はじめに
ほんとうに映った!監死カメラ14のレビューです。前回戦線離脱をほのめかした菅野君ですが、なんともあっさりと復活します。
患者(怖くない)
概要
病院の玄関先の監視カメラに、患者らしい男性と看護師の女性が親し気に立ち話をしている姿がとらえられている。すると男性の背中がにゅっと不自然に盛り上がる。と思った矢先、今度は頭が異常な形に変形し、元に戻る。当人たちの様子からこの現象は目に見えず、監視カメラにのみ記録されているようだ。
感想
本物の映像なら気味が悪いのでしょうが、とても本物には見えないので怖くはありません。それよりもこの患者さん、看護婦(当時の呼び方)さんとずいぶんと仲がよさそうで、そっちのほうが気になります。
花火(怖い)
概要
猫と一緒に自宅ベランダから花火大会を記録した映像。投稿者は花火大会が終わったため、カメラを三脚から取り外し部屋へと撤収するのだが、録画停止を忘れたため、その後の様子までもが記録されていた。映像ではベランダから部屋に戻る途中に、こちらの様子を伺うような謎の顔が一瞬映りこむ。その姿は長い髪の毛が重力を無視して逆立っており、崩れたような醜い顔は不気味な視線をこちらに向けていた。その顔はカメラの存在に気が付いたのか避けるように建物の影に消えていく。
その日、一緒に花火を見ていたこの猫は狂ったように暴れまくり、壁に自ら何度も頭を打ち付けて絶命してしまったそうである。
感想
猫ちゃんの姿は写っていませんが、「にゃ~ん」という鳴き声がかわいい。それだけにかわいそうですね。主人の身代わりになったのでしょうか。
髪の毛が逆立った顔は非常に不気味で怖いものです。「ほんとにあった!呪いのビデオ71:停電」を思い起こさせます。インパクトはあちらに及びませんが、なかなかの良映像で私は好きですね。
廃墟8(怖い)
概要
前回ひき逃げに遭い怪我をしてしまった菅野君だが、幸いにもこの怪我は大したことはなかった。両親に無茶な行動を叱責されてしまい、活動を休止する旨をスタッフにメールしていた彼であったが、今回ある投稿者から、家のポルターガイスト現象がひどいので、ぜひ菅野君に泊まり込んで見てもらいたいとの依頼がもたらされた。そこで正式に報酬が発生する仕事として、スタッフが彼に依頼したところ、喜び勇んで駆けつけてくれた件が今回のエピソードである。
依頼主は岸さんといい、自分のおばあさんが亡くなるまで住んでおり、今は物置として使っている家でラップ音が頻発しているという話。生活感が薄まりつつあるこの家に泊まり込む菅野君だが、岸さんは何かと菅野君に絡みたがり、心配して訪ねてきたり、ビールを差し入れたりとなかなか一人になれない。ようやく岸さんが帰ってくれて菅野君が寝入ると、例のポルターガイスト現象が始まった。激しく引き戸がガタガタ鳴る現象で、どうやら二階でのみ発生するようである。菅野君がカメラをパンすると、そこに全身火だるまになった女性が低いうなり声をあげながら迫ってきた。翌朝菅野君は、岸さんに浅い知識でお祓いや盛塩をするなど霊的な対処をアドバイスする。
今後彼にはこのような正式な依頼があったときのみ報酬をもらうという、暗黙の契約がスタッフとの間に成立したようである。そして菅野君には自らが主演監督する、廃墟ドキュメンタリーを劇場公開するという夢が生まれた。両親はニートだった息子が働きだしたと勘違いして喜んだそうだ。だが、「それほど彼に人気があるわけではない」という辛辣なナレーションでエピソードは終わる。
感想
菅野君のことはともかく(笑)、火だるまの女性は結構怖いです。いや、作り物臭いとわかってはいるのですが、僕は迫ってくる系は苦手というか、怖く感じてしまうのです。炎のまとわりつき方も新鮮でしたし、おばあさんが住んでいたという情報があったのに若い女性っぽくて驚きました。でもまあ普通の人はフェイク臭がプンプンでしらけるかもしれません。
菅野君に対するナレーションのディスりかたが、だんだん辛辣になってきているのには笑いました。
北の国(なにこれ)
概要
黄昏時、整備工場のようなところで一人の少女が幽霊を呼び出しているような監視カメラ映像が投稿された。投稿者は身バレを避けるため匿名であり、その他の情報を出し渋ったが、スタッフは何とかその付近の地名を引き出すことに成功した。
当てもなくその付近の調査をするが、聞き込みによりこれは自分の娘であると証言する男性を見つけ出す。「黒板五郎」を名乗るこの男性は、スタッフを家に招き入れて、娘の帰宅を待つように促す。彼は以前は東京に住んでいたが、妻との離婚をきっかけにこの地に移り住んだと語る。廃屋のような家には彼の息子が待っていたが、名前は「純」。そしてなんだか妙にこの男の言動が芝居がかっている。そのセリフもどこかで聞いた感じ。そうえば農作業中みたいな恰好をしているけれども軍手やタオルは真っ白だし、妻が浮気したとかなんとか……これ「北の国から」を真似してるんじゃね?
