はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ103」がリリースされました(2023年9月6日リリース)。いつもは金曜日発売なのに今回は何故か水曜日発売。本来ならすぐに視聴して金曜日にはレビューを書き上げたいところだったのですが、最近仕事が超忙しくて遅れてしまいました。
ほん呪だけではなく、このサイトの更新間隔も空いてしまい申し訳ないです。
以降多くのネタバレ含みますので、未見の方はご注意のほどよろしくお願いいたします。
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本ページの情報は2022年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
スキー(怖い)
概要
ある家庭で封印されていたホームムービー。投稿者の母方の親戚の男の子と父親がスキーを楽しんでいる映像。子供がちょっと転んでしまうと、その姿が異様に変形し…。
感想(ネタバレ注意)
つかみとしては素晴らしく、とてもインパクトがあります。
男の子が煙が立ち上るように、細くひしゃげた感じで歪みまくったかと思うと、砂嵐のようなノイズの中に苦痛に歪んだ顔のようなものが浮かび上がります。この顔、動くんですよね。苦しみに耐えかねて身もだえするような感じでちょっと怖いです。叫んでいるような声も聞こえ、どうも男女の言い争うような声が聞こえますが、何を言っているのかちょっとわかりません。女性が男性に激しく叱責されている感じです。そして子供の泣き声のような声も聞こえます。
ちょっと「ニューロシス」を思い起こさせます。
この映像が撮られた時点で、この子の母親は自宅で階段から転落する事故で亡くなっているそうです。この子自体も父親と出かけた山で行方不明になっているそうで、まさか…父親が…と想像すると別の怖さもありますね。
消波ブロック(怖い)
概要
またもや男の子と父親。釣りに来た彼らだが、今回は全く釣れず、あきらめて帰ろうとしたところ、男の子は帽子を飛ばされたようで、その先の消波ブロックの隙間を覗き込んでいる。
父親はGoProに釣り糸を括りつけて、ブロックの隙間にぶら下げて帽子を探すことにした。これが今回の投稿映像である。
GoProが海面まで下されたとき、そこにおぞましいものが写り込んでしまった。
感想
消波ブロックの奥に帽子を発見したとしても、どうせ取りに行けないのに、そこそこ値段の張るGoProを吊り下げるなんてチャレンジャーですね。
ただめったに見ることのできない消波ブロックの裏側は、なかなか興味深く見ることができます。ほん呪ですから絶対何か出るっと思っているので、かなりドキドキしますね。結局水面まで下りると、水の中に怖い顔があるのですが、GoProって防水なんだすげえな。
この顔が現れると何かうめき声のような声も聞こえて怖いです。
続・鬼女の山・前編(少し怖い)
概要
前回までの超ざっくりあらすじ
投稿者の小宮山壮太さんは、自宅内で妻に纏わりつく黒い影を撮影してしまった。小宮山さんの妻、葵さんは心身不調を訴えていた矢先の出来事であった。彼女は小宮山さんとのハイキング中にプチ遭難して変な女に助けられたが、その女は昔周辺で魔女のごとく忌み嫌われていた、スーパーサイコキネシス能力の持ち主「みや」と言う女性に似ていた。その「みや」の映像を山中で拾った人物から、以前彼女を調べていた大学の研究者の情報を得る。
超ざっくりあらすじここまで
「みや」を調べていたという大学院生(当時)の松崎俊郎さんは、その研究室にはもういなかった。また「みや」の研究は研究室のものではなく、松崎さんの趣味に過ぎず、これといった手掛かりは得られなかった。
小宮山さんの妻、葵さんに「みや」の映像を見てもらったが、雰囲気が似ているという以外の回答は得られない。ただし、葵さんのスケッチには年老いた女性の姿が加わっていた。「みや」が存命なら丁度その老婆の年齢に合致する。
一月ほど経って例の研究室から、その研究室の学生、小林あかりさんが松崎さんの残した資料を発見した、という連絡が入る。そこには映像に残る怪現象、初老の女性と女の子の写真、そして新聞記事の日付や庄司大洋さんという男性の氏名、住所等が残されていた。スタッフはその住所へと向かうのだが…。
エピソードのラストでは松崎さんが既に亡くなっているとの連絡が入る。
感想
松崎さんの調査はかなり詳細だったようで、いろいろ判ってきましたね。村で忌諱されていた「みや」は何人も人を殺している可能性があること、娘がいたらしいこと、その父親は遭難で一人だけ生き残った庄司さんの可能性があること、彼は「みや」に助けられた(選ばれた?)のか、庄司さんはその後腑抜けになってしまった、などが想像できます。
葵さんを助けた女性は、その「みや」の娘ではないのか。庄司さんが腑抜けになってしまったことから、葵さんは次のターゲットになってしまったのか。
