はじめに
「ほんとにあった!呪いのビデオ65」のレビューです。前回少し盛り返した「本呪」ですが、今回はどうでしょうか。
サバイバルゲーム(当時は怖かった)
概要
夜の廃墟でサバイバルゲームに興じる若者たち。ナイトモードで友人の後を追い撮影し続ける投稿者だが、廊下の突き当たりに差し掛かったところで何かを見つける。それは、重力を無視して天井を這いつくばり、こちらに近づいてくる異形の存在であった。
投稿者によると、明らかにメンバー以外の足音や唸り声が聞こえたと言うのだが…
感想
バイオハザード2の「リッカー」かと思いましたよ(笑)。
こいつ序盤に天井を這って出てくるので怖かったんですよね。でもまあ、この映像の化け物はでかい爪もないし、かなり異なるのですけれども。そしてなんかパンツ履いているし、「リッカー」というより姿形は「ゴブリン」でしょうか。
初見ではかなり怖かったですね。突き当たりに敗れた窓があるので、いかにもそこから入ってきた感じがしてゾクゾクさせられました。ただ、今回見直すと動きがとてもCG臭くて、ちょっとがっかりさせられました。
ちょっと気になったのは、サバゲーを夜やったら危ないんじゃないかと。整備されたサバゲー場ならわかるのですが、今回は廃墟ですよね。何が落ちているかわからないし、下手すれば怪我しそうですよね。さらに撮影のために明かりつけたら、敵方に居場所がばれちゃうじゃん、とも思いました。
遊女(怖い)
概要
投稿者の友人である同居人がアルバイト先から持ち帰った映像。
その友人のアルバイト先の会社は特殊清掃を生業としており、亡くなった方の遺品整理などを請け負っているそうだ。今回、その友人が関わった案件は、神奈川県在住の男性で、自宅で心筋梗塞による急死で3日後に発見されたのだという。その男性はリサイクルショップを経営しており、商品を保管していた倉庫からこの映像テープを発見した。通常受取人がいない場合は廃棄処分になるのだが、「麻子19」というラベルの文字に興味を抱いた投稿者の友人は、このテープを持ち帰ってきてしまった。投稿者はこの友人と一緒にこの映像を観ると、長襦袢をきた若い女性が扇子を仰ぎながらただ寝そべっているだけの映像であった。それなりに不気味であるものの、変化の無い映像に飽きてしまった投稿者は途中で席を外してしまった。だが友人はこれを最後まで見てしまう。彼によると映像の最後に不気味な人の顔が写っていたという。彼は翌日に法事で帰省してしまったが、その後から行方不明になってしまった。
取材班はこのテープに関していろいろ調べてみるが、直接の関係者に話を聞くことはできなかった。だが、亡くなった男性の家周辺の地域は昔は花街で、その名残で風俗店が点在していたようで、この映像は風俗店の嬢の紹介テープだと思われる。また、この一帯は1980年代に大規模な火災があり、身元不明の遺体がかなり見つかったとの話も聞ける。
ここで映像が紹介される。長襦袢の髪の長い女性が、布団に寝そべり、扇子を扇いでいる。画面は劣化が激しく、時折ノイズが走る。映像の背後では、男性のうなり声のような音声が終始聞こえ始める。すると突然、苦悶に満ちた男性(?)、あるいは老人のような人の顔が大きく浮かび上がる。口を大きく開け、叫んでいるようにも見え、目から血の涙を流しているようにも見える。
行方不明の友人はその後、実家近くの山林で遺体で発見されたそうだ。死因は不明で自殺の可能性もあるとの話である。
感想
遊女の妖艶な雰囲気とマッチしてかなり怖いですね。よく見ると作り物っぽいのですが、インパクトはかなりあります。
納骨堂(怖いのはそこじゃない)
概要
ヨーロッパ在住の投稿者の友人の男性が撮影した映像。地下いっぱいに骸骨が積み上げられた納骨堂を現地ガイドらしき人物に案内されているようである。その骸骨の1つ、額に穴の空いたそれにカメラが向くと、その何も無いはずの眼窩に光る2つの点を捉えた。
この映像を撮影した友人は半年前から音信不通になってしまったという。