案の定「北の国から」の台本集が押入れから発見される。男が部屋から出た隙に息子君にインタビューすると彼の本当の名前は「純」ではなく「ひまる君」。「純」を演じないと怒られるそうだ。学校にも通っておらず、「北の国から」のシチュエーションを無理やり演じさせられているようだ。スタッフはこの男の子供たちへの虐待を感じるが、なるべく刺激しないで子供から引き離そうと考える。
そのような中、娘の「蛍」が帰宅する。映像を見てもらうと、彼女はそれが幽霊であると認めた。そして幽霊が写った整備工場を案内してもらうこととなる。現場ではまるでキタキツネを呼び出すように「るーるるる」と声をかける蛍ちゃんだが、そう都合よく幽霊は現れない。期待に応えられない彼女は感極まって泣いてしまうが、スタッフはそれをなだめ、もっと幽霊が現れやすい夕方を待つことになった。
あたりが夕闇に包まれようとしているこの時間帯に、もう一度「るーるるる」と呼び出すと、なんと彼らの目の前にフードをかぶった幽霊が本当に姿を現す。それに向かって純君は何故か唐突に石を投げてしまい、幽霊は姿を消してしまう。男は純君を殴って叱責するが、その前に石を投げるように段取りを指示する姿をスタッフは見逃していなかった。
結局子供たちから男を引き離すタイミングを見つけられないまま彼らは去ってしまった。その後警察に通報し、子供たちは無事保護されて母親の元へと帰ることができた。母親からは捜索願が出されていたそうである。
感想
この巻の茶番劇第1弾です。
そう言えば田中邦衛さん、最近亡くなってしまいましたね。
「北の国から」は1秒たりとも視聴していないので、元ネタが分からず困りました(笑)。さすがに「るーるる」でキタキツネを呼び出そうとしているシーンの存在は知っていましたが、そのあと純君がせっかく呼び寄せたキタキツネを石で追っ払ってしまうシーンがあるのですか?
幽霊などどうでもよくなってしまっていることが可笑しかった。
電話BOX(怖い)
概要
電話ボックスに取り付けられたであろう監視カメラの映像。そこには説明のつかない現象が記録されていた。まずガラスに謎の曇りが発生する。その後不気味なノイズ音とともに受話器が激しく上下して、ついに外れて地面に落ちてしまう。また何かがぶつかってきたわけでもないのに突然ガラスが破損する。
だが、そもそも電話ボックスに監視カメラを取り付けることは法律に違反している。いったい誰が何のために取り付けたのであろうか。
実はこの映像には続きがあった。ガラスが割れた直後に男が両手を広げている姿が一瞬映し出され、激しいノイズ音とともに終わってしまう。映像はこの電話ボックスが撤去される際に発見されたそうだ。まさか幽霊が監視カメラを取り付けたとでも…言うのだろうか…。
感想
エピソード内では幽霊がカメラを取り付けたなどとは言ってませんが、両手を広げた姿がいかにもそれっぽいのでそう解釈しました。ナレーションも説明もなく最後の映像が紹介されるのですが、あえて何も語らないこの演出は不気味さが増幅されて効果的だったと思います。
小粒ですがなかなかの雰囲気で、これも好きなエピソードですね。
北村捏造疑惑事件(なにこれ)
概要
新宿駅改札前のコンコースで一人の男性が投稿者に呼び止められる。その男性は「ほんとうに映った!監死カメラ6:霊気アレルギー」に登場し、霊に対する耐性がないために部屋から一歩も出られないという、北村さんそっくりであった。外に出られない筈の彼が街を歩いていたことを、不審に思った投稿者が食い下がり追及するが、その男性は人違いであると立ち去ってしまう。そして投稿者は取材班に対し、あの映像は捏造なのかと追及してきたのである。
