はじめに
「ほんとうに映った!監死カメラ9」のレビューです。
今回からアシスタントの辻沢さんが降板、金田さんが復帰しますが、名義は「金田萌黄」に変更されています。髪の毛を切ったようで、こちらのほうが似合っていると思います。
死のノイズ(ほんのちょっと怖い)
概要
雑居ビルの屋上に備え付けられた監視カメラ。喫煙所になっているようで、男性2人が灰皿を囲んでいる。その1人が缶コーヒーを買うためにカメラの視界から消えると、もう一人の男性が何のためらいもなしに柵を跨ぎ、屋上から飛び降りてしまう。
この監視カメラは録音機能がないため、音声を記録するはずはないのだが、男が飛び降りる寸前、何故か映像には甲高いノイズ音が記録されていた。これは人を死にいざなう「死のノイズ」とでもいうべきものなのだろうか。
感想
ノイズはともかく、何のためらいも、直前の一瞬の「タメ」も何にもなく、まるでプールにでも飛び降りるがごとく、「ふわぁ」と落ちてしまうのがとても印象的でした。幽霊だってもっと一瞬構えて落ちますよ。それがちょっと怖いと言えば怖いですね。
終末音(ちょい面白)
概要
とあるマンションに設置した、監視カメラ映像。住宅地にもかかわらず、工場で発生するような機械音、あるいは金属がきしむような、なんともいえない音が記録されていた。これらの正体不明の音は、どこからともなく聞こえ、一般的に終末音、アポカリプティックサウンドとも言われ、世界各地で記録されているが、正体は不明である。
この現象に興味を抱いたスタッフは、魔術堂KATOR氏にアドバイスを求め、この音を追い求めている「リュウ」を名乗る音響技術者を紹介してもらう。リュウさんによると映像制作時の環境音の収録時に、よくこの終末の音を収録する機会があるのとのことであった。そしてその音を収録するときには、何らかの心霊現象を伴うことも多いそうである。彼が以前収録した終末音もエピソード内で紹介される。
スタッフはこの終末音を収録するため、リュウさんにいつも通っているという山奥に同行させてもらう。彼によると食べ物(特に甘いもの)をばらまくと、何者か(霊)がこれを食べてくれて、その際には終末音を聞けることが多いのだそうだ。実際今回の取材でも山中でどら焼きやアンパンなどを撒くと、ちょっと目を離した隙にこれらの食べ物がかじられたように減っていき、消えてしまうことが確認できた。
夜間になると、何処からともなく何とも言えない音が山中に鳴り響き、終末音を収録することに成功する。だがしばらくしてリュウさんは驚いたような声を上げたかと思うと、忽然と消えてしまう。周りを捜索しても見つからず、終末音はいつの間にか止んでしまっていた。そしてあたりにはリュウさんの機材だけが残されていた。
これ以降彼は行方不明となってしまい、残された機材にはリュウさんの悲鳴と何かを引きずるような音だけが記録されていた。
感想
でたな「終末音」。しばらく前にレビューした「心霊玉手匣2」でおなじみのやつです。あっちも大体同じタイミング(2014年7月)でリリースされていますね。
でも心霊玉手匣でお腹一杯になってしまったせいか、あまり新鮮味が感じられませんでした。いやこれは視聴したタイミングの問題なので、こちらの作品には何も非はないんですけど。当時流行ってたんですかね「終末音」。
こちらでは心霊現象の亜流みたいな扱いで、霊が集まって甘いもの食べるというのが面白かったです。別の人を連れてきてしまったことで霊が怒ったのか、パンがモズのはやにえみたいに枝にぶっ刺さっていたり、急に風が強くなったりと雰囲気が盛り上がりました。怖くはありませんが、ちょっとおもしろかったです。
ドライブレコーダー(怖くない)
概要
とある個人タクシーに設置されたドライブレコーダーの映像。このドライブレコーダは車に一定の衝撃があった際にのみ、その前後の映像を保存するタイプである。
だがこの映像はそのような事故などの衝撃が加えられていないにもかかわらず、何故か記録されていたものだという。鋭く走る音声ノイズの後に、前方を走る軽ワゴンのリアウインドウに男の子のような顔が浮かび上がった。このカメラもまた音声は記録しない筈なのにノイズが記録されていた。
感想
かなり画質が荒く、恐怖は感じませんでした。てか本当に子供がいたのではないの?
