はじめに
「呪われた心霊動画XXX2」のレビューです。
エピソードが2段、3段構えの演出で飽きさせません。
13 傀儡(ほんの少し怖い)
概要
森田さんとその友人阿部さんは、高架下のちょっとした広場でスケボーの練習をしていた。Youtubeとかにアップロードするため、阿部さんの頭には「GoPro」を、森田さんはビデオカメラでその様子を撮影していた。
その最中、阿部さんは歩いている人にぶつかってしまう。その人物は黒いフードをすっぽりとかぶり、倒れてしまったにもかかわらず、彼らに何も言わず立ち去ってしまった。不審に思った彼らが後で映像を見返すと不可解なもので、その人物の袖から木のようなものが生えており、まるで木の枝を束ねたような腕に見える、というものであった。それでも気にも留めず練習を続けていると、あの人物が再び歩いて通りかかるのを発見した。
彼らは興味を覚えてこの人物の後を追ってみる。すると住宅街の古いアパートへと入って行く。だがこの人物は部屋に入るでもなく、外廊下を行ったり来たりしており、明らかに行動がおかしい。ようやく一つの部屋に入って行く姿を目撃した彼らは、その部屋の前まで行ってみることにした。
明かりも灯さず、人の気配が全くしないその部屋のドアは鍵がかかっていなかった。意を決して部屋に侵入する彼ら。室内は荒らされているのか雑多なものが散乱し、とても人が住んでいるとは思えない。だが、呪文のような紙が何枚も貼ってあり、何かの儀式を執り行ったような痕跡があった。
奥の部屋からは正体不明の明かりが明滅しており、この部屋の一角に先程の人物が仰向けに倒れている。頭の部分は気味の悪い仮面を被り、顔は分からない。阿部さんが勇気を出してその仮面を剥ぐと、そこには木の幹があるだけで、これは木で作った人形のようなものであった。急に恐怖を感じた二人はその場から逃げ出してしまうが、GoProに一瞬映る室内に立てかけてあるガラス戸には、無数の顔が浮かんでいた。
その後、再度その部屋を訪れた時には空き部屋になってしまっていた。
感想
さっきまで歩いていた人物が木でできていた。不気味でわけのわからない恐怖感が伝わります。傀儡(くぐつ)とは操り人形のことで、よくアニメや漫画とかで能力者が操って敵と戦わせたりしていますよね。
エピソードが長い割には恐怖度は小粒ですが、雰囲気はなかなか不気味で、つかみはOKです。
14 タイジ(怖い)
概要
大学の教授が定年で退官するというので、ゼミ生の米島さん達は定年記念パーティーで流す、メッセージビデオをを製作することになった。だがその中に、どのゼミ生も全く知らない女性のメッセージが紛れ込んでいた。この女性のメッセージは、最初こそ礼儀正しい無難な感じであったが、徐々にこの教授を糾弾するような口調になっていく。話の内容から、どうやらこの教授に性的な暴行を受けたようだった。
だがおかしな点があった。まずこの女性の映像のみ画面の縦横比が4:3のままで、今現在の映像規格、16:9ではなかった。また、女性の姿が不気味に変化するのである。噂を聞きつけてやって来たこの教授に映像を見せたところ、顔色が変わり、「誰がこんないたずらを」と激怒してしまったそうである。その後開かれたパーティーに出席したOBから、15年前に教授と揉めていた大学院生に似ていることが分かった。この女性はその後大学を中退してしまい、今は消息不明である。
ここで問題の映像が紹介される。無機質な壁を背景にカメラに正面を向き、無難な挨拶から始まる彼女のメッセージは、教授に対する恨み言を連ね、自らの心境を落ち着いた様子で吐露する。「私の事、絶対忘れないでくださいね」と笑顔で言い放った直後、何処からともなく不気味なうなり声のような声が響く。そして、画面がオレンジ色の光に包まれ、この女性の頭が胴体から離れて傾き、首がひしゃげたようになる。先程まで微笑を浮かべていた表情は打って変って無表情になり、こちらを睨みつけているようである。映像はすぐに元通りになり、この女性の「私、一生先生について行きますから」という呟きで映像は終わる。
