はじめに
「闇動画2」のレビューです。今回のグロや胸糞要素はそれほどでもないです。
デジャヴ(怖い)
概要
映像提供者は映像制作関係のディレクターの男性。心霊DVDの制作なのだが、超低予算のためこの男性ディレクターがカメラマンを兼ね、出演者のグラビアアイドル、三上さんと2人きりのロケであった。ロケ地のとある湖に到着するが、三上さんの様子がおかしい。以前来たことがある、いわゆる「デジャヴ」を感じると訴え、トンネルの内の落書きの図柄を的中させてしまったりする。
夜になり、心霊スポットの吊り橋に赴くが、そこには赤いパンプスが脱ぎ捨てられたように置いてあった。彼女は何を思ったのか自分の靴を脱ぎそれを履いてしまう。サイズはぴったりであった。「何やってんの!」と驚く彼であったが、三上さんがカメラの背後を凝視しているためカメラごと振り向くと、そこには誰もいないはずの吊り橋に不気味な女が立っていた。
すると彼が驚いている隙に三上さんがいなくなってしまい、女もすぐに消えてしまう。あわてて車に戻ると三上さんはは助手席に突っ伏していた。「どこに行ってたんだ!」とちょい憤慨気味の彼だが、今度は外から何者かに車をバンバン叩かれてしまう。彼女も目を覚まし悲鳴をあげる。サイドウインドウにが女の顔が逆さに写っていた。吊り橋で見た女であろうか。ロケは中止で東京に帰ることになったが、三上さんはあの赤いパンプスを履いたままである。
後日、あの現場は狙っていた心霊スポットとは異なるつり橋であることが判明したが、なんとこっちの橋ではロケ当日に女性の投身自殺があったことが分かる。しかもちょうど同時刻であったそうである。
その後三上さんはマンションから飛び降りて亡くなってしまった。非常階段の監視カメラにはあのパンプスを履き屋上へ上る彼女の姿が記録されていた。
感想
この湖は秩父湖。吊り橋はおそらく大洞川吊り橋だと思われます。間違えた吊り橋はたぶん秩父湖吊橋なんでしょう。夜中にあの辺の吊り橋でロケするなんて、チャレンジャーとしか言いようがありません(笑)。
吊り橋に現れる女の幽霊が良い味を出しています。程よく不鮮明で、程よく気持ち悪いテイストの匙加減にセンスを感じますね。恐怖度は小粒ですが、怪異に感化されておかしくなっていく三上さんの行動とセットでうすら寒い感覚に陥りますね。
それだけに、車のサイドウインドウの逆さの顔はちょっと蛇足な気もしますが、これは人によって意見が分かれるかもしれません。
温泉旅館(少し怖い)
概要
とある旅館の中居さんが提供者である。携帯の荒い映像、夫婦らしき男女が食事中、奥の部屋に首のない男人影が写り込む。ノイズと不気味な叫び声と共に映像は止まっていた。
携帯も財布もそのままにこの夫婦は消えてしまった。今はこの部屋は封印されているそうである。
感想
現れる人影なんですけど、不鮮明でよくわからないのですが、なんか浴衣だけが自立して至っている感じがします。ちょうど透明人間が来ている感じ。
この人影が写り込んでから画面がフリーズしてしまい、悲鳴のような「キー」という音で終わってしまいますが、なんとも余韻が残って怖かったですね。
ストーカーの正体(怖くない)
概要
映像提供者は某興信所の元調査員。映像はストーカー被害に遭っていた女性が撮影したものである。
興信所が貸し出したビデオカメラで証拠映像として撮影したものであるが、深夜の執拗な来訪者のピンポン連続攻撃や、ドアを激しく叩き「あけろあけろぉ!」と恫喝するような男性らしき声が記録されていた。また、郵便受けには紙を結って作った人形、ヒトガタのようなものが大量に投函されており、開くと被害者の女性の行動が記されていたり、血痕が滲んでいたりした。
最後の映像では外から石が投げ込まれていたり、何故か外から部屋に入る視点に切り替わったかと思うと、部屋に別の女性がおり、呻き声を上げ撮影者が倒れ込んでしまう場面で映像は終わってしまう。解析すると、この写り込んだ女性の服装が被害女性の服装に酷似している。また、音声分析の結果、ドアをたたいて恫喝していた声と女性の声紋が一致、それだけではなく、あの声は部屋の中から発せられことが分かる。
女性は精神を病み入院してしまうが、彼女は幼少期の性的悪戯の被害がきっかけで解離性同一障害を患ってしまい、感極まるとポルターガイスト現象が発生してしまうような一種の超能力に目覚めてしまった過去が判明した。
彼女の幼少期の別人格が今になって復活し、このような現象が発生したのであろうか。
感想
「あけろあけろぉ!」の声が実はこの女性の声とか言われても、「うそ~ん」としか思えません。どう聞いても男性の声ですよ。
