はじめに
「フェイクドキュメンタリーQ」はYoutubeで公開されているホラー系エンタメ番組です。別のホラー系番組「ゾゾゾ」を手掛ける皆口大地氏が主宰するものですが、なんと「監視カメラ」「心霊マスターテープ」「呪いの黙示録」の寺内康太郎氏も関わっています。
寺内康太郎氏の「心霊マスターテープ」に「ゾゾゾ」のメンバーが出演していたり、昨今では「ほん呪」でYoutube番組と結果的にコラボしたりして、私も段々とホラー系Youtube番組を意識せざるを得なくなり、この番組を選んで観ることにしました。
その「フェイクドキュメンタリーQ」第一作目が、この「-封印されたフェイクドキュメンタリー – Cursed Video-」です。
概要
「テレビ番組制作会社に保存されていた映像素材」というテロップで番組が開始される。とあるCS放送の企画で視聴者の依頼を解決するという「探偵!ナイトスクープ」みたいな番組のスタッフで、ディレクターとカメラマンの2人が閉店間近のビデオレンタル店を訪れる。
案件は視聴者からの依頼で、とあるレンタルビデオ店に「見ると死ぬビデオ」があるという噂を調べてほしいというものであった。その店の店長は、悪びれることもなくそのビデオを奥から探し出し見せてくれる。それはチープなホラードキュメンタリー作品であったが、作品の一部に奇妙な映像が唐突に差し込まれていたのだ。
何者かが悪戯で上書きダビングしたのだろうという見解であったが、近所の中学生の間で「見ると死ぬビデオ」として話題になり、店長も悪ノリして煽るようなPOPを作成してしまい、近所ではちょっとした都市伝説になってしまったという内容であった。
映像制作会社からはこの取材映像そのものが「フェイクドキュメンタリー」であったという話であった。だがディレクターは放送の数日前に交通事故で死亡。立て続けにカメラマンも心不全で死亡。プロデューサーの判断で映像は放送されることはなかった。
ビデオ店で映像を見たスタッフはこのVHSテープを買い取るのだが、番組内でこの内容が紹介されると、取材後の彼らの会話で、互いに語る映像の内容に奇妙な不一致があることが示唆され、番組は終わる。
感想(ネタバレ)
買い取ったビデオテープもこの取材映像とともに発見された、と言う体で肝心の場面が紹介されます(その前に取材映像内でも店長と共に見ています)。映像はビデオタイトル内に突然遺影を撮影したと思しきものが、唐突に挿入されると言うもので、実際に借りたビデオ内にこんなのがあったら怖いでしょうね。
挿入された遺影は男性、女性、女性、男性の順。1番目と4番目の男性は同じ人物と思われます。そして元のタイトルの映像に戻ったかと思うと、すぐに和服の男性の遺影が差し込まれて終わります。
そしてエピソードが終了する直前の、ディレクターとカメラマンの会話に違和感を残します。カメラマンが「店長は4人って言ってたけど3人しかいなかった」、するとディレクターは「そうだっけ?4人いたよね」みたいな会話です。この部分、音声のみなんですけど、妙に余韻を残す演出ですね。因みに視聴者は4人確認できるはずです。
カメラマンは1回目と3回目の男性は同じ人物なので3人とみなした。でもディレクターは4回目が同じ人物なのに気が付かず4人と感じたのかもしれません。となると最後の5回目(和服の男性)の存在はこの2人には認識できなかった…、というか取材時に店長と一緒に見ている映像では、最後の5回目は出てこないんですよね。
実はこのビデオを見て誰かが死んでしまうと、そのたびに遺影が増えるのかもしれない…我々視聴者が見た映像に5回目(4人目)が存在したのは、この2人が亡くなったから…なんて妄想をしました(笑)。
とは言っても、2人亡くなったのだから2つ増えないのかよ、とか、何故1回目と4回目は同じ人物なのかとか、そもそも遺影は誰のものなのよ、と言う疑問は残りますけど。
また、この映像を所有していた映像制作会社は「フェイクドキュメンタリーだと断言している」とのことですが、このYoutube番組自体が「フェイクドキュメンタリー」を謳っているので、どこまでがフェイクなのか、制作会社がフェイクであると事にしたいのかとか、いろいろと解釈の違いを想像することも楽しめますね。このような謎解き要素は「放送禁止」に近いテイストを感じました。
他にも何かありそうですが、僕が感じたのはこのくらいですかね。
構成というか演出は寺内康太郎氏が加わっているとはいえ、素人が作るYouTubeと馬鹿にできないものに仕上がっています。
また番組は18分程度で気楽に視聴できますし、面白かったので視聴を継続したいと思いました。
コメント
レビューありがとうございます!
恐怖の種類としてはかなり地味ですが、
じわじわ違和感が広がる感じがたまらないです!
この回にあった考察の一種を挙げます。若い男性の遺影に赤い丸の光が反射しているのですが、Go Proは撮影中ランプが赤く光ります。そしてカメラマンの持っていたのはGo Proです。
つまり制作会社が遺影を一つ増やし、いわゆる信じるか信じないかはあなた次第みたいなオチにする、まさにQの理念そのものです。
他にも私が気づかなかった点が多々ありますので、ittonさんも是非探してみてください。
赤い光ありました!
そしてカメラマンは取材中「GoPro」の単語を発していましたね。
なるほど、みんなよく見ているなぁ。
ただ、GoProのランプは撮影中は点滅のようなのですが、機種や状態によって異なるのでしょうか。