米島さんはもう一つ不可解な点として、この女性の映像の冒頭の撮影者らしき音声を挙げる。この声は自分の声だというのだ。だとするとこの時、彼女はこの映像の女性と対峙していたということになる。ここでその場面の映像も紹介される。米島さんはこの女性に共感する気持ちをインタビューで語った。彼女もこの教授からのセクハラを受けたことを示唆する発言があったが、詳細については固く口を閉ざしてしまった。
さらにスタッフはあのオレンジ色に光の中に何かが写っていることに気が付く。オレンジ色の3枚の画像を組み合わせると、羊水の中に浮かぶ胎児の姿が現れたのである。
「〇ねばいいのに」最後にそう呟く米島さんであった。
感想
「タイジ」って何のことかと思ったら「胎児」だったのか。立場を利用したセクハラ、というかこの場合は強〇ですが、地獄に落ちろと思いますね。本当に〇ねばいいのに。
フィクション(多分)にいきり立ってもしかたないんですけどね。まあフィクションじゃなかったら、この鬼畜元教授はこの女性に「一生憑いて」いかれるのだから「ざまあ」なんですけど、被害者は救われないね。
映像的にはフェイク臭さが鼻についてそんなに怖くないのですけど、この女子学生に共感するのと、復讐の仕方が効果的かつ凝っていて、ストーリー的に興味深いです。同じような目に遭い、あい通じる感情のある米島さんとシンクロして、15年来の恨みを晴らせたわけですから。この元教授が部屋の隅で頭を抱えてプルプル震えていることを希望します。
ただ、米島さんはこんな目に遭わされた教授の退官パーティーのメッセージビデオとかの作成によく関わる気になれるよね、とは思いました。あまつさえパーティーにも参加しているみたいだし。
15 近づく声、遠のく声(かなり怖い)
概要
投稿者梶原さんは、女の声が聞こえるという心霊スポットのトンネルへ、友人ら男女3人で肝試しに出かけることになった。そろそろとトンネル内に潜入する彼らであったが、友人の男性、遊佐さんが突然梶原さん達の背後を見つめ、怯えたように踵を返してトンネルの出口に走り去ってしまった。
追いかける梶原さん達だが、出口から少し離れたところに立っている彼を見つける。遊佐さんは思いのほか落ち着いた様子で、何者かの足音を聞怖くなって逃げだしてしまったとバツが悪い様子であった。この時の映像にはそのような足音は記録されていなかったが、それとは別に「聞こえた?」という女性の声がかすかに録音されていた。
一見、何ともなさそうな遊佐さんであったが、彼は手に旧型のiPodを握りしめていた。梶原さんの指摘に、道に落ちていたと事もなげに語るが、遊佐さんは梶原さん達の懸念をよそに車に持ち帰って聞いてみようとか言い出す。なんだか、さっきまでの落ち着いた様子は影を潜め、急に妙にテンションが高くなっている様子である。
このiPodの電源は生きているようであった。彼らは戻った車の中で、カーオーディオにiPodを接続し、聞いてみることにする。それは女性とも男性ともとれる音声のようである。何かを絶叫しているようだが、音声は歪みまくって何を言っているのかは聞き取れない。その声は次第に大きくなり、車の中はこの声の狂気に支配されているような、異様な雰囲気になる。梶原さんはiPodの音声を切ろうとするのだが、何故か反応せず止めることができない。運転席に座る遊佐さんの姿をカメラがとらえるが、彼はいつの間にか正面を凝視しており、音声に合わせて口をパクパクさせている。まるで遊佐さんがこの絶叫を発しているかのようだ。
その時梶原さんはバックミラー越しに何かを見つける。カメラがリアウインドウを向くと、そこには不気味な女の顔があった。そこで不意に音声が止まったが、運転席の遊佐さんの姿が消えている。間髪入れず、車の外から先程の女が姿を現し、猛スピードでこちらに突進してくる。そして車のドアも何もかもをすり抜け、消えてしまったようである。翌朝、梶原さん達が気付いた時には夜は明けていた。遊佐さんは車外の少し離れたところで気を失っていたという。だが、彼はトンネル内で逃げ出した時からの記憶はなかったそうである。