感想
ここはフランスの「カタコンブ・ド・パリ」ですね。Wikipediaによると、もともとの地下納骨堂ではなくて、パリの墓地不足からやむなく遺体を移転したところらしく、今やちょっとした観光名所みたいですよ。
さて、映像ですが、指摘されている箇所は骸骨の眼窩にちょっとした光が見えるだけで全然怖くありません。でもその前にちょっと天井写すシーンで、その天井にはっきりと不気味な顔が写っています。こっちの方が怖いって(笑)。
MEMORY 前編(少し怖い)
概要
投稿者の男性、日高さんが恋人の女性、宍戸さんのマンションで撮影した投稿映像。彼によると、一ヶ月前程から宍戸さんの身に、度々奇怪なこと起きているという。それは、彼女が付き纏われている感じがしており、窓の外から女性のぶつぶつと呟く声がするというものであった。そこで、日高さんはカメラを持ち歩き、その姿を捉えようと備えていたところ、洗濯物を取り込む宍戸さんの訴えでベランダに出て撮影したものである。
日高さんの元カノの内藤さんや日高さん、宍戸さんの友好関係を洗っても、特に目立った情報は得られなかったが、気になる点として宍戸さんの地元の古い知り合いから、彼女が幼少期に幼稚園に突然来なくなり、姿を消していた時期があることが分かった。
宍戸さんにこの件を問い合わせると、子供の頃、同じ団地の仲の良い友人、古瀬百夏さんが宍戸さんの目の前で階段から転落して死亡していた事故があったことを告げられる。宍戸さんの両親はショックを受けた彼女を落ち着かせるために、しばらく親戚であるお寺に預けていたそうである。だが、彼女は最近までその事を忘れていたのだそうだ。実家で幼い頃のホームビデオにその百夏さんが写っていたのを見て、やっと彼女の存在を思い出したらしい。ビデオの日付は2000年1月2日であったそうだ。電話インタビューで演出補・川居は、宍戸さんが変な女に監視されていると感じ始めた時期と、そのビデオを見た時期の符合に気がつく。とにかく、実家にあるその映像を宍戸さんの弟に送ってもらうように手配してもらうことになった。
取材班は当時の事故の記録を地元の新聞で調べ、1999年12月に古瀬桃夏さんが亡くなった事件の記事を発見する。いっしょに遊んでいた少女は近くに女の人を見たと証言していた。この少女が宍戸さんなのであろうか。そして近くにいたという女は何者なのか。だが、スタッフは桃夏さんの死亡時期が12月なのに対し、宍戸さんが桃夏さんの姿が写っていたと証言している映像の日付が、翌年の1月であるという矛盾点を見つけてしまう。
ここで、宍戸さんのマンションで撮影された映像が紹介される。
道の真ん中に女性がぼーっと立っているが、すぐ消えてしまう。すると近くの電柱付近に瞬間移動した女性が再度現れてすぐ消える。この女性は少し奥に移動し、またうっすらと消えてしまう。異様な光景に怖がる宍戸さんの声で映像は終わる。
この不気味な存在が、宍戸さんが事故の際に見たという女なのであろうか。
感想
宍戸さんのマンションからの風景が裏路地って感じでなかなか怖さを引き立てる雰囲気があって良いですね。立ちすくむ女もなんか胴体が長くて気持ち悪く、うっすら怖くてこれも良い感じです。ただ、消え方がなんか綺麗過ぎて、編集ソフトのエフェクトっぽく、怖さが薄まってしまうのが難点です。
写真(少し怖い)
概要
投稿者の男性が、高校の同級生達と廃墟探検。この場所は再開発の影響で住民が立ち退いたが、その後開発がストップしてしまい、廃墟だけが取り残されたものであった。すると彼らは部屋の床に古い写真が散乱した部屋に行き着く。全ての写真は写った人物達の顔が削り取られている。異様な光景に恐怖を感じ、息を飲む一行。だが、手に取った写真の背後に、不気味な少女が座り込み、こちらに振り向く姿がはっきりと映像に記録されていた。
だが、後の調べでこの家の元の住人と、写真の人物は何も関係ないことが分かった。この写真は誰が何の目的で持ち込んだものなのであろうか。
