ほんとうに映った!監死カメラ16(ネタバレあり)

eye_catch_kanshi_16 レビュー
ほんとうに映った!監死カメラ16
レンタル開始:2016年7月2日(土) セル発売:2018年6月2日(土)二度出る霊は三度出る監視カメラに映った恐怖映像コンセプト・ホラー・ドキュメント第16弾!キャストナレーション:鈴木智晴スタッフ…

はじめに

ほんとうに映った!監死カメラ16のレビューです。なんとなくですが、まとめに入っているような印象を受けます。シリーズの終わりが近いのでしょうか。

廃墟10(菅野君!後ろ、後ろー!)

概要

今回でめでたく10回目を迎えた菅野君シリーズ。彼はまた心霊スポットの廃墟に泊まりに行くが、今回は自らケーキやシャンパンを持ち込み、カメラの前で1人寂しく10回目記念を祝う。だが、シャンパンをラッパ飲みした彼はかなり酔っぱらってしまったのか、不覚にも深く眠り込んでしまう(シャレではないw)。

寝入った菅野君の姿を定点カメラは記録しているが、ラップ音やオーブ、カメラの前や扉の向こうを横切る霊の姿など、様々な心霊現象が確認できているのにもかかわらず、グーグー寝ている彼は一向に気が付かない。

しばらくしてようやく「菅野センサー」が働いたのか、激しいラップ音で異変に気が付き、廃墟内を探る菅野君。だが得意技「横パーン」を駆使しても、彼の目の前には霊は姿を現さない。しかしながら悔しがる菅野君をしり目に、カメラには彼の背後に3回にもわたり、霊の姿をはっきり捕らえていた。

感想

某ゲームのモデルになった廃墟群と言えば「岳集落」ですかね。相変わらず「変わり者」とか「根暗」とかナレーションでディスられています。

なんか菅野君の背後に3回も怪異が写るのに、本人は気が付かないというのが面白かったですね。「菅野君!後ろ、後ろー!」と心の中で思ってたら、ナレーションでも言ってたのが面白い。コントじゃないんだから。

ですが、菅野君シリーズの中では、今回が一番作り物臭くて、クオリティーが低かったですね。

鉄道マニア(怖くない)

概要

お目当ての列車にカメラを持って群がる鉄道ファン、通称撮り鉄。その列車が彼らの群れに到達しようとしているその直前、線路内に女性の姿が現れる。目の前に幽霊が現れたというのに撮り鉄達はあろうことかその幽霊に向かって「どけ!」と罵声を浴びせる。列車が通過すると幽霊は忽然と姿を消していた。

その後、エピソード内では撮り鉄が捉えた幽霊の映像が4点紹介される。

感想

まず最初の映像ですが、鉄オタの罵声は音質が全然異なるので、これ絶対違う音源被せているでしょ、と思いました(笑)。線路に佇む女性の姿も取って付けた感が否めない雑な合成です。撮り鉄が捉えた心霊映像も、違和感あり過ぎで合成っぽくて白けますね。最後の映像なんかクイズ形式になっていて、「バラエティ番組かよ!」と思いました。

最初の映像は箱根登山鉄道。ここに走る彼らの目当てになりそうな旧型車両は、モハ1形(104-106)+モハ2形(108)の3両1編成のみなので、これらが引退する頃には沿線は鉄オタだらけになるでしょう。尚、映像の車両はわりと新しいやつです(3000系+2000系)。

その後に紹介される撮り鉄が捉えた心霊映像と称する1本目はクモハ123-1で、おそらく場所は塩尻駅だと思われます。2本目は南松本駅のDE10-1528。その次は場所はわかりませんが、たぶん「特急しなの」の383系。「しなの」は名古屋-塩尻間を結んでいます。最後は小海線。小淵沢付近の有名な撮影地「大曲大カーブ」の外側…

なんか撮影地が長野に偏っていますねぇ。怪しいですねぇ。

と、ここまで書いて薄々気が付かれたと思いますが、実は私、鉄オタです(笑)。ええ、昔は撮り鉄もやってまして、↓まあこんな感じ。知識はめちゃめちゃ浅いしヘッタクソですけどね。

Train Photo

ただ現状、僕にとって魅力的な車両が全く無くなってしまい、最近はとんとご無沙汰でして、能動的に撮影に出かけることは皆無になってしまいました。今回このレビューを書くにあたり、動画サイトで近年の鉄オタの蛮行を色々見てしまったのですが…まあ酷くてうんざりしてしまいました。趣味としてのすそ野が広がった分、アホが異常に増えたというのがウソ偽りのない感想です。

鉄道は公共交通機関という性質上、一般人は趣味として絶対に所有することはかないません。そういう意味では一歩引いた視点で楽しむべきものなのに、なんというか、本当にお恥ずかしい限りです。個人的には駅ホームでの撮影禁止は、もうやむを得ないとさえ感じますね。