その数週間後、意識してかどうかわからないが、遊佐さんがあのiPodを自宅に持ち帰っていたことがわかる。さらにこの音声を繰り返し聞いていたというのだ。彼によれば、この音声は聞くたびに小さくなってきているとのことであった。梶原さんは遊佐さんからこのiPodを預かったが、怖くて聞けないので、取材班が確認することになった。しかし、音量が変化するようなことはなかった。しばらくして梶原さんから、遊佐さんが突発性難聴を患ってしまい、両耳がほとんど聞こえなくなってしまったという知らせを受け取る。音量が小さくなっているのではなく、彼の耳が次第に聴力を失っていたのだ。
ここで以下の警告テロップとカウンダウン3秒の後、この音声が紹介される。
これから問題の音声を最後までお聞かせします。長時間、繰り返し聞くことによって、何らかの霊障をもたらす危険性もありますので、くれぐれも自己責任でお聞きください。
iPodの音声を直接聞くと、この声は男性のようである。叱責しているような、狂気じみた罵倒のようなその声はだんだん大きくなる。歪みまくって何を言っているかは全くわからない。時折女性の短い悲鳴のような声も聞こえる。雑音とともに音声は終了したかと思いきや、「まだ聞こえてんだろ」と先ほどとは打って変わった明瞭な男の声で終わる。
感想
梶原さんの遊佐さんを呼ぶ声がうるさい(笑)。彼も怖かったんでしょうね。
さて概要が長くなってしまいましたが、かなーり怖かったです。評価を「めちゃ怖い」にしようか迷ったほどです。ですがどうも映り込む女性の顔が、演じている生身の人間にしか見えなかったためにこの評価になりました。とは言っても、慣れていない人にはかなり衝撃的エピソードだと思います。
前巻の「赤いキャップ」でゆっくり迫ってくるけど怖い、という話を書いたのですが、それに対してこちらは、「タタタタッ!」という足音と共に、とんでもないスピードで迫ってくるので、かなりびっくりさせられました。やっぱり速いのも怖いですね(笑)。
また音声もけっこう怖いです。何言っているのか聞き取ろうと耳を澄まして集中していると、最後に素の声で「まだ聞こえてんだろ」っとと言うセリフが来てぞっとさせられますね。狂気じみた罵倒は「ほんとにあった!呪いのビデオ」の名作、「ニューロシス」を彷彿とさせます。
16 親近感(少し怖い)
概要
投稿者で髪の毛が薄い木島さんは廃墟マニア。彼のTwitterのつぶやきに「いいね」やリツイートしてくれる「いつき」と言うアカウントがあった。ある日その「いつき」さんから、ダイレクトメッセージが届く。その内容は「〇〇でお会いした時は大変嬉しかったです」というもの。だが、木島さんは〇〇と言う廃墟で「いつき」さんと会った記憶はなかったうえに、そもそもこの人物とは面識すらないというのである。彼はそのメッセージに対して「どういうことか」とリプを飛ばすが、反応はなかったという。2~3時間待ったら返事があるかと思いきや、「いつき」さんのアカウントは既に削除されてしまっていた。
そこで木島さんは、その〇〇で撮った映像を確認してみることにした。実はその映像はまだ整理しておらず、木島さんが見るのは今回が初めてだったのである。そこには不可解なものが記録されており、別に撮影した写真にも不思議な発光体のようなものが写っていた。よくよく考えると「いつき」さんにフォローされたのはこの廃墟を訪れる直後の事であった。木島さんは気になって後日その廃墟を再訪するのだが、その際には既に取り壊されてしまっていた。近所の人に聞くと、その取り壊しの日は丁度「いつき」さんのメッセージが来たあの日であったことが分かる。
