はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ15」です。とても有名な映像「ニューロシス」が登場します。また、前回強烈な個性で、視聴者を魅了した「藤屋敷隆志」氏の最後の出演作品でもあります。
事故(怖くない)
概要
公園でお互いを撮影しあっていた投稿者とその友人。途中撮影を交代し、友人が投稿者を撮影することとなった。その友人は撮影に夢中になり、うっかり道路に出てしまう。衝撃音と共にカメラは2度3度と回転し、画面が激しく乱れて映像は終わる。そう、友人は車に轢かれてしまったのだった、それも何回も。
その映像の乱れの中に、こちらを見つめる目が写り込んでいた。
この道路では、交通事故が多発している。ある加害者の話では、道路上にいる人は見えなかったとの証言もあった。奇しくも今回の映像でも、道路脇の添えられた花束が確認できる。
感想
インパクトがあり、冒頭のつかみとしてはなかなかです。ただ、事故にあった友人が、はねられたのか、惹かれたのか、怪我の程度はどうなのか、生きているのか、まったく情報がないのであまりリアルに感じません。
はねられたのなら、カメラはもっと遠くに飛ばされていそうですし、3回も轢かれたなら、もっと凄い音(潰された音、車がバウンズする音)がするような気がします。写り込んだ目もなんだか合成っぽくて怖くありません。冒頭に添えられた花束が、画面の端に見え隠れするなど、雰囲気はバッチリなんですけど。
責任(怖くない)
概要
先輩に強く誘われて訪れた、ボロボロの廃墟。インタビューによると、その先輩はカメラ片手に「責任…責任…」とつぶやき始めたそうである。他の会話はできているので、おそらく無意識につぶやいていると思われる。そして先輩の撮影した映像に、階段を降りる自分の後ろに何者かが写り込んだ。これ以来、先輩とは連絡がつかなくなってしまったという。
藤屋敷と横田は雪道の中、その廃墟を訪れる。経年で床は腐っており、横田は床を踏み抜いてしまった。
感想
インタビューと取材のみで、肝心の投稿映像は後半に続きます。インタビューはいつものファミレスではなく、なぜか新宿のバスターミナル近くに路駐した車の中で行っています。外は雨模様で、なかなか良い雰囲気を出していると思います。タメ口の藤屋敷ではまずいと思ったのか、今回は横田氏が投稿者と受け答えしていました。でも、藤屋敷氏は運転席でタバコ吸ってましたw。
現地での取材で、大変ふくよかでいらっしゃる横田氏が、床を踏み抜いてしまったのには笑ってしまいましたが、それを助けようとした藤屋敷氏もいっしょに穴に落ちているのには、さらに笑いました。
尚、この廃墟は「山中湖高原ホテル」という施設だったらしいです。国道413号線(道志道)の山伏峠の近くで、山中湖からはだいぶ離れていますね。廃墟になってしまった理由がなんとなく分かる気がします。いい感じの廃墟ですが、所々に寒いダジャレが落書きされているのに目がいってしまいます。
「イカがイカッタ」w
夜の買い物(ちょっと怖い)
概要
アダルト書籍の自動販売機。投稿者がそれらを吟味している映像に、自販機の中から両手を広げ、まるで助けを求めているような人影が姿を表す。
感想
絵面はちょっと怖いんですが、合成くさいですねぇ。よりにもよって、そんなところにでなくとも、と思いました。
新年鍋(怖い)
概要
友人たちとの新年会。鍋を囲む団欒の風景である。テーブルを開けるため、端に寄せたビデオカメラは撮影を続けていた。ちょうど伏せたステンレス製のボウルが置かれており、部屋の様子が反射している。そこには天井に届かんばかりの大きな人影が2体確認できる。しばらくすると1体は後ずさるように姿を消し、もう1体は次第に薄くなり、消えてしまった。いったい何が部屋を見下ろしていたのだろうか。
感想
なんとも言えない黒い輪郭が怖いですね。なにか別のものが反射して、偶然そんな形に写ったというものでもなさそうです。動くし、消えたし。
しかしながらこの鍋、ちゃんと煮えてるんでしょうか?全然沸騰していないので、なんか、でっかいつけ麺のタレを、みんなでつついているように見えるんですけどw
夜釣り(怖くない)
概要
川に夜釣りに出かけた親子は。遠くに光るものを見つける。それはふわふわと浮かぶ白い手首であった。
感想
白く光る、ビニール手袋みたいなものが浮いています。ただ、カメラが下手くそすぎて…やたらズームはするし、ブレまくりだし、ピントはずれまくりだし、見ていてイライラします。