研究室に残されていた松崎さんの映像は、古い神社の神主さんみたいな人物にインタビューしているものです。「みや」は巫女の家系で超能力を駆使して医者のようなこともしていた。彼女が10歳の頃何かがあったらしいのですが、肝心なところで激しいノイズが走り、神主さんが何を言っているのか判らなくなります。そこに写り込んだ顔はまあまあ怖いのですが、目の当たりが何かで描いたみたいな感じもして、見ようによっては「忍者ハットリくん」っぽい(笑)。
その他に残された写真に女性と女の子が写っています。すべての写真でカメラを指差しているというのも怖いですね。
松崎さんの資料から庄司さんの家に向かいますが、そこはちょっと大きな農家風の廃屋。そして離れの入口に、連絡先の電話番号が記されたメモが貼られていました。これは庄司さんの兄で、彼にアポを取り後日会うことになります。
そこの窓から顔が覗いていて木瀬さんが驚きの声を上げ、観てるこっちもびっくりしてしまいました。松崎さんが亡くなっているという、中村さんからの電話で後編に続きます。
面白くなってきましたね。
山道のトンネル(少し怖い)
概要
男性グループが噂のトンネルへと車を走らせる。後部座席から撮影した映像には不気味なものの姿が記録されていた。
感想
過去の名エピソード「夜の警備(夜警)」を彷彿とさせるエピソードですね。ただしそれにと比べるとこちらは少々小粒です。
カメラが振り返ってトンネルの入口に人影があるのですが、小さくて分かりにくいです。またトンネルを出たところでサイドウィンドウに土色の生気のない顔が写るのですが、こっちは少し怖いですね。
運動会(怖くない)
概要
親戚の子の運動会の様子。男の子の背後に何者かの姿が…。
感想
男の子の後ろにお婆さんがいて肩に手を置いています。少し怖い表情ですが、ちょっと合成臭ささが感じられます。古い映像によく溶け込ませていて技術的には頑張っていると思うのですが…。
岬(かなり怖い)
概要
自殺の名所でもある風光明媚な岬で若い男女がデート。自殺を踏みとどまらせる貼り紙が強い風で煽られて…。
感想(ネタバレ注意)
概要は簡素ですが、映像はとても長く冗長に感じられます。ですが、このエピソードがこの巻で一番怖いものに仕上がっています。
長い映像の中でだんだん風が強くなってくるのが分かります。そして危険な個所の封鎖線に、自殺をおもいとどまらせる貼り紙が貼ってあるのですが、それが風で舞い上がってしまい、そのすぐ後ろにこちらを睨む女の顔があるのです。
かなりタイミングが良く登場するのでかなりビックリしました。ちょうど傑作エピソードの一つである「邪眼」を思い出させますね。顔自体は崩れているとか幽霊っぽい感じではなく、普通にそこに女性がいたとしか思えないのですが、すぐに消えてしまいます。
評価を「めちゃ怖い」にするかどうか迷いましたが、「邪眼」と比べるとイマイチなのでこの評価になりました。
続・鬼女の山・後編(少し怖い)
概要
葵さんが遭難したあの山中での調査中に、松崎さんは亡くなったという事であったが、詳しい経緯はまだ判らない。
そこでスタッフは、庄司さんのあの廃屋同然の家の貼り紙から、彼の兄を名乗る庄司春樹さんに会うことになった。春樹さんによると、大洋さんは遭難後ふさぎ込むようになり、幻聴や幻覚、記憶の混濁などが見られ、覇気を失い引きこもりのようになってしまったという。その後家族にも不幸が相次ぎ、いろいろあって失踪してしまったらしい。
春樹さんは彼がいつ帰っても良いように、かつての実家をそのままにして、連絡が付くように貼り紙をしているのだという。
スタッフたちは春樹さんに許可を取り、家の中を調査することになった。
するとしばらくして……。
感想(ネタバレ注意)
藤本氏は家の中の調査をしようとするのですが、新演出補の田中氏が何故か渋ります。「大洋さんが住んでいないのなら中に入る意味はない」とか、「いやいや素材とか撮れ高考えたら押さえておくべきでしょ、てか実際その離れの窓に誰か居たじゃんか、調べないとかそれこそ意味わからんわ」と思いました。そんな態度なのに、中に入ればぶつぶつ文句を言いながらもいたって真面目に調査、庄司さんがまともだったころの手記みたいなものを発見するとか、有能なところも見せるので、ちょっと訳がわかりません(笑)。
で、その手記みたいなものを見ているとき、大洋さんらしき人物がいつのまにか家におり、シルエットで登場、一同びっくりして声を上げることになります。この人物、やっぱりちょっとおかしくて、勝手に上がり込んだスタッフに驚いた態度を見せるわけでもなく、お湯も沸いていないのにきったねえ台所でお茶をふるまったりしますが、こちらの問いには全く答えず要領を得ません。
そんな時外で待機していた春樹さんが様子を伺いに入ってきます。すると今までいた筈の大洋さんらしき人物は影も形もなくなってしまいます。取材映像には大洋さんらしき人物の後ろに白い人のような影が映り込んでいました。ふわーと登場したこの人影はちょっと不気味。
