はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ100」の公開も間もなく、早々に「102」がリリースされました(2023年8月4日リリース)。劇場版の余韻も冷めやらぬうちにリリースされたこの「102」はどうでしょうか。
以降多くのネタバレ含みますので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
橋の下(少し怖い)
概要
男性1人とカップル1組の若者が、河川敷の橋の下で花火を楽しんでいる。男性がトイレを済ませて戻ってくると、彼らが相変わらず花火をしている姿を少し遠めに望む。
すると突然この2人の動きが止まり、花火を持ったまま棒立ちになって、まるで時間が止まったように固まってしまう。そして橋の上からシルエットになって真っ黒な人影が落ちてきた。その人影が落ちたタイミングで2人は何事もなかったように動きを取り戻した。
だが落ちた人などどこにもおらず、花火の2人も自分たちが固まったという記憶もない。
この橋では転落して亡くなった人がおり、その後交通事故が多発するようになったという。
感想
上から人が落ちてくるってのは、今までにもいくつかの類型があるので、正直「またかよっ」と思ってしまいそうですが、今回は仲間たちが何故か固まってしまうという点が、異世界に迷い込んだ、あるいは時間が止まったような感じがして、ちょっと異なる雰囲気が味わえます。
分かってはいても「それ」が落ちてくるときにはちょっとドキッとしますね。
ここは東京都足立区、荒川に架かる江北橋の下の河川敷ですね。
現場の周りに首都高中央環状線の江北ジャンクションやその先に架かるダブルデッキの特徴的なアーチ橋(五色桜大橋)が見えたのですぐにわかりました。江北橋は一般道のちょっと古めの橋ですが、心霊スポットとして有名で、以下のnoteに詳しく載っています。
この橋の取り付け部の片側の用地買収が遅れ、一時期、橋の先が丁路地になってしまっており、事故が多発した、というのは確かなようです。
聖夜(怖い)
概要
投稿者の女性とその弟の幼少期、幼稚園でのクリスマス会の映像。何故か超リアルな少女と思しき人形か何かをかごに入れたものが、園児の前に運び込まれる。祭壇のように設置されたその少女のかごの横に並ぶ園児達。その端に灰色の少女と思しき姿が立っており、一瞬で消えてしまった。園児たちの様子を見るに、誰もその存在に気が付いていないようだ。
投稿者は当時、このかごに入った人形は、幼少期のイエス・キリストと聞かされていたようだが、幼稚園の経営者の娘が幼少期に亡くなっており、それ以来、その娘にそっくりな人形が運び込まれるようになったと言う噂があったと、後に母親から聞かされたそうだ。
感想
世界一美しいとされるミイラ「ロザリア・ロンバルド」を思い出してしまいますね。以下のブログが詳しいです。
日本でも同じようなことが行われていたとは考えにくいですが、そう連想させるようなエピソードです。園児たちに並んで一瞬登場する灰色の少女の霊よりも、さらっと画面を横切る人形(?)の方がインパクトがあります。この人形の空虚なまなざしがちょっと不気味ですね。
灰色の少女は自分の遺体を見下ろして見ているとも感じられ、なんとも感慨深いものになっていますが、すぐに保護者だか先生だかのお尻で見切れてしまいます(笑)。
鬼女の山・前編(ちょっとだけ怖い)
概要
エピソード冒頭で演出補、男鹿が健康上の理由から、斎藤が実家の事情でスタッフからの離脱を余儀なくされたことが明かされる。急遽構成担当であった田中が呼び出され、藤本、木瀬、田中の3人体制となることが発表された。
投稿者の小宮山壮太さんは、自宅内で妻に纏わりつく黒い影を撮影してしまった。小宮山さんの妻、葵さんは山奥でのハイキングで、崖から落ちて遭難してしまって以来、眩暈や幻聴を訴えていた矢先であったこともあり、心配になりスタッフに調査を依頼してきたのである。
葵さんは山奥での遭難の際、崖から落ちた彼女を若い女性に助けられたようで、山奥の小屋みたいな住居に寝かされたと証言するが、近辺にこれと言った集落があるわけでもないため、夫を含め、スタッフも半信半疑であった。
現地での聞き込みでも収穫はなかったが、このあたりで「神隠し」「親子の放浪民」「あがりびと」「姥捨て山」「自殺者」など不穏な噂が飛び交う。また、葵さんの妊娠が発覚してからは、胎児の姿を感じ取ってスケッチしたり、性別を言い当てたりといった、不思議な症状は相変わらずであった。
そんな折、葵さんの詳細なスケッチから、彼女を助けたという女性を知っている人物が現れた、との知らせが舞い込む。その証言者の老女は、このスケッチの女は「みや」と言う人物であり、怖い存在で、関わると殺されるとスタッフに告げるのだが。
後編へ続く
感想
映像はキッチンで歯を磨く葵さんを、抱きかかえるように動く黒い影で、不気味さはありますが、ほとんど怖くはありません。この影よりも、いる筈のない部屋から聞こえる葵さんとそっくりな声、何かを感じているようなネコちゃんの様子なんかが、そこはかとない怖さを醸し出しますね。