こういう時はまずズームアウトして対岸や手前の人物を画角に入れて、距離感やスケール感がわかるようにして、徐々にズームすればいいと思うんですが。まあ、プロじゃないんで仕方がないんでしょうけど。だから、慌てて狼狽している感は良くでています。
また、この手首なんですけど、ぶらさがっている上の方が、完全見切れて写っていないのも、なんだか怪しいなぁと感じてしまいます。
ただ、なんか遠くに浮かんでいるっていうのは、僕は結構怖いと思うんですよね。あの光る手の全体が写っていたら、と思うとちょっと惜しい感じがします。
責任・後編(怖い)
概要
スタッフの取材風景の後、投稿映像が紹介される。
投稿者からカメラを預かり、その姿を撮影する先輩。探索に入ってしばらくすると、その先輩は「責任…責任…」とつぶやき始める。
階段を降りる投稿者の後ろに、スカートを履いた、女性と思しき人物が近づいてくる様子が映し出されていた。カメラが他を向き、再び投稿者に向いた時には、女性の姿は消えていた。
感想
陰気な廃墟の雰囲気の中で、投稿者にゆっくり近づいてくる女性の姿はそれなりに不気味です。かなりはっきり写っているのでそこに本当に人がいるようにしか見えません、顔までは見えませんが。でもすぐに消えてしまうので、やっぱり人じゃないんですよね。
自転車置き場(怖くない)
概要
自転車で草野球から帰る二人。すっかり暗くなった自転車置き場までたどり着き、ほっと一息つく。その背後の壁に人影。
感想
これほど何が写っているのかわからないのも珍しいです。いや本当にわかりません。
2020年1月26日追記
「ほんとにあった!呪いのビデオ」のワースト10に入るかという、このエピソードを、事もあろうに「怖い」にカテゴライズしてしまいました。完全なミスです。申し訳ありません。みっつさんのコメントによる指摘で発見しました。みっつさんありがとうございます。
豪雪(怖くない)
概要
ドライブ中突然の大雪に遭遇してしまった様子。慣れない雪道を走っていると、前方から複数の影が迫ってきた。
感想
複数の影とか言われても、僕にはなんか柵みたいなものにしか見えません。
トンネル(怖くない)
概要
原因は明かされず、工事途中で放置されたトンネルに進入。白い人影が写った。
感想
薄い。本当に薄い。なんだかわからん。スタッフが見つけたという人影は結構はっきり写っているのですけど。
ここはwikipediaによると、「旧山伏トンネル」だそうです。ネット上にあるレポート写真を見ると間違いなさそうですね。ここは未成トンネルなどではなく、単に新道に切り替わっただけのようです。国道413号線(道志道)の山伏峠を貫いていたトンネルで……
ん?
なんか「責任」の廃墟に近くね?
あれ…………?
ニューロシス(めちゃ怖い)
概要
親が所有する別荘に遊びに来た高校生風のふたり。何を思ったのか近所の閉鎖された遊園地に潜入する。昨晩降り積もった雪があたりを白銀に染め、快晴の凍てついた空気と相まって、広い施設内にポツンと二人だけの風景は、一抹の寂しさも感じさせる。
彼女らは何の気なしに、迷路が鏡になっているミラーハウスに入り込んでしまう。面白半分に、暗いミラーハウスを奥まで進む彼女達であったが、遠くから何やら女の怒鳴り声がすることに気がつく。少し不安に苛まれる彼女たちのひとりの足を、何者かの手が掴み、思わず鋭い悲鳴をあげる。それをきっかけにしてか否か、その醜悪な怒鳴り声はだんだん近づいてきているようである。
声の主はおそらく母親。子供を激しく叱責している様子である。怒鳴り声の合間に、泣きじゃくる子供の声も聞こえ始める。恐怖を感じた彼女らは逃げようとするが、ミラーハウスの迷路では、それがままならない。
とうとうその声は、すぐそばまで来ているかのように、これでもかと言わんばかりの大音響となる。折檻されているのか、子供の泣き声はもはや悲鳴である。ようやく外の明かりが見え始め、脱出に成功するも、いつの間にやら怒号と悲鳴は止んでしまっていた。
感想
以前レビューしたものを再レビューしました。
ほんとにあった!呪いのビデオ 私的BEST10 リニューアル版(ネタバレあり)
前のレビューは記憶だけで書いているので、誤りもありましたね。彼女たち以外の足跡はなかったと書いてしまっていますが、他の足跡もありました。逆にこの足跡は誰がつけたんだ?という疑問もわくのですが…管理している人でもいたのでしょうか?