取りあえず北村さんに連絡を取ってみると、その男は自分ではなく、今も部屋を一歩出ていないと答える。そして「監視カメラ6」の発売以来、一部の視聴者に部屋の場所を特定されてしまい、「変態パンスト野郎」「マザコンブリーフ人間」などの罵声を浴びせられるなどの嫌がらせを受け、転居したという情報も得られた。
取材班は北村さんへの取材が捏造ではないことを証明するため、投稿者の帆足さんに会うことになった。新宿駅で待ち伏せして、この北村さんに酷似した男性に声をかけ、取材を申し込む。最初は拒否されてしまったが、スタッフは粘り強く説得し、事務所に来てもらうことを承諾してもらう。
この男性は吉家さんといい、監視カメラのビデオを視聴したこともないので変態パンスト野郎北村さんのことは全く知らなかった様子である。だが事務所で北村さんの映像を見た彼は、あまりにも酷似するその姿に驚いていた。
またその場で北村さんに電話をし、受け答えをする様子を見ていた帆足さんはスタッフに対する疑惑が解消していったようである。だが、電話で吉家さんと北川さんとで会話するうちに、二人に奇妙な共通点があることがだんだんわかってくる。職業がイラストレーター、好きな食べ物などの嗜好、身長、体重、血液型などがピッタリ一致するのである。だが誕生日だけが唯一異なる点であった。吉家さんの誕生日は不明で、年齢も不祥であった。実は吉家さんは記憶喪失で10年前からの記憶を喪失し、それ以前のことが分からず、道で倒れていた彼が発見された日(2005年10月2日)が誕生日ということになっているそうだ。そして驚くべきことに北村さんは自殺を図ったことがあり、その日付も2005年10月2日であることが分かったのである。その際に見た夢(牛丼屋で無銭飲食して店員にどつかれる)を吉家さんが実際に体験していたという、最大の共通点も判明した。
あまりにも多い共通点に驚愕した吉家さんは、北村さんに会って話をしてみたいと申し出た。だが、ドッペルゲンガーとも言えなくもないこの二人を合わせて大丈夫だろうか。魔術堂のKATOR氏に相談すると、北村氏のアストラル体が何者かと作用し、ドッペルゲンガーとして誕生した可能性を示唆、「もしドッペルゲンガーなら二人を合わせるのは大変危険だが、そうじゃないかもしれないし、合わせちゃったら?面白そうだし」と無責任な見解を述べた。
取材班は別に命をかけても構わないという強い気持ちを尊重し、この二人を会わせることにした。例によって部屋に1人しか入れないので、吉家さんにハンディカメラを持たせて映像を撮影してもらうことに。二人は何か感じることがあったのか、ぎこちないながらも話は弾んでいるようである。最後にはパンストブリーフ姿の北村さんと、吉家さんが霊を祓う「えい!」という仕草をお互いカメラに披露する映像で締められていた。
部屋から出てきた吉家さんに話を聞き、てっきり有意義な時間を過ごせたとの感想が出るかと思いきや、「変な人」「気持ち悪い」「ただの空似じゃないすか」という、吉家さんのあんまりな発言で取材は終わる。
その後、北村さんは相変わらずだが、吉家さんとは連絡が付かなくなってしまった。やはり、ドッペルゲンガーを合わせた影響であろうか。
感想
茶番劇第2弾。そのうえ怖い映像が全くないエピソードです。
北村さんと吉家さんが双子タレントなのか、合成なのかはわかりませんが、二人一緒に写った映像は、同一人物が二人並んでいるように見えて、よく出来ていると思います。
我に返った吉家さんの「変な人ですね」「ちょっと気持ち悪い」と語るシーンがこのエピソードの笑いどころで、思わずズッコケました。
感想まとめ
茶番シリーズ以外がちょっと怖くておもしろかったですね。無論、往年の「ほんとにあった!呪いのビデオ」のような、「これはガチかもしれない」などといった怖さではなく、いうなればB級ホラー映画のような、わかっているけどちょっと怖いという意味ですが。
「花火」、「電話BOX」が印象に残りました。
コメント