ちなみに最後の映像に「電車が通り過ぎる向こう側に立ち尽くす人影が見えた」とテロップが出ていますが、これは「キハ110系」という車両で、「電車」ではなく、ディーゼルエンジンで走行する「気動車」です。もしあなたが非電化区間駅のホームとかで「電車が来た」などと呟いたとき、同行していた友人が「それは電車じゃない!気動車だ!」とかほざいていたら、そいつは空気の読めない、ちょっとやばい鉄オタなので、今後の友人関係に注意したほうが良いかもしれません(笑)。

因みに僕はそんなこと言いませんよ…………あれ?…でも書いてしまっているな…

さて、ここまで読んでくださっている奇特な方々に、ドン引きされている気配を感じつつ、次のエピソードに行きます(涙)。

物質霊(は?)

概要

ゴミ捨て場に設置された監視カメラに、パソコンの霊が空に召されていくような映像が記録される。さらに別のゴミ捨て場の映像には、電子レンジの霊が空に舞い上がる。だが布団の霊は何度かもがくものの、天に舞い上がることはない。縛られて捨てられてしまったためであろうか。最後の映像では巨大なビルの霊が、空に浮かんでいる姿が記録された。

感想

何言ってんだこいつら(笑)。

でも、布団の霊が「縛られてるから動けな~い」ってのが笑いを誘います。映像のパソコンは昔の「eMac」っぽいですね。懐かしい。

eMac - Wikipedia

アニミズムと言えば、クライマックスで悪霊とコンピューターの霊が最終決戦するという、B級ホラー映画、「マニトウ」を思い出しました。

映画 マニトウ (1978) - allcinema
平凡な女性にインディアンの悪霊ミスカマカスが宿った。恋人とインディアンの祈祷師が見守る中、やがて彼女の背中から奇怪な胎児が生まれ落ちる……。当時B級ホラー期待の星と言われたW・ガードラーはこの作品の後、次作のロケハン中に不慮の事故死を遂げた...

狐狗狸の罠(は??)

概要

学生時代の先輩、田中さんがコックリさんやってたら指が文字盤から離れなくなった、何とかならないかという相談が、投稿者宇田さんから寄せられた。「何言ってんの?」という感じで、田中さん宅にお邪魔すると、本当に文字盤(実際は紙ぺら)の10円玉に指を乗せたままの田中さんが部屋の中にいた。

宇田さんは田中さんの相談を受け、力ずくで文字盤から引きはがそうとしたが、何者かに押さえつけられているように頑として動かないそうである。宇田さんは田中さんの食事や排泄などの身の回りの世話を引き受け、既に2か月にもなるという。投稿された、撮影した文字盤に手を乗せたままの映像も紹介されるが、終始謎のビデオノイズが走っていた。スタッフが彼の部屋を訪れた際の取材映像にも同様のノイズが走る。

コックリさんは通常多人数で行う交霊術であるが、田中さんは一人でギャンブルの予想などを占っており、コックリさんの予想はよく当たったそうである。投稿映像や取材映像に走るノイズなどからこの場所に霊的な何かあると感じたスタッフが「大島てる」で調べてみると、田中さんの部屋では何者かが変死していることが分かった。ちなみに彼がこの部屋を決めたのは、コックリさんでこの方角が吉と出たからであったのだが、何者かの霊が田中さんを呼び寄せたのであろうか。そして映像のノイズを一つに合わせて組み合わせると、彼を取り囲むような黒い影が確認できた。

KATOR氏への相談では交霊術中(コックリさんが終わらない状態)ではアストラル体(霊界)との扉が開いてしまっており、メインの霊障の他に様々な霊が入り込み易くなってしまっている。指を離さないに仕向けた何かがそれを望んでいるのかもしれない、その霊をまず除霊する必要がある、とのアドバイスを得た。

だがスタッフの心当たりは、例のインチキ除霊グッズ販売会社の「除霊猫」と、謎の料理で除霊する「除霊食堂」のみ。除霊グッズ販売会社は倒産してしまったので、あの除霊食堂に田中さんを連れ込むしかない。そこでかつてのスタッフ、福田陽平や、宇田さんの弟さんに協力してもらい、力ずくで文字盤の紙ぺらごと田中さんを車に担ぎ込むことに成功する。だが除霊食堂に向かう途中、車のサイドガラスに無数の手形が現れた後、粉々になってしまい、車も横転してしまう。その事故で車も炎上してしまい、除霊どころではなくなってしまった。

この衝撃で田中さんの指は文字盤から離れてしまい、その指の先にあった10円玉も紛失してしまった。つまり、田中さんはコックリさんに帰ってもらう前に指を放してしまうという、とても危険な状態に陥ってしまったのである。スタッフはその後、田中さんからどうすればよいのか何度も電話をもらったが、どうすることもできないので、その後は連絡を絶ち、放ったらかしにすることにした。

