はじめに
ほんとうに映った!監死カメラ17です。これまでと異なり、シリーズ最終回のスペシャル構成となっており、視聴者からの投稿映像はありません。
ニコニコ生放送
「ほんとうに映った!監死カメラ」の制作現場に設置された監視カメラ映像に、女装したとしか思えない、見慣れない男性スタッフが見受けられる。実はこれは紛れもない心霊現象で、この男性は当シリーズの看板アシスタント、金田萌黄の姿なのである。
この映像の2か月前である2016年8月21日、株式会社ドワンゴが提供する「ニコニコ生放送」にて、本作品「ほんとうに映った!監死カメラ」の特別番組が放送された。「キンタぶらり廃墟の旅」と銘打ち、進行役におなじみの魔術堂KATOR氏、寺内康太郎監督、自称準レギュラーの菅野君を迎え、番組はゆるりと始まる。
「キンタ」こと金田萌黄のグダグダ心霊廃墟レポート(生)であったが、彼女の背後に幽霊が写り込んでしまい、現場からの通信が途絶えてしまう。生放送中にスタジオから現場の廃墟に急遽駆けつける3人。斥候として1人キンタを探す菅野君は、仮設トイレから何度も現れるループ幽霊に遭遇。さらに魔法陣らしきものを囲んで、ふんどし一丁で儀式を行う謎の2人組に襲われ、この映像も途絶えてしまう。
後から駆け付けるKATOR氏と寺内監督。儀式が行われた場所で意識を失っていた菅野君は、KATOR氏に「オキロ!」と活を入れてもらい、正気を取り戻す。だが彼の目の前には女のテンプレ幽霊が現れる。全員で逃げ惑う途中、意識を失っていた金田を発見することができた。回収して車に戻るとカメラに写る彼女の容姿が別人に変化してしまっていた。肉眼で見る金田は何も変わらないのだが、カメラなどを通し、映像に写ると変化してしまうようである。ニコ生を観ている視聴者には「この人誰?」状態だが、このまま放送を終了せざるを得なかった。
KATOR氏によると放っとけば直るということだったので、放っとくことにした。
女優
だがこの現象は収まらなかった。それどころかカメラの前の金田は次々と形態を変え、2週間後には性別までもが変わっていたのである。スタッフはこれを金田第6形態と名付ける。そして事務所に監視カメラを設置したところ、第7形態である、女性の姿になる瞬間をとらえることに成功し、その映像が紹介される。
そしてとうとう金田から「本業に支障があるので何とかならないか」と訴えられる。え?本業って何?状態になり、実は監視カメラはアルバイトみたいなもので、本業は女優であるという事実が、ここでカミングアウトされる。実は監視カメラのかつての監督、福田氏や坂井田氏もそのことは知っており、彼らに「10年に1人の天才」、「朝ドラのヒロインとして活躍するかも」などど言わしめ、将来を嘱望されている女優として期待されていたことが分かる。
こりゃあかん、何とかしなきゃという雰囲気になり、「放っときゃ直る」とか抜かした張本人ではあるが、他に心当たりもないので、仕方なくやっぱりKATOR氏に相談することになった。KATOR氏によると、金田に恨みを持っている人物に、彼女を呪ってもらうという方法があるとのこと。この呪いで現在の呪いを追い払う事ができたとしても、新たな呪いが降りかかるのではという疑問に「金田なら大丈夫でしょ」「彼女なら呪いを3倍にして返すだろう」とこれまたいい加減なことを言うが、他にあてもないスタッフはとにかくこれを実行することにする。
金田を恨んでいる人物など都合よく見つかるわけでもないが、とにかく「監視カメラ」で彼女をライバル視していそうな菅野君に白羽の矢が立った。目立ちたがり屋のエゴイスティック菅野ではあるが、基本善人の彼は、金田に対する恨みなど微塵も感じていないようであったが、寺内の言葉巧みな誘導により、なんだかそんな気分になってしまい、危険な心霊スポットの森に藁人形を打ち付けに行かされる羽目になった(なお呪いの3倍返しの件は話していない)。
始まりの終わり
曰く付きの危険な森で、菅野君はさっそくテンプレ幽霊に出会ってしまうが、この幽霊は話の本筋には全く影響しない。ビビった彼はいったん仕切り直し、あまり森に深く入らず、街灯も見えるお手軽な場所で、適当に見繕った木に藁人形を打ち付ける。
丁度その時間、事務所の監視カメラは、金田の容姿が元に戻った瞬間を捉えた。菅野君の尽力により、金田は平穏な女優生活を取り戻すことができた。今日もどこかで女優や声優、モデルの仕事に邁進し、いつの日か映画やTVCM、街の広告で彼女の姿を大々的に見られる日が来るのであろう。
それとは別に森からの帰り道、菅野君は不気味な宇宙人と巨大なUFOをカメラに収めることに成功する。自撮り映像で彼は、「監視カメラシリーズ」「心霊映像」との決別を宣言。今後は宇宙人とUFOを追うことを決意する。今まで(特に今回)散々ディスり続けていたことに触れ、地声で彼に激励のエールを送る鈴木智晴のナレーション、そして金田萌黄の舌足らずの拙いナレーションで作品は終わる。
感想まとめ
お疲れさまでした。心霊投稿物にコメディー要素をぶち込むという斜め左上路線は、このジャンルにおける怪作として今後語り継がれていくことでしょう。てか2年後に一応復活するんですけどね(笑)。
シリーズ全体として印象に残ったのは鈴木智晴氏のナレーションです。「ほんとにあった!呪いのビデオ」の中村義洋氏のナレーションがあまりにもはまり過ぎていて、以降他の心霊モノのナレーションではこれを踏襲するようなってしまい、なまじ似せているだけに違和感が半端なかったのですが、鈴木氏のナレーションはそれを感じさせず、落ち着いていて、とても良かったと思います。この声で菅野君をディスると何とも言えないおかしさがこみあげてきますね。今回初めて披露された地声もなかなか渋かったです。鈴木氏は主に舞台俳優として活躍されているようですね。
次は「帰ってきた!監死カメラ」が残っています。全3巻なので、一応見てみようかと思います。尚、「レジェンド」「レガシー」「ルーインズ・マスター」という続巻がありますが、これらは全てベスト版なのでスルーします。別系統の続編的タイトルとして「境界カメラ」というものもありますが、これは見ようか迷っています。
それでは。
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