感想
写真が怖いですね。何か恨みというか、怨念が宿っているようで気持ちが悪い。ただでさえ怖い写真の背後に、「もっと怖いのいた!」っていう感じの霊の出現方法もバッチリです。ただ、怖さ的にはイマイチ。何なのでしょうか、これもはっきり映りすぎだからでしょうか。
最近の傾向としては、このときに撮影者が気づき、悲鳴を上げて逃げ出すパターンが多かったのですが、今回は気がつかずにスルー。僕は撮影者が気がつく方が好きなのでちょっとだけ残念です。
家族(少し怖い)
概要
投稿者の女性と友人が夫の昇進祝いに開催した、ささやかなパーティー。部屋の明かりを消し、彼の帰宅に合わせて明かりをつけて迎えるサプライズを仕掛ける。だが明かりをつける直前、カメラのフラッシュの閃光に、何者かの3人の人影がリビングに座っている様子を捉えてしまった。
その後から夫は焼けた火箸を押しつけられるという、悪夢にうなされるようになってしまった。投稿者はこの部屋になにか事件がなかったかを管理会社に問い合わせるのだが、目立った事件などはないとの回答であった。スタッフが周辺に聞き込みを行うと、このマンションの一室で子供に虐待を繰り返している家族が住んでいたことが分かった。この家族は別の場所で一家心中してしまったそうである。会社が変わってしまったため、管理会社もこの件は把握していなかった模様。
感想
ほんの一瞬で通常再生ではまず気がつかないもので、そのせいかあまり怖くはありません。写り込んだ人影は何だかぼんやりしていて、顔立ちや表情が感じられず、これが結構怖いものに仕上がっているだけに残念です。
それにしても、旦那さん、サプライズをすごく嬉しそうにしていたのにかわいそう。
シリーズ・監視カメラ マンホール(怖くない)
概要
駅近くの線路脇に設置された監視カメラ。マンホールからにょきっと女性が上半身を出している。傘をさした男性が通りかかると、その男性を追尾するように女性が向きを変える。
感想
「自動追尾カメラかよ!」って感じの動きで全く怖くありません。ただ「この女でかくね?」って思いました。なんか縮尺が合っていない感じで、それが異質感を感じさせてちょっとだけ興味深いと感じました。
MEMORY 後編(怖くない)
概要
古瀬桃夏さんが写っているという映像が取材班に送られてくる。ラベルには確かに2001年1月と記されていた。だが写っているのは桃夏さんではなく、姉の宍戸さん本人であるという弟の手紙が入っていた。これはいったいどういうことであろうか。
この映像を確認すると、赤い着物を着た少女が写っており、一見何の変哲のない映像。だがスタッフは映像内に奇妙なものが写り込んでいることを発見する。押入れが勝手に開き、そこに手が見える事、さらに少女にそばに別の顔が見えるというものであった。だが、弟さんも宍戸さんも映像内の異変も関しては何も語っていない。そして宍戸さんはここ数日連絡が取れない状態が続いていた。
取材班は古瀬桃夏さんの母親、清子さんにコンタクトを試みて、インタビューすることに成功する。彼女に映像を見てもらうと、映像に映る少女は桃夏さんではなく、宍戸さんであることが分かった。さらに着ている赤い着物はなんと桃夏さんのものであるというではないか。桃夏さんの生前に宍戸さんが着物を褒め、とても羨ましがっていたので、彼女に譲ったということであった。宍戸さんが女の存在を証言していたことは、清子さんは覚えていた。だが、警察は捜査の末に事件性がないと判断し、事故であると清子さんは納得している様子であった。
取材班は日高さんを連れ立って、宍戸さん宅に直接向かうことになった。日高さんの問いかけに対し宍戸さんはやっと反応し、ようやく部屋に入れてもらい、話をすることができる。宍戸さんはスタッフの問いかけに生返事するだけ。着物を桃夏さんの母親から譲り受けたことも覚えていない様子である。だが目撃したという女性の話に対して詰問していくと突然激昂してしまい、とても話を聞ける状態ではなくなってしまった。そしてこれ以来、体調不良を理由にインタビューに応じてもらえなくなってしまった。