ハザードランプ(少し怖い)
概要
この映像は、インターネット上の動画サイトに投稿されていたものだそうである。運転席からフロントガラス方向を捕らえており、ハザードランプの点滅する弱々しい明りと「カッチカッチ」というリレー音が終始流れている。前方に一列に並んだ明かりにはピントが合っておらず、なにが前方にあるのかはわからない。また、だれが何のために撮影し、投稿したのかは一切不明である。
しばらくすると撮影者らしき声がまじかに聞こえる。それは、ハザードの瞬きに合わせて「タシケテ…タシケテ…」と繰り返し呟いているものであった。しばらくすると、前方から一瞬何か得体のしれないものが近づいてくる。「タシケテ…タシケテ…」の声は次第にが短く強くなっていき、突然映像は終わる。
現在この動画は削除されてしまい、見ることはできない。
感想
「タシケテ…タシケテ…」の連呼は少し怖いですね。ただ、現われた異形のなにかは、頭だけが異常にでかい、ポロシャツを着た男性に見えます。その漫画みたいなフォルムで恐怖が半減してしまいました。見ようによっては怖いかもしれません。
廃墟3(ちょい怖)
概要
前回の「廃墟2」の映像の投稿者は、慌てて逃げた際に残してしまった荷物を拾いに再び訪れる。今回は投稿者の彼女と一緒である。恐る恐る前回幽霊を目撃してしまった部屋を目指すが、途中で足に違和感を覚える。カメラを足元に向けると1本の手が自分の足をつかんでいるではないか。
再びあられもない悲鳴をあげ、逃げまくる投稿者とその彼女。外に出て後ろを振り返り、建物の方にカメラを向けると、窓から女の顔がのぞいていた。さらに逃げ惑う投稿者たち。
感想
菅野君3回目です。未だ名前は出てきません。
今回彼女と一緒とのことですが、その姿を拝むことはできないのがとても残念。その彼女の悲鳴が独特で、ヘッドホンを通さずTVのスピーカーで聞くと、なんかスピッツがキャンキャン鳴いているみたいです(笑)。
映像はなかなか雰囲気があるもののはずですが、彼の怖がり方が少々うざくなってきてしまって、怖くなくなってしまいました。そんなにビビるなら行かなきゃ良いのに、とか思ってしまいます。
ストーカー(少し怖い)
概要
ストーカー被害に悩む投稿者は自宅の部屋に監視カメラを設置する。留守中で部屋の明かりも消えているが、周りの街灯やビルの明かりで照らされた室内は比較的明るい。すると唐突に非常ベルのような音が響き渡り、表に面した窓に人影が徐々に3体ほど映り込む。非常ベルが収まるとその人影は消える。
投稿者の部屋があるマンションの敷地はかつて雑居ビルがあり、その火災で3人ほど亡くなったとのことである。
感想
ストーカーはこのカメラを設置するきっかけに過ぎず、この霊はストーカーじゃないですよね。タイトルのつけ方おかしくね?、と思いました。
映り込んだ顔はまあまあ不気味です。
この映像、どっかのバラエティ番組で見たことあります。「監死カメラ」だったのか。
霊界とのコンタクト(なにこれ)
概要
何の変哲のない町工場の監視カメラ。この工場の経営者である投稿者は昼夜問わず奇怪なラップ音や人の足音に悩まされていた。監視カメラにはその音も記録されていたが、映像には幽霊などの姿は確認できない。
さっそく取材班は工場での取材を開始する。工場に隣接する投稿者の自宅の一室で遠隔監視を行い、この現象を確認するが工場には誰もいない。するとアシスタントの金田は何かを感じ取ったそぶりを見せる。実は金田には元から霊感があることをいまさらカミングアウトしたため、彼女に工場内で隠れてもらい監視することになった。
何日にも及ぶ調査で金田は霊とコミュニケーションする方法を確立することに成功し、コンタクトを試みる。ラップ音の回数でYES、NOを答えてもらう方法で以下のことが判明した。
霊は女性で、2か月前に殺害され、遺体はまだ発見されていない、この工場内に遺体があるそうである。だが、何回質問してもはっきりしなかったのは殺害された日付であった。どうやらこの霊は未来に殺害された(?)らしい。それは2年後の2016年某日だということ(2014年当時)までは判明した。
まさかの事態に当惑するしかない投稿者。取材班この霊は未来に殺害されたのではないかという大胆な仮説を立て、とりあえず警察に届けた。警察にまともに相手をしてもらえたかどうかはともかくとして、これ以降ラップ音は止んだという。
我々は彼女の未来を変えることができたのかもしれない。
感想
金田さん霊感があったとか今更感が半端ないです。そりゃ他のスタッフはブーブー言いますよ(笑)。それじゃあ以前、押し入れに放置されたときには何も感じなかったんですかね。
ラップ音の回数で霊とコミュニケーションを図るとか、「ハイズビル事件」の「フォックス姉妹」を思い起こさせます。あれは妹の一人がインチキだったと告白したり、その後その発言を撤回したりと真相がグダグダになってしまっていますが。
「めんどくさいし」とか「きみがられる(気味悪がられるがうまく言えない)」とか金田さんの仕事への意気込みや言語能力にちょっと不安を覚えます。その後何日間も泊まり込んできっちりと霊と対話し、真相を暴いている(?)ので、別に不真面目ってわけでもないのでしょうけど。
それにしても何日も仕事を休んで、この工場は大丈夫なのでしょうか。
感想まとめ
今回は「音」関連が多く、若干地味な印象を受けます。おかしな人も登場せず、少し真面目な路線に戻った感じで安心して観ていられました。
ですがそれに物足りなさを感じているということは、このシリーズのコメディ路線に馴染んできてしまっているせいでしょうか。まあ最後のエピソードは「未来に殺された幽霊」ということで、若干ぶっ飛んだ設定ではありますが。
印象に残ったのは「ハザードランプ」ですね。
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