「だって…どうしようもないじゃない」

という何とも無責任なナレーションでエピソードは終了する。

感想

んなばかな(笑)。
でも取材をぶん投げてしまうという展開はある意味斬新かも(笑)。

補足するとコックリさんはきちんと「おかえりください」をして、指の10円玉が鳥居の位置に帰らないと、呼び出したコックリさんに呪われてしまうと言われています。でもそういうときこそこそ「除霊食堂」の出番なんじゃないですかね。なんでしょうか、エピソード作るのに途中で飽きちゃったのかもしれません。

それにしても、田中さんの下の世話がオムツというのはきついな。せめてシビン、オマルとかあるでしょうよ。

空き家(少し怖い)

概要

「これは殺人者の撮った映像である」という不穏なナレーションでエピソードは始まる。民家の2階から撮影したようで、廃墟の空き家を上から見下ろすようなアングルである。

その廃墟の傍らにとある男性がやってきて、まだ新しそうな旅行用のスーツケースをその場に投棄する。だが、撮影者らしき男性の声がその男を呼び止め叱責する。男はしぶしぶとスーツケースを取り、去っていく。

どのような状況なのかさっぱりわからない映像であるが、そのやり取りをしている画面の左下に顔のようなものが2体、ハッキリと写りこんでいた。その後、この撮影者は通り魔刺殺事件を起こしてしまったというのだが…

感想

この不法投棄しようとした男性のスーツケースには何が入っていたのか。この2体の顔の人物に何か関係がある…まさか遺体が…とか思わせるような構成なのでしょうか。でも、このスーツケースなんか軽そうなのでそんな感じはしないんですよね。

枯草の間からのぞかせる顔は空虚かつ無表情で、それなりに不気味ではあります。

投稿ホラービデオ業界の仕事(なにこれ)

概要

「ほんとうに映った!妖怪カメラ」でナビゲーターを務めた漫画家「いましろたかし」からすごいものが撮れたと投稿があった。シリーズ化されると思っていた妖怪カメラ2巻のオファーが一向に来ないので、しびれを切らして投稿したという一面もあった。だが、妖怪カメラは販売が振るわず、1巻限りで打ち切りになってしまったため、これ以上関わりたくないのか、監視カメラスタッフは映像にまったく食いつかない。

あきらめきれない様子のいましろは、勝手に菅野君の真似事するように、現在は閉鎖されてしまったテーマパーク「ウエスタン村」に不法侵入して映像を撮ってきた。映像内では何かに驚いて逃げ出すいましろだが、特に何も映っていない。だが後日彼から呼び出されてスタッフが向かうと、顔中が毛だらけになるという、本人は呪いと称する現象が発生する。

だが、スタッフの最後の心当たり「除霊食堂」も無許可営業で閉店してしまっていた。止む無くKATOR氏に相談するも、「病院にでも行けば?」とか突き放されそうになるが、取材映像内で「魔術堂」の呪い除けグッズを宣伝することでその高額そうなグッズのお代を免除してくれることになった。グッズ(ブラックデストロイヤー、ペンタグラム・オブ・ソロモン)の効果で、2週間で顔の毛は無くなりつつあった。これに懲りたいましろは、今後は投稿ホラービデオの世界から足を洗うと語り、エピソードは終わる。

尚、いましろが「蛟(みずち)」を撮影したという、冒頭の映像に関しては華麗にスルーである。

感想

なんで「いましろたかし」が監視カメラに出てるんだヨ。「ハーツ&マインズ」はリアルタイムで読んでいて、単行本も持ってます。

でも読んだのはこれだけでファンと言うほどでもなかったんですけど、割と好きでしたね。「デメキング」や「釣れんボーイ」とかは結構評判良くて、存在だけは知っていただけに複雑な心境。てか「本当に映した!妖怪カメラ」のナビゲーターやってたんだ。知らなかった。

このエピソードはあれですね、「妖怪カメラ」が打ち切りになってしまったんで、いましろたかし氏の救済回みたいなもんですね。

「魔術堂」に向かう際に「目立ちたくない」ということでキンタさんの作った怪しい布袋かぶって街に出たら、愚かにも余計目立ってしまったところに遅まきながら気が付いたのが最大の笑いどころですかね。

今後はぜひ漫画に専念してください。

感想まとめ

直近2巻で続編エピソードがあったり、菅野君シリーズではその集大成みたいに幽霊出まくったり、いましろたかし氏の救済回があったり、シリーズの転換点を作った福田陽平氏がちょろっと出てきたり、「はじめに」に書いた通り、まとめに入っているな、との印象を受けました。

まあ、実際残り1巻なんでそうなんですけどね。全般的に怖がらせようとする気はさらさらないようで、怪異のクオリティが低く、投げやりな印象を持ちました。「狐狗狸の罠」のように、その投げやり感をギャグにしてしまっているものもあるくらいです。

その中では、「空き家」がちょっとだけ怖く、印象に残りました。

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