その数日後、事務所に葵さんが異常にブチ切れた態度で電話をかけてきます。なにやら取材陣に文句を言っている感じなのですが、こちらもまるで要領を得ず、言うだけ言って電話は切られてしまい、旦那に電話かけると葵さんと言い争いをなって、彼女は家を飛び出してしまったというではないですか。間髪入れず事務所のドアを激しくたたく音。ドアを開けると感極まった葵さんが、泣き崩れて倒れていました。どうも葵さんは精神的に相当追い詰められてしまっているようです。
全ての謎を解き明かすためにスタッフは、松崎さんが残した禁断の地へ向かうことになった、というナレーションで次巻の予告編となり、この巻のエンディングを迎えます。
謎が少しずつ解けてきて面白いですね。特に大洋さんの幽霊(?)の登場シーンがホラー映画見たいで良かったです。それに実在する人間みたいにそこにいたのに、幻のように消えてしまうのもシチュエーション的に怖いですね。
ところで最後の事務所のシーン。木瀬さん以外にもう一人女性がいるのですが、これは小林さんですかね。
感想まとめ
今回感じたのは、木瀬さんや藤本氏の驚いた時のリアクションがとても自然なことです。ほんの一瞬でもガチなのかと感じてしまう程のリアルさがありました。まあ、いくらなんでもガチだとは思わないのですが、だとすると木瀬さん、藤本氏の演技力がすごいという事になってしまうので、どちらにしても面白い、と言うか怖いですね。
今回は一般投稿でも怖いのがありました。特に「岬」はとってもびっくりしました。風で煽られたときに出るというのは、意外で新しいと思いました。その他は「スキー」が印象に残りますね。あまりにも異様な映像の変化に思わず「うっそ!」と呟いてしまったですから。「消波ブロック」も良かったです。
と言うわけで次も楽しみですね。
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コメント
『スキー』
ノイズの中から叫ぶ顔が現れるというのはどことなく『遊女』(65巻収録)に似ていましたが、インクのように溶ける男の子の姿も相まってすごく不気味で好印象でした。
こういう90年代~2000年代序盤くらいまでのビデオテープ時代の映像ってなぜかそれだけで怖く感じちゃいますよね。たぶんノイズの感じや若干ふんわりした輪郭、偏った色味、割れ気味な音声がそういう得体の知れないホラーイメージを膨らませてくるからだと勝手に思ってます。
そのせいか、たとえ地味な事象で終わったとしてもハズレとは思わないところがあって、いつも公式が出す予告映像の段階で「はい、古いテープ映像あるから良作の予感~☆」ってついテンション上がってしまうくらい僕はチョロいです…。
『消波ブロック』
カメラが回転し続けるので、(さーて何回転目でどっから現れるんだろう…ブロックの隙間か?水面か?それともいきなり横からフレームイン?・・・え!?水中!?ってかめっちゃカメラ下げるやんw)・・・とすごくハラハラしながら見届けちゃいました。
あとこういう波打ち際の岩場ってフナムシが大量にいてエグい光景になってることよくあるんですけどそれはいないようでちょっと安心しましたw
帽子、回収できたのかなぁ…。
『岬』
“正彦シネ”というパワーワードでお馴染みの名作『邪願』(42巻収録)を思い出させるような1本で今作の中では一番ビクッとなりました。
顔はともかく、この張り紙や柵の警告文自体はおそらく本物でしょうからそれを見ると美しい海の悲しい一面を見てしまったようで何ともいたたまれない気持ちになりました。どうか誰も皆命は大事に・・・。
テツさんこんばんは。
今回はインパクトのあるエピソードが多かったですね。
私もこの3つが印象に残っています。
「消波ブロック」関しては「タメ」が長くドキドキさせられましたね。
104は見ました?感想楽しみにしてます。 スキーは父親が原因でしょ DVしてた可能性が高い 奥さんも子供を… ミヤは化け物か何か?動物限定がついに人間に標的を変えた。怖
怨さんこんにちは。
今書いていますのでお待ちください(汗)。
今回の三部作なかなか面白いですね。
というか昨年あたりから自分の中でほん呪
怖さや勢いを取り戻してる気がします。
今回は特に消波ブロックと岬がこわかったです。消波ブロックは霊がどこのタイミングで出るかドキドキしました。
岬はシンプルながらも女の睨む顔が怖かったです。自殺防止の貼り紙が妙な雰囲気を出してましたね。
そういえばもう2ヶ月前の記事ですけど、
ほん呪を企画した張江肇さんのインタビュー記事はご覧になりましたか?
https://wpb.shueisha.co.jp/news/entertainment/2023/08/17/120366/
なかなか読み応えあって興味深かった
ですよ。ちなみにこの記事で初めて張江さんの姿を拝見しました(笑)
消波ブロックも岬も「ため」が長くてドキドキしましたね。
冗長とも取れられかねないですけど「何か出るかも」という期待感と恐怖の感情にライブ感を感じさせます。
張江さんのインタビュー記事興味深く読ませていただきました。
この方の思い付きが「ほん呪」の源流だったのですね。おかげで楽しませていただいて感謝です。
僕も張江さんの姿を拝見するのは初めてです。