その他は取材光景だけで怖くはないです。ただこの山に何かあるぞ、という期待はさせます。
証言者のおばあちゃんの「かかわると死ぬぞ」という発言が不穏すぎます。
海を歩く足(怖い)
概要
投稿者の男性が友人たちと海岸で飲み会をしている。一人泥酔して砂浜で寝転がっているが、別の友人は砂浜で腕時計を見つける。その背後に歩いている足だけの存在が写り込んでしまった。
この男性は何を思ったのか、この拾った時計を左手にはめてしまう。どうやらこの時計を使い続けるつもりらしい。すると、さっきの足だけの存在がこちらに駆け寄ってくるではないか。するとノイズ音と共に、草むらを写したような別の映像が差し込まれる。なにやら叫んでいるような声も入っているが、はっきりとは聞き取れない。ノイズが収まると、この男性は海にフラフラと海に入って行こうとする。投稿者が慌てて止めるところで映像は終わる。
その後、実家に帰ったこの男性は、たびたび夢遊病のように徘徊するようになってしまったが、最後には再び海に入ろうとして近所の漁師に助けられた。その後徘徊は落ち着いたとのことであるが…。
感想
これ、なんか雰囲気あって好きですね。
拾った腕時計ですが、この海で亡くなった人物の遺品なのではないでしょうか。背後を横切る足だけの存在はよくある感じで全く怖くないんですが、男性がこの時計を身に着け、ガメようとしたら駆け寄ってくるってのが怖いですね。
ひょっとしたら、この足だけの存在は、ずっとこの時計を探して海岸を歩き回っていたのかもしれませんね。そんなところにあっさりと時計を見つけられ、あまつさえ盗られようとしているのだから、そりゃ怒って駆け寄ってきますよね(私の妄想です)。
拾ったからってガメてはいけません。
火災通報(怖くない)
概要
火事通報を受けて集まった消防車の群れを撮影していたら、ある建物の窓にまるで助けを求めるような人が、腕をぶらんと出して佇んでいた。だが火事は誤報であったらしく、火の手はどこにも上がっていなかったと言うのだが。
感想
なんかボロッとした人みたいなのが、窓から手をだらんと下げています。実に不気味な筈なのですが、夜という事もあり、ディティールがよく判らず、あまり怖くはないです。
内見(怖くはないが雰囲気良)
概要
新居予定の部屋を内見していたら、なんか変な男が2度にわたって写っていた。この部屋は事故物件ではなかったが、過去にゴミ収集場で男性が殺されていた。
感想
スエット上下の男性が立っています。最初は足だけ、次は全身がちょっとだけ写り込んでいます。直立不動でそこにいるだけ。裸足なのがちょっと生々しい。ですが映像的には全く怖くはありません。ただこんなのが撮れてしまったら、家賃タダでも住みたくはありませんね。
この部屋で死なないと事故物件としてカウントされないってのが、ちょっと怖いですね。内見の時には必ずビデオを回しましょう(笑)。
鬼女の山・後編(少し怖い)
概要
証言者の老婆は「みや」と言う存在は恐ろしく、殺されるとまで語っていた。その証言から、「みや」の姿を捉えたビデオテープの存在が明らかになり、所有者にコンタクトする。
このテープは所有者の男性の父親が、山の中に落ちていた古い8mmカメラに入っていたフィルムに記録されていたもので、誰のものかは不明であった。これを投影して撮影したのが今回のビデオテープである。
映像の内容は、山の中で偶然見つけた若い女性を盗撮しているようなものであった。女性の容姿は葵さんのスケッチによく似ているが、距離があるため判別はつかない。この髪の長い女性が空を指差すと、飛んでいる鳥が何羽もバタバタと落下していく。まるでこの女性が鳥を落としているようにも見える。落ちた鳥を拾い上げそれを高く掲げる女性。だがカメラに気が付いたようで、向き直りこちらを指差してくる。すると画面が急に乱れ、映像はここで終わる。
この女性は「みや」と呼ばれ、村人からは忌み嫌われており、村八分のようになっていた。映像の所有者が子供の頃の話で、かなり昔である。村八分の原因は野生動物の殺戮で、近隣では鳥や獣の死体が転がっていたそうである。「みや」はいつの間にか姿を消していたそうだが、彼女が住んでいた近辺は今は住む人もなく、荒れ果てているそうだ。
スタッフは夜にもかかわらず、その足で教えてもらった場所に向かう。だが言葉通りに廃墟が残るだけであった。すると木瀬が何かを感じ、無言でその場から逃げ出してしまう。顔みたいなものを目撃したと彼女の弁であったが、取材映像にも、穴の開いた土壁から覗く、不気味な顔が写り込んでいた。
スタッフロールで、このビデオの所有者から、20年程にもあの山の女を調べていた人物がいたことが明かされる。近辺の郷土の研究をしている大学院生で、礼状から氏名と大学名が判明。この研究室には「みや」のおぞましい力と、その犠牲者に関するものが残されていた、と言う予告でエピソードは終わる。
感想
この「みや」って何者(笑)。すごい、指差しただけで相手を殺せるって最恐じゃんか。天狗か?