見直して印象に残ったのは、取材風景の絵作りがかなり凝っているなあと思ったことです。夕暮れ時を選び、カメラを斜めに傾け、わざわざ道路の反対側から望遠レンズで寄って撮影。だからインタビューの最中、直近を車が轟音でで走り去る。バックには工場の煙突から立ち上る煙がシルエットになっていて、黄昏時の異世界感がよく出ていると思います。ただここまでやっておきながら、左にスタッフの誰かが(横田氏?)見切れて写っているのはご愛嬌w
前も書いたんですが、今回は声だけ。映像に怖い何かが写っているわけではありません。それなのに、これだけの恐怖を感じるのは、その叫び声の激しさにあると思います。フェイクだとしても超名演技。子供の泣き叫ぶ声も、尋常ではないもので、とても演技とは思えない。ひょっとしてこれは「ガチ」なのでは、と思うほどです。
ニューロシス(Neurosis)とは、かつて精神医学で用いられていた言葉で、神経症のことですが、最近は病状が細分化され、この言葉はあまり使われていないそうです。
エピローグ(怖くない)
概要
前回に引き続き、黒狐と名乗る手紙が届き続けている。最近(当時)は、青狐、赤狐、紫狐とか、エリカ・フォンティーヌとか黒カグヤ姫とか名乗り始めた。
感想
懐かしいですねー「エリカ・フォンティーヌ」。サクラ大戦3ですねw
尚、「Special6に続く」とのテロップが流れますが、「Special6」は製作されませんでした。黒狐編は後の本編で語られます。ひょっとすると、このテロップは現在のDVD版では修正されているかもしれません。
感想まとめ
この巻は「ニューロシス」につきますね。雰囲気だけでもこれだけ怖いというのは新たな発見でした。ただ、これ以外は微妙な映像が多かったですね。強いて言えば「責任」「新年鍋」が結構怖かった気がします。
藤屋敷氏も今回は控えめなのがちょっと残念。「ニューロシス」のインタビューシーンとかは、良い雰囲気が出ていたと思いますが。
また、坂本一雪氏監督(演出)の最後の作品です。びっくり演出などの、投稿映像と関係ないところでの一工夫は、あまり評判が良くなかったかもしれませんが、俯瞰してみると結構楽しめた感はありました。
コメント
えーっと…わけのわからない『自転車置き場』の評価が「怖い」になってますが??
実はたった今、自分が観た50番台までを対象に、自分なりのほん呪ベストとワーストを選んでみたとこでして
このエピソードがワースト1位です。私も全くわかりませんw
ワースト5はこんな感じです↓
1.自転車置き場
2.監視カメラ~ATM(Special5)
3.運動会(8)
4.介護(59)
5.からみつく(57)
上位3つは見ても全くわからないもの(これ以外にも『区画整理』とか、もはや記憶にもない『樹霊』(17)とかも、まとめてぶっこんでもいいですw)ですが、3位の『運動会』が観てすぐにダメなのがわかるのに対して、上の2つは何度も見直して結局時間をムダにした分上位にあります。それに対して下の2つは「完全に人間じゃねーか!」と思った作品です。
>わけのわからない『自転車置き場』の評価が「怖い」になってますが??
しまったあぁ〜!!、これを「怖い」にしてしまうのは一生の不覚(涙)。
なんということだ!すぐ直します。
僕的には「樹霊」が「運動会」の前ですね。「介護」「からみつく」に関しては、ごめんなさい、全く覚えていません(笑)。レビューするときには、改めて見直しているので思い出すでしょう。
パル企画がyoutubeにアップしているほん呪のエピソードを見直したところコメントで指摘されていたんですが…
この巻収録の新年鍋にて問題の怪異の他に白い男性の背後に(つべの動画の40秒あたりに)黒のスーツ姿?の何かがいるように見えるんですよね
これに気づいたときはゾッとしました…
黒swさんこんにちは
Youtubeで40秒あたり、上半身は見えないものの、確かにスーツを着た男性が立ちすくんでいますね。あの状況では場違いな感じがして、ちょっと怖いですね。
あと、33秒くらいから鍋の背後に黒い服の人物が立っている(手が見えている)のも発見しました。元からいる登場人物なのか、ちょっとこれは判別がつかないのですが…
とにかく情報ありがとうございました。
手には気付きませんでした…
一体誰なんですかね…
最早新年鍋は問題の箇所よりも別のところが怖いです
あと取り残された座敷わらしとパリ観光にコメント欄で指摘がありました
あの場にスーツ着た男が立っているはずないですからね。なんか家の主人の背後に闇を想像させます(笑)。
Youtubeのコメントの情報もバカにできませんね。チェックしてみます。
YouTube『新年鍋』のコメント指摘の現象についてここへ来てみたら
もうすでに報告されていましたね(笑)
このエピソードは怖いと言うよりは非常に不可思議で面白く、とても気に入っていたんですが
新たに指摘されてる40秒の所は「怖い」です。謎の人物、黒過ぎて異様です。
