はじめに
「ほんとうに映った!監死カメラ2」のレビューです。早くも監督が石井聡さんという方に変更されています。また、前巻はスタッフが全く出演しませんでしたが、今回から「ほん呪」でいう「演出補」にあたる人物、石川氏が登場します(肩書はスタッフ)。
前回は触れませんでしたが、このシリーズの企画・販売元は「AMGエンタテインメント」ですが、製作は「馬車馬企画」という会社です。なんか仕事がきつそうな社名ですね(笑)。
コンビニ(ほんの少し怖い)
概要
コンビニのバックヤード、と言うか冷蔵庫の裏側。店員が冷蔵庫の裏から飲み物を補充している。すると突然画面にノイズが走り、この店員の首が消えてしまう。そればかりか、彼の頭部は奥の壁に浮いているではないか。
この店員は謎の体調不良で、このコンビニを既に退職してしまったそうだ。インタビューを受けた店長が、他の映像も確認してみたところ、事務所の監視カメラに写る彼の映像にも異変が見つかった。首があり得ないほど高速に揺れているものであった。その日から店長も体調を崩しているという。
感想
首が消えるのがほんの一瞬で、ただのノイズに見えてしまい、普通に見ていたら全く気が付きません。確かに首が壁にいるんですけど画質が大変悪くて薄いというか、表情も伺えず全く怖くありません。
一方、事務所のデスクに座ったこの人の首が高速で揺れている(超高速でイヤイヤしている)様はとても異様でちょっとだけ怖いですかね。
お迎え(ほんの少し怖い)
概要
寝たきり老人の監視カメラ。遠隔介護が目的で設置されたそうだ。その老人は老衰で亡くなってしまったそうだが、その瞬間がこの監視カメラに記録されていた。一見特に異常は見当たらなかったが、死亡推定時刻の前後1時間くらいをスタッフが検証すると、画面上部に白い影のようなものが確認できる。
さらに死亡日時の数日前までさかのぼって調べたところ、要介護度4であるにもかかわらず、この老人は突然起き上がり、口を動かして何か言葉を発しているように見えるシーンが存在した。
映像を検証していたスタッフは、老人の息子の嫁である百合子さんがほとんど写っていないことに違和感を覚える。どうやら彼女は老人の介護時にはカメラのスイッチを切ってしまっているようだ。だが、詳細に検証した結果、百合子さんがカメラを切り忘れたシーンを見つける。そこには老人を虐待しているような百合子さんの姿があった。
先の老人が話していた言葉は「早くそっち逝きたい」と言っているようにも感じられる。
感想
虐待と言っても乱暴に顔を拭いて布団にペイ!とするだけで、それほど胸糞ではありませんのでご安心ください。完全なフィクション以外での暴力シーンは気が滅入りますからね。
寝たりのはずの老人がいきなりむくっと起き上がってぼそぼそしゃべり出す(音声はありません)絵面はそれなりに不気味ではあります。
尚、どうでもよいことですがスタッフの石川氏がここで初登場です。「これ絶対何か写っているはず!」と勢い勇む姿がちょっと滑稽です(結局大したものは写っていない)。
見えない何か(怖くない)
概要
あるマンションのエントランスホール。人感センサーで録画するように設定されているはずなのだが、誰もいないにも関わず、無人のエントランスを録画してしまうというのだ。マンションの管理人、曽我氏から調査の依頼が探偵にもたらされた。スタッフ石川の友人である、監視カメラに詳しい私立探偵の神垣氏を聞いてから取材に向かう。
曽我氏によると、この現象が発生するのは夕方の4時頃に集中しているそうだ。石川はホールを適当に調べるが、封印された郵便ポスト(301号室)を曽我氏の確認もそこそこに勝手に開けてしまう。するとそこからは無数のビー玉が転げ落ちるのであった。
これを見た管理人の曽我氏は態度が豹変。自分から依頼したのに「もう調査は結構なので帰ってください」とスタッフを追い出してしまう。後日こっそり301号室に突撃するが、案の定管理人に咎められこれ以上の調査はできなくなってしまう。
感想
石川氏が管理人の返事も聞かずに、べりッと養生テープで封印された郵便ポストを開けてしまうのがちょっとおかしかったですね。まだ開けてもいいって言ってないじゃん(笑)。
中に入っていたビー玉に何の意味があるのでしょうかね。想像できるのは「子供」なんですが。しかしながら、取材拒否で何もわからず終わってしまいます。
白いあれ(くねくね)
概要
冒頭に何やら痙攣している少年の映像。その直後、畑からリンゴ泥棒した少年2人が逮捕されたというニュース映像が流れる。このニュース映像には防犯カメラに写った少年らの犯行の一部始終が確認されていたが、そこには別の奇妙なものが映り込んでいた。画面右上に何か白いものがゆらゆらと揺れている。それを直に目撃した少年のひとりが、何か恐怖を感じ、そこから逃げるように走り去る姿が確認できる。
スタッフは現場付近に聞き込みを行う。だが老若男女いずれにも何か触れてはいけない話題であるかのように口をつぐみお茶を濁されてしまう。取材が進まない中、最初にインタビューした大学生グループの一人から連絡が入る、あの逮捕された少年を知っているという。取材に応じた少年の一人は、あの白いものを目撃したもう一人の慣れの果てといった感じで動画を見せてくれる。それが冒頭のベッドの上で壁に寄りかかり、時折痙攣する少年の映像であった。
少年がこのような姿になってしまったのはあの白いものを目撃してしまったからなのであろうか。
感想