その後、取材班は当時の幼稚園の教諭、小出さんに話を聞くことができる。彼女は宍戸さんの担任ではなかったが、友人が担任で、話を聞いていたという。その情報によると、宍戸さんは虚言癖があり、女性の目撃談については誰も信じていなかったそうだ。
それとは別に、同じ園に通う別の少女、前野亜衣さんが、桃夏さんの事故の1ヶ月後に自転車事故で亡くなっているという情報が得られる。亜衣さんも同じ団地の子で、なんと、彼女が乗っていた自転車も亡くなった桃夏さんのもので、桃夏さんの母親から譲り受けたものであったというのだ。仲間内では桃夏さんに亜衣さんは連れて行かれたのでないかとの噂になっていたという。また、古瀬清子さんはなぜか桃夏さんの葬儀を友引の日に行なっていた。「友を引く」という言葉から、通常はこの日に葬儀を行わない習わしであるにもかかわらず、である。
さらに取材班は宍戸さんの母親と電話で話を聞くことができた。撮影されたのは母親の実家で叔父が撮影したそうである。そして、映像の異常には誰も気がつかなかったという。また、着物と自転車の話は事実で間違いがなく、噂から心配した宍戸さんの両親は、お祓いのために神社に預けたということが分かった。
製作委員会は以下のような推論をたてる。
16年前、古瀬百夏さんが事故死。そして、宍戸さんは桃夏さんの着物を、前野さんは愛用の自転車を譲り受ける。1ヶ月後に前野亜衣さんは事故死。宍戸さんはお寺に預けられ、お祓いを受けて呪いは一旦解ける。だが、幼少期の映像の着物を見て、宍戸さんは百夏さんを思い出し、呪いは再度発動してしまう。
古瀬清子さんは自分の娘、百夏さんが死んでしまったことに納得せず、呪いをかけたのではないだろうか。
ここで映像が紹介される。
赤い着物を着た少女が遊んでいる。背後の押入れが少しずつ開いていき、そこには内側から引き戸を開けているような手が現れる。そして激しいノイズとともにその少女の顔に重なったような別の顔が現れ、映像は終わる。
現在宍戸さんは心身の病で入院してしまったという。
感想
お疲れ様でした(笑)。
宍戸さんの部屋でのインタビューシーンで、いままで蚊の泣くような感じで喋っていた宍戸さんが、突然ギャーギャー喚き出すので、音量注意です。
紹介された映像はそれなりに怖いですよ。特に幼い頃の宍戸さんに被さるように出現した別の顔は気味が悪いです。ただ取材過程がかなり長く、これを延々と見せられた割は恐怖度が小粒だと感じました。
友引に葬儀を行ったとはいえ、噂話だけの根拠で百夏さんの母親を呪いの元凶みたいに扱うのは少々強引かとも思いましたね。
感想まとめ
結構秀作が揃っているのに、一般投稿のボリュームが薄く感じてしまったのは、特集が長過ぎたうえに、大して怖くなかったので疲れてしまったからですかね。「MEMORY 後編」が始まった時に残り40分近くありましたから。
印象に残ったのは「サバイバルゲーム」、「遊女」、「写真」といったところです。この中では「遊女」が一番怖く、「写真」が好きな作品です。「サバイバルゲーム」はインパクトはありますが、今見るとちょっと笑ってしまいます。
あとメチャメチャ胸を強調した川居さんの服装が、妙に気になったことを付け加えておきます(笑)。
コメント
見ましたー 記憶は曖昧ですが菊池氏がトップになったあたりからフェイクっぽさが目立って割と最近のホンノロからは離れてたのですが、この巻は全体的に面白かったです!
元気の無い宍戸さんにインタビューするところから直感で『いきなり発狂しそうだから音下げとこ』って準備してたのに突然その時がやってきて かなりびっくりしたのでイラついてしまいました (^_^;)
モフィさんコメントありがとうございます。
>『いきなり発狂しそうだから音下げとこ』
すみません。このくだりに笑ってしまいました。
でもあれはびっくりしますよね(笑)