解離性同一障害から、もうひとりの人格が具現化してしまったのでしょうか。何故か部屋の外から撮っている映像があるあたり、それを示唆していると言えますが、長い割にはいまいちピンとこなかったエピソードです。
ある一家(少し怖い)
概要
歩行器で部屋中動き回る赤ちゃん。だが別の部屋に横たわる青白い男性の顔が、こちらを「ぎょろっ」とにらみつけてけている この9か月後この家族は一家心中してしまう。
感想
非常にシンプルなエピソードですが、雰囲気があります。横たわる男性の顔は合成感丸出しなんですが、何故かちょっと怖いんですよね。
想い出の校舎(怖い:ちょいグロ)
概要
映像提供者の佐々木さんは、母校が廃校になると知り、友人の菊川さんと訪れる。夕方に学校の敷地に侵入し、体育館裏で一服していると男性が立っている。佐々木さんはこの男性に話しかけるも、すぐに消えてしまった。
暗くなるころに校舎の開いてる入り口を発見し、勝手に侵入する2人。電源は止められ、部屋の明かりはつかない。かつての菊川さんのクラスの教室に入ると、黒板に何やら意味不明な文章がびっしりと書き込まれており、奇妙な感覚に陥る2人。すると突然「至急理科室に来てください」との放送が流れる。自分たちの他に誰かいるのかと、放送室に行っても誰もいない。そして指示された理科室に行くと、誰かが首を吊っていた。死んでからしばらく経過しているのか首が異常に伸びてしまっている。
菊川さんはこの男性がかつての担任、土井先生であることに気が付いた。彼はかつて土井先生と揉めたことがあり、あまりよく思っていなかったようだ。佐々木さんからカメラを奪った菊川さんは、この遺体をまじまじと撮影するが、突然この遺体から飛び出した吐瀉物のようなものを被ってしまう。気が付くと遺体の胴体は離れ、首だけがロープにぶら下がっている状態になってしまった。すぐに警察に通報して、この遺体は土井先生で間違いないことが分かった。土井先生は菊川さんと揉めた後休職してしまい、精神を病んでしまったそうだ。
今から思うと体育館裏で見かけた男性は土井先生に似ている気がする。
それ以来、佐々木さんは菊川さんと会っていない。東十条駅付近の菊川さん宅をスタッフが訪ねても、インタビューは無言で断られてしまった。そして菊川さんの顔はケロイド状にひどく崩れていたが、あの吐瀉物を帯びた影響だろうか。部屋の奥には半透明の男性らしき姿がぬっと現れていた。
感想
首がちょん切れる瞬間の映像はありませんのでご安心を。なんだか佐々木さんが菊川さんの撮影を阻止しようとして「わぁ~」とかやっている間に切れてしまいますので(ここで菊川さんは吐瀉物を浴びてしまいます)。ただし、体重がかかって異様に伸びた首の造形は生々しくてリアルなので苦手な方はご注意ください。モザイクとかもかかっていないし。
とは言いつつ、胴体が分離してしまった後、ロープに首がぶら下がったままなのは、「こんなことがあるのだろうか?」とも思ってしまいます。
自分の母校とはいえ、誰もいないくらい校舎はただでさえ不気味ですし、誰もいないはずなのに突然放送が入るのは怖いですね。しかも「理科室に来い」とか、罠だろ(笑)。僕だったら絶対に行かないと思うんですが、彼らはこの時点でもう何かに魅入られていたのでしょうね。
菊川さんの顔のただれ方がちょっと痛々しかった。
感想まとめ
中々見どころがあって面白かったですね。メインの間に挟まれるエピソードも小粒ながらも、ちょっと怖かったです。前巻のような血がいっぱい出るようなグロは無く、強いて挙げれば土井先生の首が重みで伸びてしまっているシーンくらいです。
2巻まで観た印象としては、ストーリー全体で恐怖を表現するもので、繋がりのギミックが無い「XXX」と言った感じがします。「XXX」と異なるのはグロや暴力表現へのリミッターが薄いことで、それによって映像自体は多少ショッキングなものになっていることでしょうか。
今後に期待したいと思います。
コメント
今更ながらあけましておめでとうございます!
二巻はもう何年も前に観たきりなので全然覚えてないですが最後の想い出の校舎は印象深かったたのとのちに出た総集編でも収録されていたような気がしたので唯一ちゃんと覚えてましたね
魅入られたり引き込まれていたんでしょうが首吊ってる明らかに手遅れなやつにあんなに近づいてカメラ撮影するかな笑ってなりましたね
ハコさんあけましておめでとうございます。
ちょっと家庭の事情で呆けていました。
なんだかんだ言っても「想い出の校舎」はそれなりに面白かったですね。あんな近づいてしまったのはさすがに不自然でしたが。