8mmフィルムの映像も興味深いですよね。山奥で「可愛い娘いるじゃん」(個人の感想です)、ってこっそり撮ってたら、指差しただけで鳥がバタバタ落ちてくる。「なんだ!こいつ何者?」って思ったところ、こっちに向いて指差してくる。これは怖いですね。おそらくこのカメラの持ち主は「みや」の攻撃で命を落としてしまったのでしょう。そしてカメラだけが残された。
こうなると、葵さんを助けた女性が「みや」だったとしても、善意からではないのか、とか、「子供の神隠し」というワードから、妊娠していたので狙われたとも考えられて、なんとも不穏な空気は流れます。
大学でどんな秘密が明かされるのでしょうか。楽しみになってきました。
壁の穴から覗く顔は「みや」とは関係ない男性のように見えます。この顔、周囲の映像の粗さと比べ解像度が高いように思えます。そのため周囲と浮いてしまい、ちょっと違和感を感じてしまいました。
この顔が写り込んだ瞬間、藤本氏は「うお!」と驚いてカメラが乱れます。てっきり除き込んだ顔を見てしまい、驚いたのかと思いましたが、どうやら襟か何かにガラスの破片が入り込んだからのようです。なんというタイミングでしょうか。紛らわしいな、もう。
どうも藤本氏のキャラがだんだん立ってきた感じがします。これは「劇場版:ほん呪100」でも顕著になってきており、ますますの活躍を期待します(笑)。
感想まとめ
最後に「ほんとにあった!呪いのビデオ100」の予告編があり、さらに「ほんとにあった!呪いのビデオ103」の9月6日発売の告知もなされました。「鬼女の山」は今回夏の2部作となります。
2023年8月8日追記
「ほんとにあった!呪いのビデオ104」が10月6日発売予定で3か月連続リリース。夏の3部作となります。盛大な勘違いで大変失礼しました。「みや」さんにご指摘いただきました。ありがとうございます。
メインエピソードが面白かったですね。こういう話はとても好きです。
興味深い点では、男鹿氏が太り過ぎて神経に負担がかかるという事でドクターストップがかかったり、ピンチヒッターの田中氏が「スタッフにならへん?」という藤本氏の説得に開口一番「いやや」と答えたのにもかかわらず、次のシーンではスタッフ入りしたという中村氏のナレーションが入ったりと、ちょっと笑いを誘う演出が目立ちます。また、ビデオ提供者のインタビューで、「みや」宅跡に「夜中なのに、今から行くんですか」「大変ですねえ」「仕事だからねえ」「夜の方が撮れ高が上がるって事ですね」みたいに呆れられていたりと、メタ的表現が目立ってきたように思えます。今公開中の「劇場版:ほん呪100」でもこの傾向があり、良いか悪いかはともかくとして、今後のトレンドになっていくのかもしれません。
対して一般投稿はちょっと小粒です。ただし、「橋の下」「聖夜」「海を歩く足」には光るものを感じました。「海を歩く足」が良かったですね。
と言うわけで、「103」も今から楽しみです。
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コメント
今回は全体的には可もなく不可もなくぐらいの巻でしたが、1本目の「橋の下」は王道を押さえつつも友人たちが動かなくなるという不気味なワンポイントを足してきて好印象でした。
落下する影だけでも映像としては成立するけど、こちらを見つめたまま固まる2人→花火が消えたことで2人まで不気味な影と化す→数秒間のイヤ~な沈黙→ダメ押しで落下する影!・・・この流れが好きです。
「聖夜」は少女の姿はインパクトありますが、67巻収録の「合唱」とほとんど事象丸被りでしたし、それよりもあの人形の方が明らかに怖かったのでもっと人形を!・・・そっちを映して!そっちの出どころとかの方が興味あるんです!・・・って思ってしまいましたw
橋の下は花火持ったまま固まっちゃうんですよね。
花火が消えていくのが雰囲気ありますよね。
>もっと人形を!・・・そっちを映して!
これわかります。そう言いたいくらい不気味でしたね。
二部作では無く三部作です
みやさん、ご指摘ありがとうございました。
ハンドルネーム、一瞬ドキッとしました。
10月にも104が発売予定でしたね。
失礼しました。
訂正いたします。
演出補、男鹿………..
霊とか呪いとかそれ以前に駄目でしょう。
前回のヤツ見ましたが、普通だと通り抜ける所が、ハマって通り抜ける事出来ませんでしたし。
急遽構成担当であった田中が呼び出され、藤本、木瀬、田中の3人体制となったり、
この2つに関しては、ほんとではなく、本当の話なんでしょうね。(笑)
男鹿さん、劇場版の舞台挨拶では元気そうでしたよ(笑)。