ここでその映像の問題の部分が紹介される。廃墟内を散策する木島さんが、クラシカルな自動車をかたどったベッドのある部屋のドアを開けたところ、そこには似つかわしくないランドセルを背負った少年の姿があったのである。木島さんはこの映像を見て少々がっかりした様子。Twitterに投稿されていた文章から何故か若い女性を想像していたらしい(苦笑)。
このインタビューから4か月後、本作品への収録直前に差出人不明の1本の動画がスタッフに届く。内容から、差出人は投稿者の木島さんのようであったが、映像は奇妙で不可解なものであった。
それは廃墟の写真プリントを机に置き、8時間にもわたり撮影し続けたものであった。インタビュー時に見せてもらった写真とは異なるもので、あの部屋のベッドのヘッドボード部分を写したもののようである。そのヘッドボードに取り付けられている鏡のようなものの1つに、少年の横顔が写り込んでいる。8時間後に子供笑い声、さらに「おもしろい?」という木島さんらしき声がする。写真の中の少年の顔が動き出し、こちらを向いた瞬間、SDカードの容量限界により映像は終わる。少年の右半分は欠損しているようにも見え、少し口を開けて何か言いたげであった。
その後木島さんとは連絡が取れなくなってしまった。
感想
木島さんの話の時系列が分かりにくかったので整理してみました。と言うのも「『いつき』さんからよく、「いいね」やリツイートされるんですよ」という話から、結構長い間フォローされているのかと思いきや、あの廃墟を訪れた直前に初めてフォローされて、メッセが来て、アカウントが削除されて、再訪したらこの廃墟もう無かったとか慌ただしいな、と思ったからです。
- 〇〇と言う廃墟を訪れる
- 「いつき」さんにフォローされる
- その後、他の廃墟のツイートに「いつき」さんからの「いいね」やリツート
- 突然メッセがくる、その時に廃墟は取り壊し
- この時点でやっと映像を確認
- その廃墟を再訪して木島さんは廃墟の取り壊しを知る
こんな感じですかね。自分がいる廃墟に来てくれた優しそうなおじさんを慕い、生前の天才的なITスキルを駆使してTwitterのサーバーをハッキング、携帯端末も無いのに木島さんのTwitterアカウントをフォローする「いつき」君。だが、廃墟が取り壊されることになり、最後のあいさつにとダイレクトメッセージを送った……とここで終わっていれば切ない話で終わったんですけどねえ。
廃墟の写真を延々と写した映像ですが、最初何が写っているのかよくわからなくて戸惑いました。この写真、ベッドの枕元部分の板「ヘッドボード(ネットで名称を調べちゃったよ)」を写したものらしいと分かるまで時間がかかりました。ましてや後ろの壁には全裸の女性の変な絵がが掛っているし。
写真の光沢に何か影っぽいものが動いたり、「バン!バン!」とか音が響いたりと、写真が置いてあるテーブルの周りで、「いつき」君とそれに「憑り」込まれた木島さんが何か動いている様子が想像できて、けっこう怖かったです。
2021年6月20日追記
自分で時系列まとめておいて矛盾発見。「いつき」さんが木島さんをフォローしたのは廃墟を訪れる前なんだから、「自分がいる廃墟に来てくれた優しそうなおじさんを慕い…」のくだりはおかしいですね。やっぱり木島さんは「いつき」さんに誘われて廃墟を訪れたのか…
2021年6月20日さらに追記
みっつさんより教えていただき、廃墟を訪れた後にフォローされたようです(時系列修正済み)。
あと、サブタイトルの見出しが抜けていました。失礼いたしました。
17 次はお前だ(ほんの少し怖い)
概要
女子高生の竹平さんが、友人の佐々木さんとともに自撮りの映像をアプリで編集してイメージビデオを作ったら、電柱の陰に不気味な男が写ってしまった。
よせばいいのに、わざわざ夜に現場に訪れたら、その電柱には花が手向けられていた。そしたら、もう一人の子がスマホの画面を見つめて狼狽している。その花からスマホのカメラを上にゆっくりティルトしたら、やっぱりあの男が写ってた。とにかく現場から逃げ出す。