これは「くねくね」じゃないですかねw。「くねくね」は元来フィクションなので、実在するわけがないのですけれども明らかにそれを連想させます。映像的には画面の隅、遠くに蠢く正体不明の異形の物体という感じがよく出ていると思います。
ただそれを見ておかしくなってしまった少年の映像はちょっと「ほんとかよ」と感じざるを得ません。だってちゃんと服着ているし。もし、呆けてしまったのなら服なんか禄に着れないでしょう。この映像を撮った状況がもっと説明されていればよかったと思います。
駐車場(怖くない)
概要
エッチビデオの自動販売機小屋が隣接している駐車場。その小屋の曇りガラスに人影が写る。別の日の映像でも車の周りに影が映った。
地元の中学生がこの場所で亡くなる事故があったそうである。
感想
人影が動くだけです。
それとは別に駐車場の地面にくるくる回る別の影が気になりましたが、街灯にたかる虫でした。
死のノイズ(怖くない)
概要
とある会社のシステムエンジニアである高村氏から、自分の会社に霊現象が起こっているので取材してほしいというメールが届く。添付された映像には「ノイズに顔が写っている」というのだが、白いノイズは見受けられるものの、スタッフには顔などを見つけることができない。それよりも「ノイズニ カオガ ウツッテイル」という文言(しかも文節の間は半角スペースという、どうでもよいところに凝ったもの)を何行にもわたってメール本文に書きこんで送り付ける高村氏のほうが怪しい。
高村氏に話を聞こうと、アポを取るためメールに返信するが音沙汰がない。そこで会社に取材に向かうが、自分の会社の映像を第三者が持っていることに激高したこの会社の社長に追い出されてしまう。社長は激しい口調だが時折咳き込み、あまり体調は良くない様子であった。
そこでこの会社の女性社員、小林さんを出待ちして話を聞く。小林さんによると高村さんは温厚で明るい人物であり、社長に暴言を吐かれても決して笑みを絶やすことはなかったそうである。だが最近、突然会社に来なくなり、今は消息不明だという。取材が進まないのでスタッフは「見えない何か」で登場した探偵、神垣氏に協力を仰ぎ、この会社を再び訪れることにする。社長の小笠原氏は不在であったので、小林さんに話を聞く。
彼女によると、この会社の入るビルは以前墓地であったとか、地下にはまだ骨が埋まっているとか社内でも噂になり、社員は不安を感じているということであった。高村さんも以前鼻血を出したことがあり、小林さんも最近体調がすぐれないということであった。そんな話をしている最中に、神垣氏からポケットベルのようなブザーがピーピーと鳴動する。彼はその場を中座し、何故かそのまま帰ってこなかった。先に事務所に帰ってしまっていた彼によると、「あれはちょっとやばい」とのことであった。実は未曽有の大事故を起こした、あの施設付近を撮影した映像にも同じようなノイズが発生していることを神垣氏は知っていたのだ。
スタッフは社長の小笠原氏に必ず会って確認するように言われるが、彼は体調不良でアポが取れなかった。甲状腺の癌で入院してしまったのである。後日入院していた小笠原氏の席を整理していた社員が、違和感のある金属片を見つけた。神垣氏の探偵会社調べたところ、これがノイズの原因であることが分かった。この金属片はいったい誰が持ち込んだものであろうか…。まさか…。
感想
心霊現象と思いきや放射性物質でしたか。高村氏の社長への復讐を連想させますが、同僚も道連れかよ!と思いました。
それにしても黙って逃げ出す神垣氏ひどい(ポケベルはガイガーカウンターだったのか)。
インターホン(怖い)
概要
スタッフ友人の知り合いである小暮さんは、マンションのインターフォンに怯えていた。夜中にインターフォンのチャイムが鳴っても、マンションのエントランスを写したモニターには誰も写っていない。間髪入れずに玄関のチャイムも鳴るが、やはり誰もいない。エントランス入り口のロックを解除していないにもかかわらず、玄関のチャイムが鳴ることも異常だが、ロックをすり抜けたとしてもこんな短時間で部屋まで来れるわけがない。警察に相談しても、機械の故障ではないかと取りってくれないそうである。彼女はこのマンションに移り住む前はストーカー被害にあっていたそうである。
スタッフの石川は小暮さん宅で待機すると、彼の目の前でインターフォンが鳴り、この現象が確かに確認できた。石川の目の前で玄関のチャイムが繰り返し鳴り響くが玄関を開けてもやはり誰もいない。
この時の映像を確認すると、誰も写っていないと思われたこの映像に、カメラのレンズを覗き込むような半透明の男の顔が一瞬だけ映り込んでいることが分かった。小暮さんによると以前に被害を受けたストーカーに似ているという。
その後彼女とは連絡が取れなくなり、行方不明になってしまった。
感想
小暮さんへのインタビュー時、別のスタッフのフェイント(笑)に笑いました。
最後に写りこんだ男の顔はまあまあ怖かったですかね。インターホンの音色が私の家と全く同じだったので、ちょっとビビりました(笑)。
感想まとめ
なんか中途半端に取材が終わってしまうことが多くてモヤモヤしましたね。「見えない何か」、「死のノイズ」「インターホン」、それぞれ雰囲気は嫌いじゃないので、1巻よりはかなり面白かったと感じました。
スタッフロールを見て気が付いたのですが、「ほん呪11-15、SP3-5」を監督した、坂本一雪氏が監修を担当していましたね(早くもテコ入れかw)。
コメント