他のコメントにもありますが、これがもし作られたものであるのなら素晴らしいセンスですね。
最近の、色々と趣向を凝らしているようなほん呪作品に欠けているのは、こういうセンスなのかもしれない、という気もします。岩澤時代を懐かしむ声は多いですが、自分にとってはNo.12あたりからの10台20台がほん呪の黄金期(第一次)と思えます。
フェイクだとしたら本当にさりげなくぶっこんできますよね。そう考えると「新年鍋」というタイトルも秀逸です。プライベートな新年会に絶対あり得ない状況が強調されていますから。
>自分にとってはNo.12あたりからの10台20台がほん呪の黄金期(第一次)と思えます。
全く持って同意します。今から考えれば岩澤時代から演出が派手目になった気もします。
このやりとりをしている間に昨日『ニューロシス』がアップされました(((゚Д゚;;)))
あらためて観て思うのは、この作品は音声だけだからこそ成功したんだなと。
現実世界では一番見たくないし、耳にもしたくない幼児虐待現場ですが
(それを映像化して失敗したのがNo.20の『添付された呪い』)
聞くに堪えないものを心霊現象と結びつけて恐怖に昇華させた手腕は見事です。現象は近づいては来るけど実体がなく襲ってはこない、そこから逃がれようにもあの場では逃げ方がわからないという点も非常に巧みで、「あれは一体なんだったんだ」という不可思議な想いが後に残り続けます。
ところで、家の近くのアパートの前を通りがかったら、一室から親子のあのような声が聞こえてきたことがありました。幼児の声は泣きながら必死に謝っていて母親は怒鳴りまくり。あまりに嫌な感じだったので警察に幼児虐待かもしれないと通報しました。
それから一週間くらい後にそこを通りかかったら、部屋はもぬけの殻になっていました。
あれはなんだったんだという感じです。
>このやりとりをしている間に昨日『ニューロシス』がアップされました(((゚Д゚;;)))
なんと!大盤振る舞いですね。
>あらためて観て思うのは、この作品は音声だけだからこそ成功したんだなと。
全く持って同意しかありません。
>ところで、家の近くのアパートの前を通りがかったら…
>あれはなんだったんだ…
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
管理人の方、他ホラー好きな皆様初めまして。
呪いのビデオ関連でネットを彷徨っていて、たまたまこちらのサイトを見つけました。
『新年鍋』について皆様で盛り上がっていたので再度動画を確認してみたのですが、個人的には、33秒あたりの鍋の後ろに立つ手の人影はキッチンから具材を持ってきた奥さんで、40秒あたりの白い服の男性の左側奥に立つ黒い人影は、後半白い服の男性の左隣に座っている奥さんが、その時偶然立ち上がっていただけなのでは?と思いました。飼っている犬が騒いでいる様子もないし。
ただ、それを差し引いても、鍋に映り込む2人の人影の雰囲気の不気味さはやはり印象に残りますね。
こちらを覗き込んで頭部が大きくなり、その顔がなんとなく笑っているように見える様など、非常に印象的です。
ただ一つ残念なのは、この現象が起きている最中にはまったく反応せず(なんなら背を向けて敢えて見ないようにしている風にも見える)、現象が消えたと同時にそちらを向き、カメラを窓側に動かす白い服の男性の動作。
これがなんだか、やらせ臭さを倍増させているように思えて、残念でなりません。
あと、やっぱり全然反応せず寝てばかりの犬笑
何かの気配を察して、吠えてみたりして欲しかったですね。
初投稿で長々と語り、失礼致しましたm(._.)m
これからも拝見させて頂きます。
ホラースキーさんこんにちは。
>33秒あたりの鍋の後ろに立つ手の人影はキッチンから具材を持ってきた奥さんで…
そうか。具材を入れていた片手鍋が空くのを待っていたんですね。手を動かさず、ぼうっと立っているように見えたんで、異様な感じがしましたが、何かを待っている場合はそんな感じになるかもしれません。
>後半白い服の男性の左隣に座っている奥さんが、その時偶然立ち上がっていただけなのでは?
なるほど。確かにこの女性の席はそのとき空いています。とことこ歩くイッヌに道を開けているとも見えます。
何回か繰り返し見てあれ?と思ったのは、白い服の男性がこの家の主。その奥さんはカウンターキッチンにいる。男性の隣の女性は誰なんでしょう。まあ、友人、兄妹とかそんな感じなんでしょうけど。
>なんなら背を向けて敢えて見ないようにしている風にも見える…
この解釈は新鮮です。ホラースキーさんはやらせ臭いと感じたこのシーンですが、この男性は背後に何かいると感じたのかもしれない。気配が消えたものの、レンズが向いているボウルに写ったかもしれないと感じて、遅まきながらカメラを動かした…なんて想像もしちゃいました。
犬が吠えたりしたらなかなか味が出たという意見には同意です。
色々と新たな発見ができるエピソードでしたね。
情報ありがとうございます。