翌日からスマホ見て狼狽していた佐々木さんは学校に来なくなり、自殺未遂を繰り返すようになってしまい、入院してしまった。その後、竹平さんが調べると、佐々木さんが、あの日、あの時間に動画投稿サイトに不気味な映像をアップしていた。それは佐々木さんがブツブツ言いながらカメラ凝視して、「お前だ、次はお前だ」とか繰り返し呟いているものであった。
感想
彼女らのイメージビデオを見た感想。若いっていいねぇ(ため息)。
「やっぱりやめよう怖いよ」という、佐々木さんの本能が訴える、その感情に素直に従っていればこんなことにならかなかったのに、と思いました。ですが男の顔がそんなに怖くない、というかやっぱり生身の人間が演じているように見えてしまい、恐怖度は小粒です。
18 バラバラ(少し怖い)
概要
投稿者、池田さんは友人の小野寺さんが、アジア諸国を旅行した際に露店で購入した海賊版DVDをお土産に買ってくる。池田さんはそのDVDのエンドロールのところに奇妙な映像を発見する。いくつかのとりとめのない映像を細切れにしてバラバラに編集したような感じであった。小野寺んに聞くとそのDVDは中国のどこかで買ったと記憶もおぼろげであり、また彼もそのDVDは視聴したが、おかしな映像については気が付かなかったそうである。
ここでその問題の映像が紹介される。
外国映画のエンドロールの途中で映像は乱れ、直立不動の不気味な様相の女性、無機質な小部屋で何者かの陰に怯える男性、露店の風景、これらの映像が短くカットされ、前後関係バラバラに編集されているようだ。
映像発見からしばらくして、小野寺さんが駅のホームから電車に飛び込み、自殺してしまったとの知らせが、彼の両親から入る。社交的であり、ひとりで海外に旅行に出かけるような、行動力に溢れていた小野寺さんが、自殺とは考えられないと池田さんは語る。
池田さんは葬儀の場で、小野寺さんの両親から彼の部屋を訪れた際の様子を聞くことができた。部屋は荒れており、パソコンは着けっぱなしで、そのパソコンでは数本の動画が開いていたそうだ。両親の依頼で池田さんがその4本の動画を確認すると、あのDVDに入っていたバラバラの動画を繋ぎなおして時系列順に正しく編集したもののようであった。
さらに部屋の隅に木で出来た人形のようなものが横たわっていた。いくつかの木や枝を束ねて等身大の人の形にしたものだったそうだ。その人形には小野寺さんの服が着せられていた。
小野寺さんがあの映像を再編集したのであろうか。そしてその行為が、霊障を呼び込むきっかけになったのであろうか。
ここでその再編集した映像が、以下の警告テロップ(句読点、改行位置調整済み)とカウントダウン(10秒)の後に紹介される。
これより小野寺さんが残した映像をお見せします。私達が信頼を寄せる霊能者に話を伺ったところ、特に四本目の映像に強い怨念を感じるとのことです。
また、専門家によると、映像中に聞こえる音声は、タイ語や朝鮮語など、いくつかの言語が混在している可能性が高いとのことです。
くれぐれも自己責任でご鑑賞ください。
映像①
どこかの国の露店の様子。終始くぐもったノイズ音が聞こえる。カメラはせわしなく上下左右に揺れ、このカメラアングルにいったいどのような意図があるのかはよくわからない。
映像②
ただの砂嵐ノイズ。砂嵐にしては多少カラフル。途中ブチブチノイズ音あり
映像③
配管むき出しでコンクリート壁の小部屋で男性が膝を抱えている。男性の周りに得体のしれない影が纏わり付き、そのたびに男性は怯えて声を上げる。終始激しいノイズ音。
映像④
目に黒目が無い不気味な女性が左右にゆっくり揺れながら立っている。何かうめいている、あるいは呟いているような声も聞こえる。女性はこちらへの視線を崩すことなく、顔に手をやり、仮面を脱ぐようの動作をする。その顔は本当に仮面であったのか、脱いだその中にはもっと大きい白目の不気味な顔が姿を現したところで映像は唐突に終わる。
