。飽きられてしまったのか、斜に構えた、というかツッコミ前提で見ている人が多くなってきて(私も含めてですが)いるとは思いますが、批判される程ではないと思っていました。
ここまできたなら、せめて100巻までは続けて欲しいと思うのですけれども。
僕はまだ観続けるつもりです。
自分は、心霊映像は国内のものだとほん呪ブランドでなければ観る気がしません。いろいろ問題があることも承知していますが。
レビューを読む楽しみは、作品を観るのとはまた別のところに成立するものなので
ほん呪が続く限り頑張って頂ければと思います(ここまで来たのなら!)。