感想
小野寺さんの部屋って、「傀儡」のあの部屋じゃん!奥の部屋でぴかぴか光っていた明かりは、着けっぱなしのパソコンだったのですね。
ここで1番目のエピソードにつながるとは憎い演出ですね。そんなに都合よく、同じつながりのある別の事象が「呪われた心霊動画XXX」スタッフに投稿されるわけないじゃんっ、て思いますけど、面白いからあまり気にならなかったです。
4本の動画の中では「映像④」がやはり一番怖いですね。でも作り物感があり、思ったほどではないです。
感想まとめ
冒頭で書いたように、矢継ぎ早に繰り出される2段、3段構えの事象の連続で十分楽しめました。
ただ「ほんとにあった!呪いのビデオ」の傑作エピソードのように、「これひょっとするとガチなのかも」と思わせるような、異世界感、この世のものじゃない感といった、禍々しさみたいなものが若干希薄な気がします。そんなことは理解した上で楽しむべきものなのはわかっているのですが。
それでもけっこうおもしろくて怖いので今後に期待できます。エピソードでは、「近づく声、遠のく声」、「親近感」が印象に残りました。
コメント
以前に観たこの作品をGYAOで見返してみましたが
『親近感』(記事中にそのタイトル項目と評価が抜けています)ですが、時系列は投稿者がその廃墟へ行った後にTwitterフォローされたようです。
「問題の廃墟を訪れた直後に いつきさんと知り合った…」という字幕の画面も46:53の箇所にあります。
みっつさん、ご指摘ありがとうございました。最初の解釈で間違っていなかったということですね。
サブタイトルは追記した時に消してしまったようです。失礼いたしました。
今回のバラバラの仮面を脱ぐ女とxxx4のラブホテルのxxxの会社に来た投稿者の洋服が同じ気がします。
ケンケンさん、コメントありがとうございます。
ちょーっと待ってくださいね。怖いので(笑)明日の昼間確認しますね。
確かに似ていますね。
何れも花柄のワンピースですが、XXX2の女は黒字に白い花柄、事務所に突撃した女(飯沼さん)は白地に黒っぽい花柄なので、同じとは言い切れないかも。ただ、XXX2の不気味な女は前が黒く潰れて不鮮明なので、白地に黒い花柄と見えなくもない。いずれにしても似た服装なのでつながりを示唆していると解釈が可能ですね。
13巻のコメントで話題にした例のブログで、『傀儡』の11分あたりにガラス戸で作った囲いのようなものの中に「中腰でお面を付けたような霊がいるのにスルーしてる」との指摘があったんですが、、見えますか?
(私には見えません。けれど自分は何巻だったかのコメントで指摘された『水音』の水辺の草むらにうごめく手も何回見てもわかりませんでした…)
みっつさん今晩は
「傀儡」はわかりませんでした。なんか仮面のようなものが置いてあるような気もするのですが、中腰の人物は認識できません。
「水音」は「XXX7」ですね。GYAOのカウンターで35:24あたりで、水面と雑草の境目ですが、ちょっと薄いです。
>「傀儡」はわかりませんでした
そうですよね。。
>35:24あたり
やっとかすかに見えたような??
でもこれは、ススキか何かの草の動きが手のように見えたのではないかなぁ…
「隠し事象」というのは『ほん呪』には時々ありましたが、このシリーズではエピソード間の関連を示す小道具的要素は色々散りばめられていても、メイン以外の心霊現象に敢えて触れないというのは今のところ13巻『歩く自殺者』の女子高生の顔だけかな、という感じです。あれも「明らかですぐにわかるから」スルーしたように思えます。
僕の目では何本かの指が確認できます。右手だと思います。
薄くてめちゃめちゃ一瞬なんですけどね。
繰り返し見ているとなんか自信がなくなってきました(笑)。
ただ仕込みだとするなら、視聴者に見つけてもらおうとはしていないな、という感じがしますね。